『第4回日本サービス大賞』発表――数々のスタートアップが受賞!表彰された30件のサービスとは?
国内の革新的で優れたサービスを表彰する「日本サービス大賞」の第4回授賞式が、去る12月6日に開催された。全749件の応募の中から、最優秀賞である内閣総理大臣賞をはじめ、各大臣賞やJETRO理事長賞、優秀賞および審査員特別賞など全30件が選出されている。
今回は速報として、内閣総理大臣賞を受賞した株式会社エアークローゼットをはじめ、各賞を受賞したプロジェクトの概要と、表彰式の様子をお届けする。
30件の受賞サービスとは?
受賞式の冒頭、内閣総理大臣賞を受賞した株式会社エアークローゼットに対し、岸田総理から以下のようなコメントが送られた。
▲内閣総理大臣賞を受賞するエアークローゼット 代表取締役社長 兼 CEO 天沼氏。同社は、スタイリストが提案する月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」を展開している。
「現在、世界は新型コロナの影響を受けつつも、withコロナ時代に向けて歩み始めています。人々のニーズも、おうち時間を楽しむための商品やサービスから変化しつつあるのではないでしょうか。
本日、内閣総理大臣賞を受賞したエアークローゼットも、外に出る時間をこれまで以上に大事にし、楽しみにしたいというニーズを満たすサービスだと聞いています。これまで限られた人々しか体験できなかった、プロのスタイリストによるパーソナルコーディネートを、全国のあらゆる人々がリーズナブルに楽しめる。そして、最新のAI技術を活用しながら革新的な物流システムを構築することで新しい市場を生み出してきました。
様々な社会課題を成長のエンジンとし、新しい市場を開拓する姿勢は他の受賞企業の皆様にも共通するものであり、政府の考える『新しい資本主義』の目指すところでもあります。
今後もこうした優れたサービスが日本でさらに生まれてくるよう、スタートアップ支援や中小企業の新たなサービス創出支援を充実させることにより、後に続く方々のチャレンジを後押ししていきます」
内閣総理大臣賞に続き、以下の30社が各賞を受賞した。
スケールの大きな問題に対して挑戦するサービスが多かった
受賞式の最後には、日本サービス大賞委員会 委員長/産業戦略研究所 代表 村上輝康氏から次のような総評が述べられた。
「第4回となる日本サービス大賞の最大の特徴は、コロナ禍の真っ只中に募集が行われたということ。これほど厳しい経営環境のもとでサービス大賞を実施するのは初めてでしたが、そのような環境の中でも前回と同じ水準の749社からご応募をいただきました。
これほど多くの応募をいただいたのは、日本経済の中にサービス・イノベーションに向けての流れがきちんと位置づけられているということだと思います。こういう時期でしたので、3密回避など新型コロナ危機に対応するサービスばかりになるのではないかという懸念もありました。
しかし、蓋をあけてみると、その先にある地球環境問題やサステナビリティ、少子高齢化問題や各産業・地域のイノベーション推進、さらにはグローバルな貧困問題といったスケールの大きな問題に対して挑戦するサービス、スタートアップ企業が多いという印象を受けました。
もう一つの特徴は何らかのデジタル技術を活用してサービス・イノベーションを推進する企業は全体の8割を占めており、その大半は生活社や利用企業が必要としてきめ細かいサービスを提供しているということ。
また、コロナ危機の中でもグローバル活動を諦めずに挑戦するサービスや事業立ち上げの初期からグローバルを目指している企業も多かったのが印象的でした。今回受賞した30社はいずれも2020年代を牽引する企業となりますので、ぜひ日本経済の再生に力強くリーダーシップを発揮していただければと祈念しております」
編集後記
第4回日本サービス大賞の内閣総理大臣賞は、エアークローゼットが受賞した。同社だけではなく、多くのスタートアップが受賞していることも今回の日本サービス大賞の大きな特徴だ。国内における多種多様なサービスにおいて、スタートアップのプレゼンスが高まっている証左だと言えるだろう。
また、本メディア「TOMORUBA」を運営するeiicon companyも優秀賞を受賞した。eiicon companyが展開するオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA」は1700件以上の共創事例を生み出し、日本のオープンイノベーション文化を醸成したとして評価を受けている。
今回30件が表彰されたが、これらのサービスがどのように人々の暮らしやビジネスに貢献し、そして進化していくのか。引き続き、注目していきたい。
(TOMORUBA編集部)