TOMORUBA

事業を活性化させる情報を共有する
コミュニティに参加しませんか?

AUBA
  1. Tomorubaトップ
  2. ニュース
  3. 脅威の市場ポテンシャルが期待されるクラウドゲーム。GAFAMやソニー、任天堂が参入するポイントを解説
脅威の市場ポテンシャルが期待されるクラウドゲーム。GAFAMやソニー、任天堂が参入するポイントを解説

脅威の市場ポテンシャルが期待されるクラウドゲーム。GAFAMやソニー、任天堂が参入するポイントを解説

  • 8124
  • 8095
  • 8077
8人がチェック!

新規事業やオープンイノベーションのプレイヤーやそれらを実践・検討する企業の経営者はTOMORUBAの主な読者層ですが、こうした人々は常に最新トレンドをキャッチしておかなければなりません。そんなビジネスパーソンが知っておきたいトレンドキーワードをサクッと理解できる連載が「5分で知るビジネストレンド」です。キーワードを「雑学」としてではなく、今日から使える「知識」としてお届けしていきます。

今回ピックアップするのは「クラウドゲーム」です。近年、ゲーム業界はめざましい成長を遂げているのは周知の事実ですが、クラウドゲームは文字通りクラウドを駆使して既存のゲームとは異なる体験を提供します。GAFAMだけでなくソニーや任天堂も参入しているクラウドゲームとはどのようなものか、解説していきます。

クラウドゲームはゲーム機を使わず、クラウド上でゲームをプレイする

クラウドゲームは既存のコンシューマーゲームと何が異なるのでしょうか。既存のゲーム機は、プレイヤーの手元にあるゲーム機でゲームアプリケーションを稼働させてプレイしますが、クラウドゲームは遠隔のサーバー(クラウド)でゲームを稼働させ、インターネット通信を介してゲームをプレイします。


出典:GeForce NOW

クラウドゲームの最大のメリットはプレイヤーが高価なゲーム機を所有することなく、スマホやタブレット、PCなどのデバイスさえあればゲームをプレイする事ができることです。その代わり、プレイヤーは安定したネット環境が必要となります。

好調のゲーム市場と、年平均成長率64%のクラウドゲーム市場

近年、ゲーム業界は成長を続けています。調査会社のPanorama Data Insightsが2022年3月に発表したレポートによると、世界のゲーム市場は2021年に2106.5億ドル、2030年に9537.7億ドルに達すると予測されており、この間の年平均成長率(CAGR)は18%となっています。


出典:世界のゲーム市場は2030年までに9537.7億米ドルの価値があると予想されています| 年平均成長率(CAGR):18.27%

クラウドゲーム市場の成長速度はさらに急激で、調査会社グローバルインフォメーションのレポートによると2027年には140.1億ドルに達する予測で、2021〜2027年のCAGRは64%になる見込みです。


出典:クラウドゲームの市場規模、2021年~2027年のCAGRは64.1%と急成長が期待

GAFAMやソニー、任天堂がクラウドゲームに参入

クラウドゲームは前述の通り、市場自体はまだ立ち上がったばかりですが、大手企業がこぞって参入している競争の激しい分野になりつつあります。

米国大手テック企業のGAFAMのうちAppleを除くGoogle、Amazon、Meta(旧Facebook)、Microsoftが参入しているほか、ゲーム大手のソニーと任天堂もクラウドゲームに参入しています。

Googleはいち早くプラットフォーム『Stadia』を立ち上げ、コンテンツ制作を専門にしたゲームスタジオStadia Games and Entertainmentも展開していましたが、苦戦の末に2021年にスタジオを閉鎖しています。StadiaはtoC向けからピボットし、パブリッシャー向けに技術を開放しサードパーティ向けプラットフォームとして再起をはかっていましたが、景気の減速を懸念し、コスト削減を強化するなかで撤退を発表しました。

Amazonは2022年3月よりプラットフォーム『Amazon Luna』をリリースしています。プライム会員であればサービスを利用することができる点で差別化をはかっているようです。

Metaはまだサービスをリリースしていませんが、メタバースに注力している同社が開発するヘッドセット『Quest 2』向けにクラウドゲームのサービスを提供することは既定路線であると見られています。

Microsoftはプラットフォーム『Xbox  Cloud Gaming』のベータ版を公開中です。Xboxの端末はもちろん、他のプラットフォーム同様にPCやスマートデバイスからも遊べる仕様になっています。

ソニーはプレイステーション向けのプラットフォーム『PlayStaytion Now』がありましたが、2022年6月よりプレステ向けのサブスクリプションサービス『PlayStation Plus』にバンドルされる形に変更されました。PlayStation Plusにはクラウドゲームを遊ばないユーザーも多く含まれるため、クラウドゲーム初心者の入口として参入ハードルが下がることが期待されます。

