中小企業でも著作権侵害・肖像権侵害で大企業とは戦える!
eiiconには、中小企業やスタートアップも数多く登録していますが、その企業の中には真っ当な企業もあれば、そうでない企業も存在します。特にIT系で資金調達を進める企業で20代起業家が代表をつとめるケースでは、モラルや社会通念に欠けるところも多いのではないかと思います。
今回は弊社に実際に起きた話をそのまま書かせていただきます。
弊社は占いサービスを展開しており、WEBメディアなども運営しております。そこには弊社側で管理している占い師の画像データなどがあったのですが、ある日ネットで検索した際に出てきた占い比較サイトにその写真が無断で利用されていたのです。
弊社はすぐさまその運営元に連絡を入れました。
でも、すぐにそれが消されることはありませんでした。
WEB画像の不正利用はよくある話ですし、誤って使って権利者より3倍請求されたという話も実際に耳にしています。ただ今回のは単なる画像ではなく、占い師の画像で、弊社にとってはタレントと同じ区分なんです。人気占い師によっては販促効果が変わることもありますし、ですから単なる画像使用というだけでなく、パブリシティ権の問題がそこには内包されていると考えていました。
今回不正な利用をした企業は、調べると前科があり、別の企業名義で活動中に同じような不正利用を繰り返し、ネットでその履歴も結構残っていました。つまり、犯罪行為である旨を分かったうえで、利用していたということです。
もし占いサービスを展開する企業でなければ、そんなに弊社も怒らなかったかもしれません。けれど、相手企業も同じ占いサービスという土俵に入ってきた企業で、そこで他人様の持ち物を利用して、不正に集客し金を集めているという姿をみると許すことはできないと感じ、徹底的に戦うという選択をしました。
不正利用に関する追求に関しては、この企業は簡単に逃げられると思ったようですが、弊社は国内最強と呼び声の高い占い師集団を抱える会社です。相手の行動を先読みして、その先手を打つという戦い方をしていきました。一例として
メールの返事がなくなる⇒相手が転居を検討⇒すぐに所管の警察に届け出し、警官を動かす⇒連絡を返すことになる
こんなふうに先手先手で絶対に逃がさないという見えない包囲網を敷いて戦いました。そんな折に、会社を売って逃げるという流れをキャッチし、弊社は裁判という選択を取りました。
通常、こういう権利侵害系の裁判に関しては、勝ってもあまり利益が得られるものではありません。実際にパートナー企業(上場企業)に相談しても、手間賃と見合わないですよというアドバイス。
でも、我々は一緒に活動する仲間の占い師を守るためには、ここで引くわけにはいかず、逃げる相手を逃げられない土俵にのせるには裁判という手段しか残されていなかったのです。
弊社は中小企業というよりも零細企業というポジションですし、そこまで資金的余裕があるわけではありません。半年などの長期の裁判を戦う体力も資金もない。けれども裁判で戦うした方法がなかった。それならと必死にいろいろ調べたところ、弁護士の資格がなくても自分自身の力で戦う方法をひとつ見つけました。それが簡易裁判という方法です。それを仕掛けたら弊社が勝てるのか?そこが一番のネックですが、負けることは一切ないという占い師の声で弊社の意思が固まりました。
簡易裁判では、被害の上限が決まっているものの、弁護士を付けることなく、自分で戦うことができるのです。
弊社の訴状が受理された翌日にひとつのネット記事を見つけました。
そこには相手先の会社が100億円企業に売却され、傘下にはいるという記事。
当初のこちらの読み通りに会社を売却することになり、タッチの差で逃がさずに済むことになります。
100億円企業がバックに付いたことで、相手先には優秀な弁護士が付いたことを意味します。
弊社はここでも臆さずに戦いました。
でも、現実には逃げたり、その場を我慢して耐えようとする企業はたくさんあると思います。
社員、家族のことを考えれば、"戦うことはできない"と思う場合もあるのでしょう。
でも、戦う決意をして実際に戦った弊社にも、社員や家族の問題は同様にありました。
我々ができたのだから、どんな状況においても、戦えというつもりはありません。
そんなつもりはありませんが、時には戦わなければならない時があるんです。
我々は尊厳のために戦ったのだと思います。弊社にとって占い師は大切な仲間であり、家族のような存在とも思えるし、ひとりひとりが大切な商品でもあります。その弊社の根幹をなす部分が傷つけられて、黙っているわけにはいかない。
戦う前には社員全員の意見を聞きました。そこでみな私と同じ意見であることを確認し、対峙することにしたのです。
まさに日曜ドラマのようなスリリングな展開が行われていましたが、その役を演じることになった我々にはその展開を楽しむ余裕はありません。こういうニュースは、世間では誰も注目するようなことはないし、その中でキャストがどんなに頑張っても日の目を見ることはありません。
もし背を向けていたら、仲間である占い師にどう顔向けしたらいいかわからないし、後悔の念に包まれていたはずです。そういう意味では、きちんと顔向けができ、これまで通りに接していけることに満足しています。
中小・零細企業でも、大企業との争いが起こった時には、何か打てる手だったり、取れる手段があるはずです。
すぐに諦めてしまうのではなく、何か希望がないか、そこをしっかりと時間をかけ考えた方が良いと思います。
我々、マリーシェルでは占い師を派遣するという形で、企業のサポートを行うことも2019年から開始しています。
占いだからと色眼鏡で見られることもありますが、現に弊社がこれまで大企業との争いを何度も経験し、そのたびに跳ね除けてきたことは業界内のみならず、関連企業にも伝わっており、企業サポートの依頼が舞い込むようになりました。我々はそれらの依頼をすべて受けるのではなく、事前にチェックさせてもらい、そこに正義がある場合のみ、お引き受けさせていただきます。
鯉沼寿慈Mari-Ciel株式会社
チャット占いアプリ市場のパイオニア。占いにおける新事業の創出を行っており、アプリ向け占いサービスとリアル店舗を展開し、国内で唯一ネットとリアルで占い事業を成立させています。チャット占いでは、提携先企業の裏切りに遭い、創業2年目で1億円以上の売上げを失う窮地に立つが、そこから復活させ、新たなアプリサービスの創出、占い店舗をコピス吉祥寺、アトレ秋葉原に次々に展開。
Mari-Ciel株式会社
代表取締役社長