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駅ビル出店!唯一の生き残り企業がやったこと。

駅ビル出店!唯一の生き残り企業がやったこと。

鯉沼寿慈

以前、記事で秋葉原の駅ビルで店をOPENしたことを記載しました。

同時期にスタートしたテナントはうちを含め、4店舗。

雑貨やアパレルなど、いろんな業態でしたが、その1年後の今、生き残ったのはうちの占い館のみ。

退店後に出店した店舗もすべて撤退の憂き目に遭い、コロナ禍での出店の厳しさがここからも物語っています。

多くのテナントさんは、もうそれなりのブランドに成長していて、ファンがいる状態でスタートしている。

けれども、うちの占い館はまさにゼロスタートからの展開です。

そんな過酷な条件下において、なぜ生き残ったのか?

マリーシェルが残った8つのポイントを紹介します。

1.無駄な人件費をかけない。

通常、テナントで働くスタッフは社員や契約社員、バイトなど、小型店舗でも1店舗で5人から10人くらいで回しているのではないでしょうか。弊社も同様に必要人員は10名くらいです。占い師とは別にスタッフを用意すると、その分ランニングコストがかかりますが、占い師がスタッフを兼務する形なら、その分のコストは抑えられ、無駄なコストの削減につながります。

2.人間性に問題のある人は採用しない。

占いサービス全般でいえることは、応募即採用。しかし、マリーシェルでは人間性重視のため、店舗でもスキルチェックはおよび面談で人間性に問題アリな方をはじきました。他の占い師に迷惑をかける、嫌がらせをするというケースがこの業界ではあるあるなのですが、そういう状況にならないように整備しました。

応募時には1件ずつ電話。限られた時間の中で対応する関係で、数十人待ちという状況も発生しますが、丁寧な採用をしないとアウトな人々が参加してしまうことにつながりかねません。

3.店舗に立つ者は、全員で売上げを作る行動を取る。

閉店した3店舗にはなく、マリーシェルだけあった点です。マリーシェルでは、出演占い師およびスタッフ、社長ともに店頭に立ったら、必ず声掛けをすることを徹底しました。その効果はTwitterで話題になるほど。

新規客をつくらなきゃならないのに、椅子に座っているとか、ぼーっと立ってても仕方がない。自分の売上げは自分で作る。この当然のことを徹底させました。閉店した3店舗はどこもやっていなかった点です。

コロナによる休業要請、立上げ直後に店を開けられない状況。こうした状況でも、新店舗で売上げ50%減ではないから、給付金の対象ではない。同じような状況の人々の中には、店を閉めた人も多いと思います。マリーシェルでは、再開後から全員野球で20%ずつの増加を遂げ、難局を乗り切りました。

マリーシェルは、リピート率が他店の5倍~10倍あります。新規さえ取れれば、リピートにする力があるので、数字はこうなるのは当然なのです。

4.人の流れを店前で止める仕掛けを作る。

マリーシェルは、占いの店です。よく占いの店でパワーストーンを売っていたりしますが、それをやってしまうと、霊感商法だとか騒がれかねないので、怪しい石とか売りません。あくまで占い一本で勝負しています。駅ビルのテナントでは、店前に魅力的な商品があって初めて足を止める。けれどもそれがうちにはない。そこで商品はなくても、できることを考えた結果、5円玉をピカピカに磨き、店前の棚に貼ってみました。ご縁と5円をかけてみたんです。これだけじゃ弱いなと思い、神社の浄銭を用意し、当たりくじ付きのおみくじを展開しました。これが見事に当たり、コロナ禍なのに占いをやろうと思ってくれる新規客の取り込みに成功。予算もそれほどかけずに実施できました。

