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なぜ価格が高騰し話題となったのか?5分でわかる「NFT」

なぜ価格が高騰し話題となったのか?5分でわかる「NFT」

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新規事業やオープンイノベーションのプレイヤーやそれらを実践・検討する企業の経営者はTOMORUBAの主な読者層ですが、こうした人々は常に最新トレンドをキャッチしておかなければなりません。そんなビジネスパーソンが知っておきたいトレンドキーワードをサクッと理解できる連載が「5分で知るビジネストレンド」です。キーワードを「雑学」としてではなく、今日から使える「知識」としてお届けしていきます。

記念すべき初回に取り上げるテーマは「NFT」です。ネット上のトレンドだけではなく、ニュースやワイドショーでも取り上げられ、全国的に脚光を浴びているNFTですが、ニュースの原稿だけでは直感的に理解しにくいものです。どのような点で新しい技術なのか、そしてなぜ今NFTが注目を集めているのか解説していきます。

ビットコインは誰が持っていても同じ価値、NFTは替えの効かない唯一無二のもの

NFTはNon-Fungible Tokenの略で、日本語では「非代替性トークン」や「代替不可能なトークン」と表現されます。NFTにもビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)と同じようなブロックチェーン技術が使われています。

そもそも、ブロックチェーンがなぜ注目を集めているかというと、複数のノード(PCなどの電子デバイス)で管理されているためセキュリティが高いことや、改ざんが不可能であること、所有証明ができることなどの理由があります。

では、ビットコインなどの暗号資産とNFTはどう違うのかというと、「そのトークンが唯一無二であるか否か」がポイントになります。あなたが1BTC(ビットコインの通貨単位)所有していたとして、友人の所有している1BTCと交換したとします。これは百円玉同士を交換したのと同じことで、あなたにも友人にも変化は起こりません。

一方、NFTはトークンが唯一無二で替えの効かないものです。仮に、「世界で1枚しか発行されていない記念通貨の百円玉」があったとします。あなたが持つ記念通貨の百円玉と、友人の持つ普通の百円玉を交換してしまったら、あなたの記念通貨は手元からなくなり、ただの百円玉だけが残ることになります。

つまりNFTは唯一無二のデジタルデータで、ブロックチェーン技術によってその価値が担保されている、と考えられます。


ゲームやアートの分野と相性の良い技術

では、ビジネスにおいてNFTはどのようなシーンで活用されているかというと、現状ではオンラインゲームやアートの分野で活用されることが多くなっています。


【ゲーム】TCGやキャラクタースキンなどの数量限定アイテム

オンラインゲームで数量限定でシリアルナンバー入りのアイテムなどを販売するのにNFTは適しています。物理的なトレーディングカードゲーム(TCG)では、発行枚数が限定されているカードに希少価値がついて、高値で取引されることがありますが、このような仕様をオンラインゲームにも実装できるようになります。

同じように、オンラインゲームのキャラクターのスキンや装備品をNFTにすることで、新しいゲーム体験を提供している事例もあります。

【アート】デジタルアートだけでなく物理的なアートにも

デジタルアートは基本的にコピーが容易であるため、資産価値としてみなされることが難しい背景がありました。ですがデジタルアートをNFTで管理すれば、所有権を証明できますし、安全に売買することもできます。

物理的なアートでも同様の試みが進んでいます。絵画などの一点ものに電子タグを搭載して、NFTと紐づけることでそのアートが唯一無二であることを証明する、というものです。物理的な電子タグを使うため課題はありますが、アート市場のあるべき姿を実現する方法として注目が集まっています。

高額な取引が相次ぎ話題に

昨今、NFTが話題になっている背景をざっと説明します。そもそもの始まりは2017年にリリースされた「CryptoKitties(クリプトキティ)」というゲームに遡ります。唯一無二の見た目をした猫を配合してゲーム内で売買するだけのゲームでしたが、当時の仮想通貨ブームと相まって、ピーク時には一体1900万円相当の値をつけ話題となりました。

2021年に入って仮想通貨ブームが再燃するのと並行するようにNFTは再び脚光を浴びます。3月にはTwitterのCEOジャック・ドーシー氏が「最初のツイート」をNFTとしておそよ3億円で販売したり、同じく3月にNBAのプレイ動画を NFTで販売する「NBA Shot」では取引額が約245億円以上にのぼり、混乱にも近い盛り上がりを見せました。

国内でも、VRアーティストのせきぐちあいみ氏が出品したアートに約1300万円の値がついたりと、話題が相次いでいます。

NFTを活用した共創事例

国内ではNFTを活用した共創事例が次々と出てきています。NFT事業の古参であるdouble jump.tokyoは、SEGAと協業して、セガ所有するIPをNFTコンテンツとして今夏、発売開始する計画です。

参考記事:セガ×double jump.tokyo|ブロックチェーンの技術を活用したNFTデジタルコンテンツをグローバルに展開

また、アート分野に特化したブロックチェーン証明書の発行サービスを展開するスタートバーンは京大・東大関連VCなどから11.2億円を調達するなど、期待が高まるのが見て取れます。

参考記事:アートの価値をブロックチェーンで支える「スタートバーン」 | 京大・東大関連VCなどから11.2億円を調達

【編集後記】人気ゲームへの実装が起爆剤に?

話題を振りまいているNFTですが、一般へ浸透するのはまだ先のようです。解説してきたように、ゲームとの相性は抜群なので、世界的な人気ゲームに NFTのアイテムが実装されれば一気に普及するはずです。もちろん、高額取引の激化や規制、UXの改善などの課題もありますが、人気が爆発するのはそう遠い話ではなさそうです。

(TOMORUBA編集部 久野太一)

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