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大企業や自治体も注目。共創によって『ワーケーション』の可能性は広がるか?

大企業や自治体も注目。共創によって『ワーケーション』の可能性は広がるか?

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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は新しい働き方として「ワーケーション」の普及に取り組む考えを示した。これにより、今、改めて『ワーケーション』に注目が集まっている。

そもそも『ワーケーション』とは、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、リゾート地や地方といった普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇取得などを行う仕組みのことだ。

7/27にリリースされたNTTデータ経営研究所・JTB・JALの三者による「ワーケーションの効果検証を目的とした実証実験」によると、生産性・心身の健康にポジティブな効果があることが分かったと報告されている(※1)。

また、すでに『ワーケーション』を取り入れている企業も少なくない。セールスフォース・ドットコムは2015年10月に和歌山県の南紀白浜にサテライトオフィスを構え、『ワーケーション』を実践。都市部の内勤営業社員が3カ月交代で勤務し、余暇の時間にサーフィンや温泉、ゴルフといったレジャーを楽しみながら、地元住民との交流も深めている。

地元の方々に釣りを教わったり、修繕ボランティアをしたり、子どもたちに向けてプログラミング教育のお手伝いをするなど、地域をつながりながら楽しく働くことで、生産性が20%もアップしたという(※2)。

――大企業やスタートアップ、さらには自治体などが連携しながら『ワーケーション』に取り組むプロジェクトも出てきており、日本の新たな働き方の創出を目指している。本記事では、それらの事例を紹介していきたい。

※1)出典:ニュースリリース 

※2)参考記事:各界のイノベーターや伊勢谷友介氏も登壇!オープンイノベーションの深化を紐解くイベント『ENGINE!』をレポート<後編> 

LIFULLが自治体と連携し、『ワーケーション』を実践

まずは、LIFULLグループが自治体と連携している事例を見ていきたい。LIFULLグループは、不動産・住宅に関する知見をもとに、「LIFULL地域創生ファンド」による投資事業、国土交通省の採択事業でもある「LIFULL HOME'S空き家バンク」の運営を行っている。

これまでに、福井県鯖江市、岩手県釜石市、宮崎県日南市、岡山県総社市、福島県磐梯町、山梨県甲州市と連携協定を締結し、空き家の利活用を軸とした地域おこしを支援してきた。

2019年12月にはLIFULLと静岡県下田市は、同市の地域産業の活性化を目的に、空き家等の利活用等を通じた地域活性化連携協定を締結(※3)。同協定では、テレワークやワーケーションなどの新しい働き方・生き方の推進とともに、下田市において増加している空き家、空き店舗、遊休資産等の有効活用を図るため、この分野において専門的知識や情報ネットワークを持ったLIFULLと連携。物件情報の全国的な発信、物件活用のための地元人材の養成や外部人材とのマッチングなどを目指すこととしている。


※3)参考記事:下田市×LIFULL | 空き家等の利活用を通じた地域活性化連携協定を締結

鉄道大手がスタートアップと連携

次に紹介していきたいのが、鉄道事業をメインに発展してきた東急グループとJR東日本グループの事例だ。

東急グループでは、スタートアップ企業の支援を通じて産業の新陳代謝を促進し、日本経済の再興を図ることを目的に「東急アクセラレートプログラム」を2015年度からスタートさせている。東急グループの1社であり、会員制シェアリングリゾート事業を展開する東急シェアリングはこのプログラムを通して、同社の有するアセットを活かしたワーケーション事業に取り組む意向を示している(※4)。

※4)参考記事:【TAP Key Person's Interviews】♯04 リゾート×ワークで創る、新しいライフスタイルのカタチ | 株式会社東急シェアリング


一方、JR東日本グループでは「JR東日本スタートアッププログラム」を運営。スタートアップを中心とした多くのパートナー企業と共に新たな価値創出を推進している。

2019年には、JR東日本グループのCVCであるJR東日本スタートアップが、多拠点生活プラットフォームを運営するADDressと提携。さらには、地域資産を活用した新たなローカルビジネスを手がけるVILLAGE INC.とも提携を進めるなど、スタートアップと共に「ニューノーマル」に対応する新しい働き方を生み出す動きを進めている。

実際に、JR東日本スタートアップの代表・柴田裕氏(下写真)は、先日の取材で以下のようにコメントしている(※5)。

『(プログラムのテーマの一つである)「地方創生」については、コロナの影響で「密」から「疎」の時代になり、地方が見直されています。新しい暮らし方、働き方をする人も増えてきました。昨年、多拠点居住を推進するADDressさんと提携をしましたが、たとえば緑に囲まれた長野県の小布施で暮らしながら、東京の会社とリモートワークをする。そんなことも普通になるかもしれません。新しい暮らし方、働き方を私たちが提案していきたいのです。』



※5)参考記事:設立秘話「夢ほとばしる起業家と、新たな未来を創る」――事業共創“超”特化型のインキュベーション拠点『STARTUP STATION』

多様な企業と『ワーケーション』を推進するADDress

最後に、上記でも触れたADDressの動きについて紹介していきたい。2018年に設立された同社は、月額4万円から日本各地に管理する家に住み放題、“好きな時に、好きな場所で、好きな暮らしを”実現する多拠点生活プラットフォームを運営。ワーケーションを推進したい/ワーケーションを新事業として展開したいという、さまざまな企業との連携を進め、注目を集めている。


2020年1月には、ANAホールディングスと多拠点生活の推進を図り、地域活性化を目的とした航空券定額制サービスの実証実験を開始。実証実験では、月額料金を支払っているADDress会員に対し、月額3万円の追加料金を支払うことで、ANA国内線の指定便に限り月2往復できるサービスを行った(※6)。

また、2020年3月には、700名以上のメンバーがリモートワークするキャスターと協業を開始すると発表。これにより、リモートワーカーの就業環境と居住場所づくりを支援する取り組みをスタートさせている(※7)。

さらに、JR西日本イノベーションズの出資を受けて、JR西日本グループとの連携も開始。今後、西日本エリアにおいて、都市から地方、地方から地方への人の流れを加速化させ、関係人口創出による地域活性を図っていくという(※8・9)。

――以上のように、大企業からスタートアップ、自治体など多くのプレイヤーが連携して『ワーケーション』に取り組んでいる。withコロナ時代にこの新しい働き方が浸透していくのか。引き続き注目していきたい。

※6)参考記事:ANA×ADDress|航空券サブスクリプションの実証実験を開始、多拠点生活推進により地域活性化を目指す

※7)参考記事:【キャスター×アドレス】 協業により、リモートワーカーの就業環境と居住場所づくりを支援

※8)参考記事:多拠点ライフプラットフォーム「ADDress」、JR西日本グループ会社等からの出資により西日本エリアの関係人口拡大へ

※9)参考記事:JR西日本×アドレス×KabuK Style|「住まいのサブスク」の実証実験モニターを募集、多拠点生活をより身近に

(TOMORUBA編集部)

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