5.スキルの再確認。

お客を入れても、占い師側が次につながる鑑定をしないと、売上げの積み重ねにならない。だからこそ、空いた時間を使ってのデモ鑑定を実施し、各占い師の足りない点を気付かせ、自分で修整するためのポイントを伝えた。自分勝手な鑑定ではなく、あくまでお客様目線での鑑定をするということの大切さに気付くことで、各占い師ともにリピーターが増えるようになり、既存客の底上げができた。営業マンが毎朝ロープレをするのと同じで、トレーニングは大事だし、他人の目で見て足りない点を指摘し、そこを改善することって大事だと思うんです。閉店した3点では、そんな様子は伺えませんでした。少ないチャンスをモノにするには、きちんと爪を研いでおかないと、いざという時に活かすことができません。

占師認定という占いスキルチェックサービスを提供し、占いレベルの向上につなげています。

https://ameblo.jp/hisakoinuma/entry-12661115171.html

6.お客様を味方にした。

リピーターになると、いろんな声を店に挙げてくれる。そこで挙がった声を真摯に受け止め、課題をつぶしていった。周りの目を気にする方には、近くにスタッフが近づかないとか、占っている席が見えない工夫とか。その結果、うちのHPに誤字があれば、それを教えてくれるお客様やお店の飾りつけを手伝ってくれるお客様などが現れるようになった。占いに来るわけじゃないのに、HPに誤字があったと報告に来てくれるお客様、ネットの時代なのにこうしたアナログな付き合い方が生まれるのは珍しいかもしれません。お客様への気遣いや心配りなど、ネットではなかなか感じるのが難しい点を店舗では感じることができ、そういった点を気に入ってくれるお客様は必ずいる。お客様が来ない時でも、明るく元気な雰囲気を感じさせる店づくりが、功を奏したのかもしれません。

下のイラストも、ファンのつながりを活かして、アキバならではのお客様を掴む取り組み。

7.ダメなモノはすべて捨てた。

ルールを守れない、明らかにクレーマーなどは、最初から断り店に入れません。予約の当日無断キャンセルなどがあれば、今後2度と利用させないなどの厳しい措置も取りました。占い師に厳しく接するだけでなく、お客様にも同じ基準で、お店に必要な人々だけが利用すればいいと完全に割り切りました。常識がない、ルールを守れない占い師はすべてお断りしました。また、占いができるというのは、占い師なら当然であり、マリーシェルで働く以上は、サービスマインドがない占い師は無理だという判断です。いずれの場合も、目先の利益じゃなく、長期的な視点で考えれば当然で、みんなが働きやすく、利用しやすい環境を整えた。閉店した3店舗との違いとしては、数合わせで採用しないという点。占いの店であるうちが、他の店よりも接客が上手というのは、本来あり得ないと思うんですが、他店はうちより明らかに下だった。たぶん、数合わせか戦力外が店を任されたんだと思いますね。

8.占いで潰れない日を選んでスタートした。

OPENの日取りは、占いでこの日しかないという日にちを選びました。1週間ずれるだけで、うまくいかないという結果を知っていたため、OPEN計画はバタバタになりましたが、なんとか希望通りの日にOPENできました。その時の占い結果が正しいことが、今振り返ると分かります。

多くの店舗がコロナでダメージを受ける中、ネットサービスは市場を拡大させることに繋がっていると思いますが、ネットなら勝てると安易に参入は違うと考えています。マリーシェルでは、アプリサービスを主軸に店舗を出しており、逆張りみたいに見られますが、ネットでもリアルでも、今大切なのは"つながりを持てる場を作る”ということではないかと思います。Twitterやインスタなども、誰かとつながりを持ちたいから利用するわけで、そういった場を提供できれば顧客はしっかりとつかめると思います。

鯉沼寿慈Mari-Ciel株式会社

チャット占いアプリ市場のパイオニア。占いにおける新事業の創出を行っており、アプリ向け占いサービスとリアル店舗を展開し、国内で唯一ネットとリアルで占い事業を成立させています。チャット占いでは、提携先企業の裏切りに遭い、創業2年目で1億円以上の売上げを失う窮地に立つが、そこから復活させ、新たなアプリサービスの創出、占い店舗をコピス吉祥寺、アトレ秋葉原に次々に展開。

Mari-Ciel株式会社

代表取締役社長

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