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政策広報に風穴か。キャピトルシンクら、リテールメディアで政治広告の実証実験を開始

政策広報に風穴か。キャピトルシンクら、リテールメディアで政治広告の実証実験を開始

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2025年5月14日、一般社団法人政策広報DX協会はこれまで政治広告の対象外とされてきた「リテールメディア」と「デジタルサイネージ」において、国内初となる政治広告の実証実験を開始すると発表した。これは株式会社キャピトルシンクと協力して推進されるもので、5月20日には国会議員会館にて記者会見が予定されている。

「政治に無関心」な社会への処方箋

本取り組みの背景には、政治と市民の乖離がある。日本財団の意識調査によれば、若年層が投票に行かない理由の上位には「政治に関心がない」「候補者や政党がわからない」「争点が不明瞭」といった声が並ぶ。これは「関心がない」のではなく、「接点がない」ことに起因しているともいえる。

さらに、SNSを活用した選挙運動が普及する一方で、フェイクニュースによる情報扇動も大きな問題となっている。加えて、ポスター掲示板を用いた従来型の広報手法には、非効率性やスペース不足、内容の不適切さなど、多くの課題が浮上している。

サイネージで「まちかど政治」を可能に

こうした状況を打開すべく、政策広報DX協会は生活者が日常的に接触する「民間メディア」の活用を提案する。具体的には、コンビニ、カフェ、駅構内といった場所に設置されたサイネージや、バッテリースポット、浴場内モニターなどが政治広告の発信媒体として想定されている。

デジタルサイネージの政治広告利用については、選挙期間中外であれば「制限されない」とする政府答弁も得られており、法制度の上でも一定の整合性がある(※令和7年2月28日 衆議院予算委員会第二分科会より引用)。

この仕組みにより、政策広報は従来の掲示板や紙媒体に依存せず、多様なライフスタイルに寄り添う形で、有権者への自然な情報提供を可能にする。

民間メディアが政治を変える

これまで政治・行政領域に関与してこなかったリテールメディアにとっても、この取り組みは単なる新規収益源にとどまらない。既存の広告ネットワークや顧客データという民間の強みを、社会的意義の大きい政策広報に活用できる点で、企業の社会的責任(CSR)にも直結する。株式会社キャピトルシンク代表の松井亜里香氏は、「政治を“誰かがやってくれるもの”ではなく、“自分ごと”として捉えるきっかけを作りたい」と語る。

この実証実験の意義と可能性を伝えるべく、5月20日には衆議院第一議員会館で記者会見が開催され、登壇者には、前デジタル担当大臣の河野太郎氏、国民民主党党首の玉木雄一郎氏(調整中)をはじめとする超党派の国会議員らが名を連ねた。

日本社会が抱える課題の多くに対して、「日常に入り込む政治」という新たなアプローチが、変化をもたらす可能性を秘めている。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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