自動運転ソフトウェアを開発するティアフォー、シリーズB追加ラウンドで85億円の資金調達
自動運転の民主化をビジョンに掲げるティアフォーは、シリーズB追加ラウンドで85億円の資金調達を実施した。これにより、シリーズB全体の資金調達額は207億円となり、創業以来の累計資金調達額は381億円となる。
背景
ティアフォーは、「自動運転の民主化」をビジョンに掲げ、オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware*」の開発を先導してきた。シリーズAでは、そのソフトウェア開発に加えて、通信や保険、リスク管理などを含めた自動運転システムの商用化を開始。シリーズBでは、ソフトウェア開発の規模拡大、および自動運転システムのリファレンスデザインの構築に注力してきた。併せて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」にも採択され、総額254億円規模の研究開発プロジェクト「Microautonomy~集合的にスケーラブルな自動運転システムの創出」を推進している。
資金調達の内容
今回の増資の主な目的は、ティアフォーの強みであるソフトウェアおよびリファレンスデザインを統合した自動運転レベル4対応の車両開発の体制強化、およびその安全性評価のためのプロセスやツールの充実化にある。
車両開発については、NEDO「ディープテック・スタートアップ支援事業」に採択され、2023年度から2025年度にかけて、自動運転システムの品質、耐久性、個体差などに関する課題を克服し、様々な車両モデルに適用可能な電動化モジュールの提供を目指す。
安全性評価については、国土交通省による「中小企業イノベーション創出推進事業」のSBIRフェーズ3基金事業に採択され、2024年度から2027年度にかけて、自動運転レベル4の基準に対して認証可能な開発運用フレームワークを開発し、地域公共交通の関係者が自動運転システムを搭載した車両を容易に導入できるようにするためのサービスパッケージの提供を目指す。
これらの事業推進を通して、政府が目標として掲げる2025年50箇所、2027年100箇所以上の自治体への自動運転の社会実装に貢献していく。また、海外地域においても各国のパートナー企業との連携を通じて、類似のソフトウェア開発事業、車両開発事業、安全性評価事業を展開し、グローバル市場での自動運転レベル4の実現を目指す。
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