Nintendo Switchは2022年2月にキングダムハーツSwitch版をクラウドゲームとしてリリースしています。サブスクリプションサービスではなくタイトル単体での購入となっています。

【編集後記】コンシューマー機ユーザーがクラウドゲームに移行するか

本文中でも触れたように、クラウドゲーム市場の成長そのものは疑う余地がなさそうです。ただ、現時点でクラウドゲームが浸透していない原因はいくつかあります。GoogleのStadiaが撤退に追い込まれた要因のひとつに「コンシューマーゲーム機を持っているユーザーがわざわざクラウドゲームに移行する理由がない」という点があるように、ユーザーがクラウドゲームをプレイする必然性さえあれば、急拡大する引き金になるのではないでしょうか。

(TOMORUBA編集部 久野太一)


■連載一覧

第1回:なぜ価格が高騰し話題となったのか?5分でわかる「NFT」

第2回:話題の「ノーコード」はなぜ、スタートアップや新規事業担当者にとって有力な手段となるのか?

第3回:世界的なトレンドとなっている「ESG投資」が、スタートアップにとってチャンスである理由

第4回:課題山積のマイクロプラスチック。成功事例から読みとくスタートアップの勝ち筋は

第5回:電力自由化でいまだに新規参入が増えるのはなぜ?スタートアップにとってのチャンスとは

第6回:「46%削減」修正で話題の脱炭素。46%という目標が生まれた経緯と、潜むビジネスチャンスとは

第7回:小売大手がこぞって舵を切る店舗決済の省人化。「無人レジ」の社会実装はいつ来るか?

第8回:実は歴史の深い「地域通貨」が、挑戦と反省を経て花ひらこうとしているワケ

第9回:音声配信ビジネスが日本でもブレイクする予兆。世界の動向から見える耳の争奪戦

第10回:FIREブームはなぜ始まった?「利回り4%」「生活費の25倍の元本」など、出回るノウハウと実現可能性は

第11回:若年層は先進層と無関心層が二極化!エシカル消費・サステナブル消費のリアルとは

第12回:「ワーケーション」は全ての在宅勤務社員がターゲットに!5年で5倍に成長する急成長市場の実態

第13回:なぜいま「Z世代」が流行語に?Z世代の基礎知識とブレイクしたきっかけを分析

第14回:量子コンピュータの用途は?「スパコン超え報道」の読み解き方はなど基礎知識を解説

第15回:市場規模1兆ドルも射程の『メタバース』で何が起こる?すでに始まっている仮想空間での経済活動とは

第16回:『TikTok売れ』はなぜ起こった?ビジネスパーソンが知っておきたい国内のTikTok事情

第17回:パンデミックが追い風に。マルチハビテーションが新しいライフスタイルと地方の課題解決を実現できる理由

第18回:Web3(Web3.0)とは何なのか?Web1.0とWeb2.0の振り返り&話題が爆発したきっかけを解説

第19回:フェムテックで先行する欧米と追従する日本。市場が活気づいている背景とは?

第20回:withコロナに「リベンジ消費」は訪れるか?消費者の“意向”と実際の“動向”からわかること

第21回:子供が家族の介護をサポートする「ヤングケアラー」の実態と、その問題とは?

第22回:半導体不足はなぜ起きた?米中貿易摩擦、巣ごもり需要、台湾への依存などを解説

第23回:【ビジネストレンドまとめ】注目を集めた5つの事業ドメインとは?

第24回:長引くコロナ禍で顕著になる“K字経済”とは?格差が拡大する「ヒト」と「企業」

第25回:「パーパス」とはなぜ注目されるのか?誰のためのものか?5分でわかる基礎知識

第26回:NFT・メタバース・Web3はどう違う?注目を集める「新しいエコシステム」5選

第27回:サステナブルのさらに先いく「リジェネラティブ」とは?実践企業や背景を解説

第28回:16年で2倍に膨れ上がった『電子ゴミ』は何が問題なのか。唯一の解決策とは?

第29回:サウナビジネスはグローバルで健全な成長も、国内ではサウナユーザーは激減。サウナビジネスの最新事情

第30回:【ビジネストレンドまとめ】話題となった「社会課題」トレンド6選

第31回:Play to Earn(P2E)はなぜ注目を集めているのか?ビジネストレンドとしての基礎知識

新規事業創出・オープンイノベーションを実践するならAUBA(アウバ)

AUBA

eiicon companyの保有する日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」では、オープンイノベーション支援のプロフェッショナルが最適なプランをご提案します。

チェックする場合はログインしてください

コメント8件