「α世代」の特徴はデジタルネイティブだけじゃない?この世代の基礎知識とマーケティング目線でのポイントを解説
新規事業やオープンイノベーションのプレイヤーやそれらを実践・検討する企業の経営者はTOMORUBAの主な読者層ですが、こうした人々は常に最新トレンドをキャッチしておかなければなりません。そんなビジネスパーソンが知っておきたいトレンドキーワードをサクッと理解できる連載が「5分で知るビジネストレンド」です。キーワードを「雑学」としてではなく、今日から使える「知識」としてお届けしていきます。
今回のテーマは「α世代(アルファ世代)」です。α世代は2010年代以降に生まれた世代を指し、彼らはデジタルネイティブとして育ち、テクノロジーが日常生活の一部として浸透しています。この世代の特徴や消費行動、価値観は、ビジネスやマーケティング戦略に大きな影響を与えると考えられています。本記事では、α世代の定義や特徴、その社会的影響について探ります。
X、Y、Z世代から新しい社会へ。α世代の基礎知識
α世代(アルファ世代)は、2010年以降に生まれた子どもたちを指す世代で、Z世代に続く新しい世代です。彼らは、生まれた時からデジタル環境に囲まれて育っており、スマートフォンやタブレット、インターネットが生活の一部として当たり前のように存在しています。テクノロジーへの親和性が高く、情報収集やコミュニケーションの手段としてデジタルツールを積極的に利用しています。
α世代は、2000年代後半から2020年代初頭にかけて生まれた子どもたちを指します。具体的には、2010年から2025年頃までに生まれた子どもたちがこの世代に属します。彼らは、主にスマートデバイスやインターネットを通じて世界と繋がっており、これまでの世代とは異なる価値観や消費行動を持つと予想されています。
「α世代」という名称は、オーストラリアの社会学者マーク・マクリンドル氏が提唱したもので、アルファベットの最初の文字「A」から名付けられました。これにより、新たな時代の始まりを象徴しています。マクリンドル氏は、Z世代が終わりを迎えるとともに、新しい世代が新たなテクノロジーや社会の中で形成されると考え、この世代を「α世代」と名付けました。
α世代以前の世代の名称についても振り返っておきましょう。1965年〜1980年に生まれた「ジェネレーションX」をX世代、1981年〜1996年に生まれた「ミレニアル世代」をY世代と捉えるのが一般的となっており、その次の1997年〜2012年に生まれた世代を「Z世代」と呼びます。
参照記事:なぜいま「Z世代」が流行語に?Z世代の基礎知識とブレイクしたきっかけを分析 - TOMORUBA (トモルバ)
デジタルネイティブだけじゃない、α世代の特徴
α世代(アルファ世代)は、2010年以降に生まれた世代で、いくつかの特徴があります。前述したとおり、この世代はデジタルネイティブであることが特に注目を集めていますが、その他にも様々な特徴を有しています。
デジタルネイティブ
α世代は、生まれたときからスマートフォンやタブレット、インターネットが日常生活の一部として存在しています。そのため、デジタル技術への適応力が非常に高く、幼い頃からタッチスクリーンや音声認識技術に慣れ親しんでいます。
多様性と包摂性
α世代は、多様性やインクルージョンを自然なものとして受け入れています。彼らは、ジェンダー、民族、宗教などの違いに対して寛容であり、多様なアイデンティティを尊重する傾向があります。
社会的意識の高さ
この世代は、気候変動や社会的公正、持続可能な開発など、グローバルな課題に対して強い関心を持っています。教育やメディアを通じて、これらの問題について早期から学んでいることが背景にあります。
教育への高い期待
α世代は、テクノロジーを活用した教育を受けて育ち、個々のニーズに応じた学習が求められています。オンライン学習プラットフォームやデジタル教材を活用し、個別化された教育体験を求める傾向があります。
早期からの消費者意識
α世代は、幼少期からデジタル広告やオンラインショッピングに触れており、消費者としての意識が早期に形成される傾向があります。これにより、マーケティング戦略においては、よりパーソナライズされたアプローチが求められています。
家庭での影響力
α世代は、家族の中での影響力が大きいとされており、特に家庭内の消費やライフスタイルの選択において、親に影響を与える存在となっています。親子のコミュニケーションがデジタルツールを通じて強化される中で、この世代の意見が家庭内の意思決定に反映されることが増えています。
メディアやマーケティング観点から見たα世代の特徴
Z世代やα世代など、世代に名称をつける大きな理由として、メディアやマーケティングの戦略の観点が挙げられます。α世代はどのようなメディアに触れていて、どのようなマーケティングのタッチポイントが有効となるのでしょうか。
電通マクロミルが実施したα世代に関する調査によると、この世代の約4割が自分専用のスマートフォンを所持、また半数以上が自分専用のテレビゲーム機を保有しています。
触れているメディアについてはこの世代でもテレビが1位となっており、依然としてテレビの影響力は強いようです。利用しているSNSはYouTubeが63%でその他を圧倒しています。
こうした特徴を踏まえて、企業がα世代とタッチポイントを作るにはゲームが有効だと言えます。親子でゲームを楽しむことが普通になっている傾向があるとのことです。α世代に興味を引き、購買につなげるには「子の興味」と「親からの信頼」の両方を獲得することが重要とのことです。
参照ページ:【独自調査レポート有】α(アルファ)世代とは、定義や特徴、マーケティングのヒントまで紹介
編集後記
α世代は、デジタルネイティブとして育ち、テクノロジーへの適応力が非常に高いことが特徴です。また、多様性を自然に受け入れ、社会的意識が高いこともこの世代の大きな特長です。さらに、教育や消費行動に対する期待が高まり、家庭内での影響力も増していることが明らかになりました。
これからの社会やビジネスにおいて、α世代の存在はますます重要になるでしょう。企業や教育機関は、この世代の特性を理解し、彼らのニーズに応えるための戦略を構築することが求められます。デジタル時代の中で育つ彼らが、どのように社会を変えていくのか、その未来に注目が集まります。
(TOMORUBA編集部 久野太一)
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