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ヴィーガン市場が拡大中!ヴィーガンの基礎知識から最新の市場動向、ビジネストレンドを解説

ヴィーガン市場が拡大中!ヴィーガンの基礎知識から最新の市場動向、ビジネストレンドを解説

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新規事業やオープンイノベーションのプレイヤーやそれらを実践・検討する企業の経営者はTOMORUBAの主な読者層ですが、こうした人々は常に最新トレンドをキャッチしておかなければなりません。そんなビジネスパーソンが知っておきたいトレンドキーワードをサクッと理解できる連載が「5分で知るビジネストレンド」です。キーワードを「雑学」としてではなく、今日から使える「知識」としてお届けしていきます。

今回のテーマは「ヴィーガン」です。ヴィーガンはこれまでも注目されていていましたが、近年は市場が拡大し、ヴィーガンの食生活から派生したビジネスも増えています。本記事では、ヴィーガンの市場規模、インサイト、新しいビジネストレンドなどを解説していきます。

ヴィーガンの定義は食生活だけではない

ヴィーガンは1944年、ドナルド・ワトソン氏らがThe Vegan Societyを創設したところから歴史がはじまっています。The Vegan Societyによるとヴィーガンの定義は「食物、商品、仕事、狩猟、生体解剖など、人間による動物の生命の搾取を含むすべての利用の終焉を追求する」とされています。

参照ページ:Definition of veganism

ヴィーガンは食生活の側面では、完全菜食主義者とも呼ばれています。ヴィーガンは卵や乳製品を含む、動物性食品をいっさい口にしないスタイルですから、主に果物、野菜、ナッツ、穀物、種子、豆類を材料にした食事を摂ります。

近い言葉にベジタリアンがありますが、一般的にベジタリアンは肉・魚を食べないという意味ではヴィーガンと共通していますが、はちみつや卵、乳製品は食べても良いとされています。

ただ、ベジタリアンはさまざまなスタイルに細分化されており、それぞれ食べて良いもの、食べないものが異なります。

参照ページ:ベジタリアンの種類 | 日本エシカルヴィーガン協会

食のスタイルで言うとヴィーガン、ベジタリアン以外にも、日本の精進料理に近い「マクロビオティック」、グルテンを摂取しない「グルテンフリー」、基本は菜食で時々肉・魚を食べる「フレキシタリアン」など、さまざまな食生活があります。

ヴィーガンの市場規模は世界で健全に成長中。日本でも徐々に浸透

調査会社のグローバルインフォメーションの市場調査によると、世界のヴィーガン食品の市場規模は2022年から2027年の期間に年間平均成長率(CAGR)が18.1%に達すると予測されています。

この背景にはヴィーガン人口の増加があり、米国では2004年から2019年にかけて300%増加したことや、同様にイギリスでも2010年から2020年までの間に350%増加しているなど、急激なヴィーガン人口の拡大が市場の成長を後押ししていることがわかります。

一方、調査会社のReport Oceanのレポートによると、市場成長を妨げる懸念点としてヴィーガン食品の価格が高いことや、ビタミンB12などの栄養素が欠乏していること、さらに消費者のヴィーガン食品に対する知識不足などを挙げています。

参照ページ:世界のビーガンフード市場は2027年まで年平均成長率9.6%で成長する見込み

ヴィーガンから派生したビジネストレンド

ヴィーガンの市場規模が拡大したことで、ヴィーガンの人のためのビジネスが広がりを見せています。いくつか事例を紹介します。

ヴィーガンビジネスの代表例である人工肉

肉を食べないヴィーガンのために、動物性の食品を使用しない人工肉の需要が高まっています。現時点で人工肉の分野をリードするのは米国に拠点を置くインポッシブル・フーズとビヨンド・ミートです。

インポッシブル・フーズは大手ハンバーガーチェーンのバーガーキングなどで、同社の開発した人工肉を使用した『インポッシブル・バーガー』を提供しており、牛肉を使ったハンバーガーと遜色ない味で人気を博しています。

同じくビヨンド・ミートも、マクドナルドで植物性の人工肉を使用したハンバーガー『マックプラント』っや『プラントマックナゲット』の実証実験を終えており、本格的な販売に向けてプロジェクトを進めています。

国内では、フードテックベンチャーのネクストミーツが人工肉市場へと参入しており、小売大手のコストコでカルビ風大豆ミートの『NEXTカルビ2.1』を販売するなど、国内外問わずベンチャーと大手との共創が活発になっています。

参照記事:代替肉で、食の未来を切り開く──日本ブランドで世界を目指すネクストミーツの挑戦

アフターコロナの観光需要の復活に期待したいヴィーガンツーリズム

アフターコロナで盛り上がりを見せている旅行業界ですが、近年「ヴィーガンツーリズム」に注目が集まっています。ヴィーガンツーリズムとは、ヴィーガンの人が旅行先でも環境に配慮した行動ができる、持続可能な旅行スタイルのことを指します。

ヴィーガンツーリズムを特集したFobesの記事によると、旅行会社のGreen Earth Travelではヴィーガンツーリズムに関する問い合わせが2倍になったとのことです。また、旅行メディアのhospitableの調査では、「ウェルネスな旅行者は平均的な旅行者よりも平均35%多く支出している」との結果が示されています。

ヴィーガンツーリズムは人口が拡大しているだけでなく、ビジネスの利益にもつながる選択肢になりつつあると言えるでしょう。

参照ページ:How The Travel Industry Is Responding To The Rising Demand For Vegan Vacations | Fobes

参照ページ:Vegan Tourism & STRs: Should You Target This Niche Audience? | Hospitable

編集後記

ヴィーガンは欧米を中心に浸透が進んでおり、国内でも徐々にその傾向が出てきています。また、ヴィーガンだけでなく、食のスタイルや制限などが多様化しているため、各分野でその対応が求められています。一方でヴィーガン関連のベンチャー企業も台頭を始めていますから、国内でのヴィーガンのシェアが少ないとはいえ、ヴィーガンツーリズムのように観光業などはアフターコロナの活発な需要をビジネスチャンスと捉えてチャレンジできる環境が整ったと言えるでしょう。

(TOMORUBA編集部 久野太一)

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