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パンデミックが追い風に。マルチハビテーションが新しいライフスタイルと地方の課題解決を実現できる理由

パンデミックが追い風に。マルチハビテーションが新しいライフスタイルと地方の課題解決を実現できる理由

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新規事業やオープンイノベーションのプレイヤーやそれらを実践・検討する企業の経営者はTOMORUBAの主な読者層ですが、こうした人々は常に最新トレンドをキャッチしておかなければなりません。そんなビジネスパーソンが知っておきたいトレンドキーワードをサクッと理解できる連載が「5分で知るビジネストレンド」です。キーワードを「雑学」としてではなく、今日から使える「知識」としてお届けしていきます。

今回取り上げるのは『マルチハビテーション』です。複数拠点や多拠点居住などとも言いかえられます。日経クロストレンド「トレンドマップ 2021上半期」にて、将来性のあるトレンドとしてマルチハビテーションが取り上げられているほど注目を集めています。

なぜマルチハビテーションのムーブメントは起きていて、どんな経緯でビジネストレンドとなったのか、紐解いていきます。

複数の住拠点を持って生活するマルチハビテーション

マルチハビテーション(Multi-Habitation)は複数(Multi)の住居(Habitation)を持つライフスタイルのことです。複数拠点、多拠点居住などとも言われます。一般的にマルチハビテーションは、仕事は都会でこなして、休日は地方で過ごすというスタイルを指します。

近い言葉として『別荘』があります。別荘もマルチハビテーションの一種と言えますが、別荘は富裕層が特定のシーズンに利用するのに対して、マルチハビテーションは毎週末利用するケースなどが多く、都会と地方のスイッチを頻繁に行います。


出典:日経クロストレンド「トレンドマップ 2021上半期」を発表

マルチハビテーションは日経クロストレンドが発表した「トレンドマップ2021年上半期」で、消費分野において将来性スコアが最も伸びたキーワードとして紹介されました。

マルチハビテーションの市場規模は2030年に37兆円に

マルチハビテーションが話題になりはじめたのは2019年あたりからで、リクルートは『デュアラー』という言葉が2019年のトレンドキーワードになるという予測を発表していました。デュアラーも都会と地方を行き来する2拠点生活を指す言葉で、マルチハビテーションとほぼ同義です。

すでにトレンドの兆しがあったマルチハビテーションですが、コロナ禍でのライフスタイルの変化を受けてさらに注目を浴びています。

日経クロストレンドが出版している消費トレンド総覧2030によると、マルチハビテーションは2030年までに37兆円を超えると予測されています。

コロナ禍と地方の過疎化がマルチハビテーションのブームを後押し

マルチハビテーションが注目を浴びるに至った経緯は複合的です。そもそも近年では、地方の過疎化が進み、空き家問題などが深刻化しています。自治体はこれらの問題を、転入を促すことで解決しようとしてきましたが、日本全体が人口減少しているためパイの奪い合いとなっているのが現状です。そこで、短期滞在でもしてもらえるように、関係人口増加のための地域をアピールする動きが出てきています。

次に人々のライフスタイルに目を向けてみます。KDDI総合研究所が2021年8月に公開した調査レポート R&A「調査報告書 地方移住/多拠点生活に向けての生活者理解(第2回)」によると、多拠点移住生活に関心のある人の傾向は以下の通りでした。

・23区在住、20代男性、世帯年収高め、帰省先あり、身の回りに介護が必要な方あり。

・候補地は東京圏(1都3県の郊外)が人気

・最も重視することは住宅の確保、治安、物価・住居費の順

・東京圏へ日帰りできることも重要

このように、マルチハビテーションに関心の高い人と、短期滞在の関係人口を増やしたい地方の課題は需要と供給が一致している部分が多くあるのです。

マルチハビテーションプラットフォームによって敷居が低くなりつつある

マルチハビテーションが普及している原因のもうひとつは、多拠点居住を手軽に実践できる事業者が台頭していることも挙げられます。

国内で代表的なプレイヤーは、いずれも多拠点居住プラットフォームである『ADDress(アドレス)』と『HafH(ハフ)』でしょう。アドレスもハフも月額制会員になることで、国内に複数ある宿泊施設を利用できるようになる、“住居のサブスク”とも言えるサービスです。

両社はマルチハビテーションをより身近にするために、様々なパートナーと積極的な共創を実施していることが特徴です。例えば、拠点への移動を便利にする施策として、アドレスはANAと、ハフはPeachと提携し、格安で飛行機での移動ができるプランを提供しています。

参照記事:「HafH」を提供するKabuK Style×Peach | 業務提携により、Peach国内線全路線1ヵ月間乗り放題の共同キャンペーン

参照記事:ANA×ADDress|航空券サブスクリプションの実証実験を開始、多拠点生活推進により地域活性化を目指す

【編集後記】リモートワークの自由度が上がればさらに普及しそう

筆者はすべての仕事をリモートでしているので、マルチハビテーションに関心を持っています。本文中では、多拠点居住に関心のある層は東京23区在住で、首都圏の郊外に第2拠点を持ちたい人が多いとなっていましたが、完全にリモートワークで仕事をしている人にとっては選択肢はさらに広がるでしょう。

(TOMORUBA編集部 久野太一)


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  • 眞田 幸剛

    眞田 幸剛

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