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ビッグデータ活用企業も収集できないセンシティブデータを持つ企業に注目が集まり始めた理由

ビッグデータ活用企業も収集できないセンシティブデータを持つ企業に注目が集まり始めた理由

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鯉沼寿慈

ヤフーがビッグデータ分析の販売開始の新聞報道やWBSでYAHOOが検索結果からヒット商品を生むというニュースが流れる中で、ビックデータ関連企業が注目するデータがある。

YAHOOでは購買記録や知恵袋などのデータを活用しており、各ビックデータを持つ企業も自社の利用・行動データを取得している。消費者の趣味嗜好に関するデータは、いずれの企業も似たようなデータになる中で、価値があるのになかなか収集できないデータがある。

それがディープな悩みに関するデータ。

たとえば恋愛などに関するデータで、不倫や浮気などの情報は通販サイトでは取得はできない。また、ビジネスの悩みに関するデータで、社員の会社に対する悩みや取引先との関係、アイデアなどの情報は、転職サイトなどでもなかなか取得できない。

そうしたセンシティブかつニッチなデータで、かつ一部の者にとっては価値があるとされるデータを扱っているのが、弊社のようなリアル鑑定サービスを扱う占い会社になる。

こうした情報を欲する側にとっては、一般ユーザーよりも、富裕層やハイクラスの情報に狙う傾向にある。

類似サービスを運用する企業にも、情報データの売却のような話が入るケースはあるようだが、頻度はそう多くない。

しかし、弊社マリーシェルに接触する企業は、2019年夏頃から増えており、毎月数件は話が入る。

これはWEB広告会社は、広告費やアプリ収益、アプリDL数などをもとにARPU(1件あたりの平均売上)等を分析できるが、弊社のARPUが高額であることを把握できる。アプリ決済以外の売上げがあることを加味すると、顧客構造が類似サービスとは異なり、ハイクラス層の比率が高いことを予想できるためと思われる。

後述でその理由を明らかにするが、価値の高いビッグデータを所有することができる可能性が高いと判断されるためだ。

弊社はこうしたデータを売却することはない。占いで知り得た情報は、あくまで占い師とお客様との間だけのものであるし、それを利用するのは占いサービスの根幹を揺るがし、信用を低下する原因につながると考えている。

ただし、占いを本業としない企業にとっては、占いで得た情報もひとつの自社の資産となる情報で、それを自由に利用しても構わないと考える企業が多いだろう。誰もが知る大企業で、そうしたように本来は正しい姿ではないことが当然と考える責任者の姿を目にしているからだ。

弊社は吉祥寺にあるコピス吉祥寺で2店舗目になる占い店舗を現在開いているが、広告の話と偽ってきたビッグデータを欲する企業の責任者に弊社の占いを受けていただいたことがある。そこで体感したことをAI技術を駆使しても再現することは不可能だという話があがり、体験することで実際にどんな情報を得ることができるのかを知った結果、個人を特定できない情報にできないのであれば、そのデータを扱うのは危険だという話になったことがある。

詩人バイロンの言葉に、"事実は小説よりも奇なり"という言葉があるが、これから先に起こることをデータ分析で予測するには限界があり、それとは別の予測法として占いによる判断があると考えている。

■ハイクラス層が多い理由

弊社でハイクラス層が多い理由を分析したところ、以下の点が影響していることが予想される。

1.IT系関連従事者のリスク判断

IT系に精通すればするほど、情報の流用リスクを恐れ、大手IT企業の利用を避ける。

すでに10年以上前から存在するYAHOOやエキサイトなどポータルサイト系サービス、後発のアプリ占いサービスのLINEなどはこの傾向があるのではないかと考える。

また、占いアプリサービス会社は、Twillioを利用する企業が中心で、エンジニアならTwillio側がすべての情報を保管していて、いつでもそのデータを取り出せることを知っている。

逆に弊社マリーシェルでは、Twillioではなく独自のシステムを採用しており、システムが完全にブラックボックス化している。IT系企業からの出資は受けておらず、いずれの企業の傘下にも属さない零細企業ではあるが、チャット占いのパイオニア企業として、複数企業のサービスに関わり、占い業界では知らない会社は存在しない。

こうした理由と、IT業界でも法務やセキュリティなどに関わる人間からは、100億円企業の子会社に著作権違反行為で戦いをしかけ勝つ、自社を攻撃したハッカーを占いで特定し高額の懸賞金をかけて黙らせるなど、脅しに屈しない姿勢が評価されており、店舗に来た占い利用者からそうした声を耳にしたことで、一部の方からはサービス利用の安心感があると判断されていることが確認できている。

2.信用判断

弊社マリーシェルが運営する実店舗は、出店審査がもっとも厳しいとされ、デパート業界ではTOPの信用力とされる会社と口座を開いていることで、そうした事情を知るハイクラスからの信用が高い。また、2018年には朝日新聞朝刊の社会面で弊社の占い記事が掲載された。占い記事としては40年ぶり以上となる出来事で、これも信用力が上がった要因と思われる。

3.アプリ外の導線

弊社マリーシェルでは、店舗展開を行っており、店舗での占いも可能な他、店舗でのサービス利用者がアプリサービスを利用することもできる。店舗利用者はアプリ利用時に本名などを明かさなくても、店舗で事前に占い師側へ情報を周知しているため、個人の特定につながる個人情報が記録されることがない。したがって、情報の秘匿を望む層の利用が一定数あり、この層がハイクラス層の半数を占める。

鯉沼寿慈Mari-Ciel株式会社

チャット占いアプリ市場のパイオニア。占いにおける新事業の創出を行っており、アプリ向け占いサービスとリアル店舗を展開し、国内で唯一ネットとリアルで占い事業を成立させています。チャット占いでは、提携先企業の裏切りに遭い、創業2年目で1億円以上の売上げを失う窮地に立つが、そこから復活させ、新たなアプリサービスの創出、占い店舗をコピス吉祥寺、アトレ秋葉原に次々に展開。

Mari-Ciel株式会社

代表取締役社長

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