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フードテックスタートアップ6社が集結!「食の未来」を切り拓く各社のプロダクトとは――eiicon meet up!!イベントレポート

フードテックスタートアップ6社が集結!「食の未来」を切り拓く各社のプロダクトとは――eiicon meet up!!イベントレポート

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9月1日、eiicon companyのオリジナルピッチ企画「eiicon meet up!!」が東京・大手町にて開催された。このイベントは新規事業・オープンイノベーションコミュニティの活性化を目的に、話題のスタートアップ企業がピッチを行い、共創につながる“出会い”を生み出す場としての役割を持つ。

6月に開催した第3回「ロボティクス」に続く今回のテーマは、「フードテックスタートアップ――食の未来をつくるフードテック」だ。フードテックで様々な社会課題の解決を目指す6社(エリー、ミートエポック、フレンバシー、ブランティオ、Agnavi、ネクストミーツ)が登壇し、事業やビジョンについて会場に語り掛けた。――本記事では、同イベントの様子をダイジェストでお伝えする。


※後日、各社の個別インタビューを『meet startups!!』ページにて掲載予定です。


【エリー】 世界の食糧難を救う「シルクフード」


■エリー株式会社 代表取締役 梶栗 隆弘氏


トップバッターは、蚕を使った「シルクフード」を開発・販売しているスタートアップ・エリーの代表 梶栗氏だ。世界の人口が増え続ける中、大きな問題になっているのが「タンパク質不足」。新たなタンパク源として昆虫食が注目を集めている。現在はコオロギを使ったスナックなどが有名だが、同社が目をつけたのが”蚕”。

世界唯一の完全家畜で「逃げない」「鳴かない」「飛び跳ねない」「共食いしない」という特徴から、狭いスペースでたくさん育てられるのが蚕の魅力。加えて、日本は世界最大の蚕の研究大国。日本で昆虫食を事業にするなら蚕を選ばない手はないと梶栗氏は話す。

自社で商品を作るほか、同社が力を入れているのが、どこでも誰でも簡単に食糧を生産できる仕組みづくり。遊休地を使って蚕を育てる「エリー式養蚕モデル」を開発し、積極的に事業を展開している。

【ミートエポック】 鮮度をキープし旨味を増す「エイジングシート」


■株式会社ミートエポック 代表取締役社長 跡部 美樹雄氏


ミートエポックは、短期間で安定的に発酵熟成を促せる「エイジングシート」の製造・販売を行うスタートアップ。代表の跡部氏は、もともと熟成肉の専門店を経営しており、安定して熟成肉を作るために開発したのが同商品となる。

エイジングシートで肉や魚を包んでおけば、腐敗の原因となる菌の繁殖を防ぎ、臭みの要因となる「ドリップ」も防ぐ。加えて、酸化も抑制するため味の劣化も防ぎ、1週間たった魚や肉も新鮮さをキープできるという。このように食材の保存方法が変化することで、これまで日持ちしないために配送できなかった食品も、安全に配送することが可能だ。

現在は「フードロス」を減らす取り組みが注目されているが、時間が経っても美味しく食べられるようにする同社の商品は、食の概念を覆すだろう。

【フレンバシー】 ヴィーガンサイトで「食のバリアフリー」を実現


■株式会社フレンバシー 代表取締役 播 太樹氏


フレンバシーは、「ソーシャルグッドな消費が当たり前の社会の実現」を目指した事業を展開しており、2022年にはユーグレナグループ入りを果たした。その事業の一つがプラントベース(植物性食品)のポータルサイト「Vegewel(べジウェル)」だ。

「Vegewel」では、ヴィーガン食の情報やヴィーガン料理の店を検索でき、アレルギーや宗教的な理由で特定の料理が食べられない人に欠かせないサービスとなっている。代表の播氏自身はヴィーガンではないものの、そのような店を利用することで誰とでも安心して食事がとれる「食のバリアフリー」に寄与していると話す。

また、同社は「Vegewel」を通して情報を発信するだけでなく、様々なメーカーとの商品開発も行っている。コンセプトメイキングからプロモーションまで支援することもあり、ヴィーガン文化の発展に貢献していると言う。

