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小売業者が自らメディアとなって収入を得る「リテールメディア」。近い未来にテレビの広告収入を上回ると予想されるポテンシャルとは?

小売業者が自らメディアとなって収入を得る「リテールメディア」。近い未来にテレビの広告収入を上回ると予想されるポテンシャルとは?

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新規事業やオープンイノベーションのプレイヤーやそれらを実践・検討する企業の経営者はTOMORUBAの主な読者層ですが、こうした人々は常に最新トレンドをキャッチしておかなければなりません。そんなビジネスパーソンが知っておきたいトレンドキーワードをサクッと理解できる連載が「5分で知るビジネストレンド」です。キーワードを「雑学」としてではなく、今日から使える「知識」としてお届けしていきます。

今回の注目トレンドは「リテールメディア」です。消費者が購入決定を下す現場、つまり小売環境での広告やブランドコミュニケーションを指し示すリテールメディアは、小売業界の新たな収益源として近年その重要性を高めています。この記事では、リテールメディアがどのように小売業界のパラダイムを変えているのかを掘り下げていきます。

リテールメディアは小売事業者が自ら展開するマーケティングコミュニケーション

リテールメディアとは、小売業者が自らの販売スペース内やオンラインプラットフォーム上で展開する広告やプロモーションのことを指します。これには、店頭でのデジタルサイネージ、Webサイトでの商品レコメンド、さらにはモバイルアプリを通じてパーソナライズされたクーポン配布なども含まれています。リテールメディアはブランドにとって顧客と直接的にコミュニケーションを取る手段を提供し、顧客の購入経路に沿って適切なタイミングで影響を与えることが可能です。

リテールメディアの起源は、実店舗におけるポイント・オブ・パーチェス(POP)広告にさかのぼりますが、デジタル技術の進化により、その範囲と影響力は大幅に拡大しました。

現代のリテールメディアは、顧客のショッピング体験全体を包括的にデザインすることを可能にし、データドリブンのアプローチを通じて消費者行動の理解を深め、マーケティング効果を最大化しています。

特に、eコマースの台頭に伴い、小売業者はオンラインプラットフォーム上でのリテールメディアを拡張し、個々の消費者に合わせたターゲティング広告やプロモーションを展開するようになりました。この動向は、Amazonや楽天といった大手eコマース企業だけでなく、従来の小売業者にとっても、顧客とのエンゲージメントを深め、収益を向上させる重要な戦略となっています。

国内リテールメディアの市場規模は5年で6倍に成長

CARTA HOLDINGSが公開しているレポートによると、2022年のリテールメディア広告市場は135億円となっており、2026年には約6倍の805億円規模に拡大すると予測されています。

出典:CARTA HOLDINGS、リテールメディア広告市場調査を実施 ~リテールメディア広告市場は2022年に135億円、2026年には805億円と予測

また、英国のメディア企業GroupMによると、リテールメディアの世界広告市場規模は2023年時点で1,257億ドルに達しており、2028年にはテレビテレビの広告収入を上回ると予想されており、そう広告収入の15.4%を占めるとの見立てになるとのことです。

参照ページ:Retail media ad revenue forecast to surpass TV by 2028 | Reuters

ウォルマート、ファミリーマートのリテールメディア活用事例

リテールメディアの活用事例として、特に注目すべきはアメリカの大手小売チェーン、ウォルマートです。ウォルマートは、自社のオンラインプラットフォーム及び物理店舗で「Walmart Media Group」を設立し、広告主に対して独自のリテールメディアソリューション「Walmart Connect」を提供しています。

出典:Walmart Connect

この取り組みにより、ウォルマートは消費者の購買行動データを活用して、ターゲット広告を最適化し、消費者にとってより関連性の高いショッピング体験を提供しています。Webサイトの月間利用者数は1億3000万人で22年度の売上高は27億ドルを超えているとのことで、その規模の大きさがうかがえます。

具体的には、ウォルマートのリテールメディアは、特にeコマースプラットフォーム内でのプロダクトページや検索結果ページにおいて、広告表示を最適化することで顕著な成果を上げています。これにより、広告主はより効果的に消費者にリーチし、ウォルマートは新たな収益源を確立しています。

参照ページ:ウォルマートのリテールメディア急伸の理由 日米市場に7つの違い

出典:FamilyMartVision|店内広告|企業情報|ファミリーマート

国内では、代表的な事例としてファミリーマートのデジタルサイネージ「FamilyMartVision」が挙げられます。店舗内に大画面のデジタルサイネージを設置し、商品・サービスの広告やエンタメ、アート、ニュースなどの情報を映像コンテンツとして配信しています。

FamilyMartVisionは2024年3月までに10,000店舗に導入されており、1週間で約6,400万人に接触可能なメディアとなっています。

編集後記

リテールメディアは、デジタル化と消費者行動の進化に伴い、小売業界に革命をもたらしています。本記事ではリテールメディアがいかにしてブランドと消費者の接点を増やし、同時に小売業者の収益向上に寄与しているかを解説しました。特にウォルマートの事例ではその規模の大きさがよくわかりましたが、同時に国内の取り組みが遅れていることも示唆しています。

リテールメディアの導入は単に新しい広告手法を追加するだけでなく、消費者体験を向上させ、データに基づいた意思決定を強化することができます。これにより、小売業者はより効率的な在庫管理とターゲティング広告を展開し、最終的には顧客満足度を高めることができます。今後もリテールメディアは技術革新の進展と共に進化し続けるでしょう。

(TOMORUBA編集部 久野太一)

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  • 眞田 幸剛

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