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『ChatGPT』の何がすごい?Google一強時代をおびやかすポテンシャルとは

『ChatGPT』の何がすごい?Google一強時代をおびやかすポテンシャルとは

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新規事業やオープンイノベーションのプレイヤーやそれらを実践・検討する企業の経営者はTOMORUBAの主な読者層ですが、こうした人々は常に最新トレンドをキャッチしておかなければなりません。そんなビジネスパーソンが知っておきたいトレンドキーワードをサクッと理解できる連載が「5分で知るビジネストレンド」です。キーワードを「雑学」としてではなく、今日から使える「知識」としてお届けしていきます。

今回取り上げるのは『ChatGPT』です。ChatGPTはビジネストレンドである前に、ひとつのプロダクト名ですが、そのインパクトはすさまじく、またビジネスモデルも常識外れであるため、特集のテーマにしました。

ChatGPTがなぜこれほど話題になっているのかを、客観的な情報をもとに解説していきます。

ChatGPTはチャット形式で自然言語処理タスクをこなすAI言語モデル

ChatGPTは人間のように自然な文章を生成することができる人工知能の言語モデルです。ChatGPTを開発したOpenAIはYコンビネーターの元代表であるサム・アルトマン氏がCEOを務める会社で、共同設立者としてイーロン・マスク氏も名を連ねていましたが、2018年に幹部を退職しています。

OpenAIはChatGPTだけでなく、2022年6月にAIによる画像自動生成サービス『DALL·E 2』をリリースしたことでも話題になったばかりです。


OpenAIのホームページより

参照記事:画像生成AIはなぜ「世界を変える」のか?ビッグテックが拒む「一般公開」と「オープンソース」がもたらす影響力とは

ChatGPTは自然言語処理タスクにおいて高い性能を発揮しています。例えば、文章の生成、翻訳、対話などの様々なタスクをチャット形式で行うことが可能です。日本語にも対応しています。

ChatGPTは有料化が検討されている

非常に高性能であることがChatGPTの特徴ですが、それにも関わらず公式のウェブアプリは利用が無料で、ほぼ制限なく使えます(2023年1月現在)。

では、ChatGPTはどのようなビジネスモデルを検討しているのでしょうか。OpenAIが運営するChatGPT以外のプロダクトでは『画像モデル』『言語モデル』のAPIを公開しており、開発者は自らのアプリケーションやサービスにそれらの機能を組み込むことができます。APIの利用は従量課金となっているので、ChatGPTもAPIの利用料でマネタイズする可能性があります。

前述の画像自動生成サービス『DALL·E 2』はリリース当初は無償で利用可能でしたが、2022年9月から有料版のみの提供に切り替えています。

CEOのサム・アルトマン氏はChatGPTのマネタイズについて、自身のTwitterでインフラのコストがかさむことから「どこかのタイミングで有料にしなければならない」とツイートしています。

ChatGPTは凄まじい速さでユーザーを獲得しており、リリースから5日で100万ユーザーに達したと創業者のグレッグ・ブロックマン氏がツイートしています。Instagramが75日、Spotifyが150日で100万ユーザーに達したことを加味すると、圧倒的なスピードであることがわかります。

さらに、サム・アルトマン氏のTwitterにイーロン・マスク氏が「チャットあたりのコストは?」と質問したところ「一桁セントだ」と回答しています。チャットあたり、十円前後のコストがかかっており、毎日コスト莫大なコストがかかっていることが予想できます。

ChatGPTの公式Discordではサービスの維持と改善を目的に有料化の検討を始めたことを発表しており、コミュニティ内で『ChatGPT Professional』のパイロット版の参加者募集のアンケートを実施しています。

ChatGPTとマイクロソフトがタッグを組み、Google一強時代を終わらせる?

米メディアのセマフォーが、マイクロソフトがOpenAIに100億ドルの投資を検討していると報じ話題になっています。取引は破談になる可能性もあるとのことです。マイクロソフトは2019年にもOpenAIに10億ドルの投資をしています。

マイクロソフトは検索エンジンBingを運営していますが、BingはChatGPTと統合する検討を始めているとも報道されています。

このBingの動きに対して、競合である検索最大手のGoogleでは経営陣が「コード・レッド」を宣言したとニューヨークタイムズが報じており、長年一強時代を築いてきたGoogleにとって、ChatGPTが脅威であることが伝えられています。

Googleも対話型AIのLaMDAを開発していて、ChatGPTと同等の精度が出ているとされていますが、LaMDAがGoogle検索を置き換えるプロダクトになるかは不明です。というのも、Google検索は広告収入が主な収入源であり、Googleの最も大きな売上の柱のひとつです。そのため、Google検索をLaMDAに置き換えるにはビジネスモデルの問題を解決しなければならないのです。

【編集後記】仕事の壁打ち相手として日常的に利用できる

筆者もChatGPTがリリースされて以降、毎日のように利用しています。特に、記事の切り口や構成を考える時、壁打ち相手としてChatGPTに質問することで仕事の効率が格段に上がったと感じます。また、本業ではないHTML/CSSを書かなければならない時も、ChatGPTにレビューしてもらうと清書されてフィードバックされるので便利です。これほどライフチェンジングなサービスが無料で使えることで、人間とAIの距離がグッと縮まったのではないでしょうか。

(TOMORUBA編集部 久野太一)


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