
ジェトロと内閣府が推進する「GSAP」始動 第一弾の有望スタートアップ30社を選出
日本貿易振興機構(ジェトロ)は、内閣府と連携し、日本発スタートアップの海外展開を支援する 「グローバル・スタートアップ・アクセラレーションプログラム(GSAP:Global Startup Acceleration Program)」を2025年6月18日より開始した。
GSAPは2021年にスタートし、これまでに累計500社以上のスタートアップを支援してきた実績を持つ。過去の参加企業の中には、北米やアジアにおける大型資金調達、現地法人の設立、グローバル企業との事業提携などに成功した例も少なくない。
世界有数のアクセラレーターと連携
本年度の第一弾では、全国から選出されたEnterprise BtoB領域コースおよびSustainabilityコースの30社が採択された。これらの企業は、世界有数のアクセラレーターと連携したプログラムに参加し、実践的な海外展開支援を受けることになる。
Enterprise BtoBコースでは、エンタープライズ向けスタートアップ支援で世界的に評価の高い米国の「Alchemist X」と提携。プログラムは「米国市場理解」「現地市場検証」「グローバル拡販支援」の 3フェーズで構成されており、今回の採択企業は第一フェーズの「米国市場理解」からスタートする。
一方のSustainabilityコースでは、世界最大級の気候テック・エコシステム「Third Derivative(D3)」と15カ国以上で起業家育成の実績を持つ「New Energy Nexus(NEX)」が連携。さらにCO2削減や気候レジリエンス分野に投資するJapan Energy Fund Venturesも協力パートナーに加わる。脱炭素やクリーンテック分野での海外展開を後押しする体制を整えている。
英語プログラムと現地渡航支援で実践型に
GSAPの特徴は、すべてのプログラムが英語で実施される点にある。
オンライン講義やワークショップに加え、1on1メンタリング、現地投資家・企業とのネットワーキング、デモデイ、現地展示会の出展支援など、多角的に“越境”を支援する体制が整えられている。
なお、現地渡航費や滞在費は参加企業の自己負担だが、「学んで終わり」にとどまらず、リアルなマーケット検証とパートナー獲得を目指すプログラム設計となっている。
第一弾 採択企業一覧(Enterprise BtoB領域およびサステナビリティ領域)
発表されたEnterprise BtoBコースおよびSustainabilityコースの採択企業30社は以下の通りだ。(プレスリリース内のPDFより抜粋)
◆Enterprise BtoBコース(20社)
3rdBrain (埼玉県川口市) https://3rdbrain.ai/
Anylens 株式会社 (東京都品川区) https://any-lens.com/ja/
株式会社 BeART World JAPAN (北海道札幌市) https://www.beartworld.com/
BillPay 株式会社 (東京都中央区) https://www.billpay.co.jp/?lang=ja
Front-IA, Inc. (東京都中央区) https://www.front-ia.com/
株式会社 inxR (大阪府和泉市) https://inxr.co.jp/
Lazuli 株式会社 (東京都港区) https://lazuli.ninja/
株式会社 Mathmaji (東京都港区) https://www.mathmaji.com/
株式会社 Milly (東京都港区) https://www.milly-platform.com/
株式会社 Romanark (北海道札幌市) https://www.romanark.co.jp/
Sea Bloom 株式会社 (大阪府大阪狭山市)
TC3 株式会社 (東京都千代田区) https://www.tc3.co.jp/
株式会社インシデントテック (東京都品川区) https://incidenttech.io/
ヴィオリアス日本株式会社 (沖縄県国頭郡) https://www.vyorius.com/
建ロボテック株式会社 (香川県木田郡) https://kenrobo-tech.com/
サスティナシード株式会社 (東京都中央区) https://sustainaseed.net/
ベータインテグラル株式会社 (東京都品川区) https://beta-integral.com/
株式会社マインペット (東京都渋谷区) https://mine-pet.com/index.html
ムセカイ (東京都渋谷区) https://centurytale.com/
ヨクト株式会社 (福岡県福岡市) https://yocto-life.co.jp/
◆Sustainabilityコース(10社)
Aqua Theon Inc. (神奈川県三浦郡) https://aquatheon.com/
株式会社Eサーモジェンテック (京都府京都市) https://e-thermo.securesite.jp/index.html
株式会社Helical Fusion(東京都中央区) https://www.helicalfusion.com/
Planet Savers 株式会社 (東京都渋谷区) https://planetsavers.earth/
株式会社SUN METALON (神奈川県横浜市) https://sunmetalon.com/jp
アティエーラ株式会社 (沖縄県国頭郡) https://www.atierraclimate.com/
株式会社エマルションフローテクノロジーズ (茨城県那珂郡) https://emulsion-flow.tech/
エレファンテック株式会社 (東京都中央区) https://elephantech.com/
株式会社ミーバイオ (神奈川県川崎市) https://www.mii-bio.com/
ライノフラックス株式会社 (京都府京都市) https://rhinoflux.com/
第二弾発表は8月上旬、さらに約200社を採択予定
ジェトロは、今回の第一弾に続き、AI、DeepTech、ManufacturingTech&HardTechなどの
残る3コースの採択企業を2025年8月上旬に発表する予定だ。(各コースの概要・詳細はこちら)
累計500社以上を支援してきた実績に加え、現地の最前線を知るアクセラレーターと連携することで、日本のスタートアップが世界で活躍する“越境の起点”となるGSAPの動向から、今後も目が離せない。
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(TOMORUBA編集部)