※フレンバシーのPRページは以下よりご覧ください。

https://auba.eiicon.net/projects/29709 

【プランティオ】 アーバンファーミングで日本の農業を救う


■プランティオ株式会社 共同創業者/CEO 芹澤 孝悦氏


プランティオは都市部で農的活動を行う「アーバンファーミング」を展開するスタートアップ。IoTを搭載したプランターやシェア型のコミュニティーファームを提供しており、新しい食と農の形を模索している。

事業の背景にあったのは、CEOの芹澤氏が感じた日本の農業のリスク。日本は農薬の規制が緩いため環境への負荷が高く、フードロスの問題も深刻となる。フードロスが起きる最大の原因は生産する場所と消費する場所の距離。そのためプランティオでは、地産地消するために都市部で食物を生産できる仕組みを作っている。

世界では既にアーバンファーミングが広まっており、ニューヨークやロンドンでは街中に農園が作られ、自ら野菜を育て食べる文化が広まりつつある。ブランティオも様々な大企業や自治体と組むことで、都市部に農園を作りはじめた。ビルや商業施設の屋上の他、2023年には渋谷に世界最大の農園を作る予定だ。

【Agnavi】 日本酒の未来を救う「ICHI-GO-CAN®」


■株式会社Agnavi 代表取締役 玄 成秀氏


Agnaviは1合180mL缶入り日本酒ブランド「ICHI-GO-CAN®」を運営しているスタートアップ。日本酒業界はこの45年で75%も市場が縮小しており、多くの酒蔵が危機に瀕している。その理由の一つは、日本酒への手の出しにくさ。試しに日本酒を飲もうとしても4合瓶や1升瓶は手が出しづらい。加えて瓶が重いため、持ち運びも不便だ。

そこで代表の玄氏が目をつけたのがアルミ缶。過去には、ビールも缶で提供することにより、私たちの生活に浸透したという歴史がある。日本酒も同じように缶で発売することで、これまで日本酒になじみのなかった若い人たちにも手にとってもらう存在にすることを目指している。


同社は厳選した銘柄を酒蔵から委託されてアルミ缶に充填、販売しており、一方で在庫リスクを減らすために商品の一部は酒蔵でも販売してもらっている。現在の取引蔵元数は70蔵に及び、これまで京王電鉄や漫画「もやしもん」などとのコラボも果たし、徐々に知名度を挙げてきた。海外での実証実験も行い、世界中に日本酒を広げるための取り組みも行っている。

※AgnaviのPRページは以下よりご覧ください。

https://auba.eiicon.net/projects/32703 

【ネクストミーツ】 大豆ミートで、地球を終わらせない


■ネクストミーツ株式会社 代表取締役 佐々木 英之氏


ネクストミーツは大豆などの植物性タンパクを使った「プラントベースのお肉」の開発・販売を行うスタートアップ。「地球を終わらせない」をミッションに、事業を推進している。同社の商品はスーパーや外食チェーンを通して幅広く流通しており、目にした方や手に取った方も多いだろう。また、食以外の大企業とも手広くコラボレーションしており、例えば吉本興業と組んで芸人のロバート・馬場さんとメニューを開発するプロジェクトも推進。そのおかげで普段は掲載されないようなメディアにも取り上げられたと言う。

さらにネクストミーツは、地方企業とのコラボレーションにも積極的で、これまで長野のパン屋さんや高知のハンバーガー屋さんと組んで商品を展開してきた。地方でも気軽に食べてもらう取り組みを通じて、様々な地方メディアにも取り上げられているという。


――6社のピッチが終了した後は、登壇者と参加者によるネットワーキングが実施された。次回開催については決定次第、公式facebookで情報を発信するのでぜひチェックいただきたい。


編集後記

食に関する課題は世界レベルで広がりを見せており、私たち日本人にも無関係ではない。このままでは数年後に今のような食事がとれないという未来も待ち受けている今、フードテックスタートアップたちが生み出すプロダクトやサービスが、ネガティブな未来を回避することに貢献していくだろう。これからどんなスタートアップが、私たちの「食」をポジティブに変えていくのか注目していきたい。

(編集:眞田幸剛、取材・文:鈴木光平、撮影:齊木恵太)

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