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ドローン分野でも特に熱い「空飛ぶクルマ」は加速度的な成長見込み!ユースケースやリードする国内企業とは

ドローン分野でも特に熱い「空飛ぶクルマ」は加速度的な成長見込み!ユースケースやリードする国内企業とは

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新規事業やオープンイノベーションのプレイヤーやそれらを実践・検討する企業の経営者はTOMORUBAの主な読者層ですが、こうした人々は常に最新トレンドをキャッチしておかなければなりません。そんなビジネスパーソンが知っておきたいトレンドキーワードをサクッと理解できる連載が「5分で知るビジネストレンド」です。キーワードを「雑学」としてではなく、今日から使える「知識」としてお届けしていきます。

今回取り上げるテーマは「空飛ぶクルマ」です。加速しているドローン分野の技術開発のなかでも最もインパクトの大きい領域のひとつである空飛ぶクルマは、多くの研究や開発が行われており、将来的に実用化される可能性があります。

空飛ぶクルマが市場に与えるインパクトや、具体的なユースケースにはどのようなものがあるのか、どんな企業がこの領域をリードしているのか、また、実用化に向けてどのようなハードルがあるのか、それぞれ解説していきます。

空飛ぶクルマは移動手段、災害支援など多くの可能性を秘めている

空飛ぶクルマとは、一般的に空中を走行する車両のことを指しています。空飛ぶクルマの定義ははっきりとは定まっておらず、国土交通省の資料では「明確な定義はない」と前置きしつつ「『電動』『自動(操縦)』『垂直離着陸』が一つのイメージ」と表現していますが、経済産業省の資料では「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」と定義しています。

空飛ぶクルマの主な用途は交通手段ですが、交通手段にも種類があり、「都市部・人口密集地」と「過疎地・離島」に分けて考える必要があります。


出典:空飛ぶクルマのユースケースに関する調査

都市部・人口密集地では渋滞が深刻な社会課題となっていますから、都市部での移動を想定した「エアタクシー」として、既存のバスやタクシーを代替できる可能性があります。また、郊外の空港から都市部への移動、都市から都市への移動といった用途にも期待が寄せられています。

一方、過疎部・離島についても用途が想定されています。日本には420の離島があり、離島に住む人にとっての既存の交通手段は船か空港ですが、多くが採算が合わないなどの社会課題があります。この問題を空飛ぶクルマで解決できるかもしれません。過疎地についても、バスや電車の利用客が少なく採算が取れないため同じ問題を抱えていますが、空飛ぶクルマならば採算が取れるのではと検討が進んでいます。

そのほか、災害・医療救助、観光レジャーへの活用など、空飛ぶクルマには多岐にわたる用途が想定されています。

空飛ぶクルマの市場規模は加速度的に成長し2050年には120兆円に

空飛ぶクルマはまだ実用化されていないので市場規模はほぼありませんが、矢野経済研究所が2022年5月に公開したグローバルでの市場規模の予測によれば、2025年からマーケットが立ち上がり、2050年には120兆円に達する見込みとなっています。


出典:空飛ぶクルマ世界市場に関する調査を実施(2022年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

空飛ぶクルマはまさに加速度的な成長速度で巨大市場になることが予測されています。同レポートでは、小型航空機の認知度が高いことや実証試験のサイクルが早いことから、欧州や北米、中国の3地域・国が市場を牽引していくと見ています。

国内においては、2025年に開催される大阪万博で「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」を設置することを公表しており、これをきっかけに事業化が加速する見込みです。

スカイドライブやトヨタ、ホンダなど空飛ぶクルマの開発を進める国内メーカー

国内でも空飛ぶクルマの開発は活発化しています。注目されるのはトヨタ出身の福澤知浩氏が創業したスカイドライブです。同社は前述した大阪万博での空飛ぶクルマのプロジェクトに参画しており、2018年には日本で初めて無人飛行試験を成功させています。

大手自動車メーカーもそれぞれのアプローチで空飛ぶクルマの開発に参入しています。トヨタは自前では開発していないものの、米国で有力なモビリティスタートアップであるジョビー・アビエーションに資本参加しています。

ホンダはビジネスジェット分野でトップを走り続けている実績を背景に、空飛ぶクルマ分野にも参入しています。計画では、2023年ごろにアメリカで試験飛行を行い、事業化判断が下りれば2030年ごろに事業開始する方針です。

【編集後記】都市部と過疎部に課題の多い日本は実証実験に向いている?

日本は規制がハードルとなって空飛ぶクルマの実用化が順調に進むかは未知数ですが、都市部の渋滞や過疎部の交通の便については課題の多い国です。そういう意味では実証実験に適した土地柄を生かして実用化までのマイルストーンを描きやすいかもしれません。もともとモビリティに強い国ですから、万博をきっかけに空飛ぶクルマが日本のお家芸に躍り出る可能性はありそうです。

(TOMORUBA編集部 久野太一)


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