アジア−ドイツの“共創”を加速する「アジアベルリンサミット2021」が開催。スタートアップピッチの優勝者は？

フェムテックで先行する欧米と追従する日本。市場が活気づいている背景とは？

Z世代から90代までが集い、2年で151のプロジェクトを支援——大企業も魅了する次世代の共創施設『SHIBUYA QWS』とは？

ブロックチェーン関連スタートアップのG.U.Technologies、総額2億6000万円の追加資金調達を実施

植田雄輝

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富田直

眞田 幸剛

世界のスタートアップが取り組むイノベーションのシーズを紹介する連載企画。

Global Innovation Seeds

新規事業やオープンイノベーションのプレイヤーやそれらを実践・検討する企業の経営者はTOMORUBAの主な読者層ですが、こうした人々は常に最新トレンドをキャッチしておかなければなりません。そんなビジネスパーソンが知っておきたいトレンドキーワードをサクッと理解できる連載が「5分で知るビジネストレンド」です。キーワードを「雑学」としてではなく、今日から使える「知識」としてお届けしていきます。 今回ピックアップするトレンドは「フェムテック」です。「○○テック」という言葉は増えてきていますが、フェムテックはここ数年で耳にするようになったものの、まだ認知度の低い領域と言えます。フェムテックは欧米では活況を迎えていますが、日本ではやっと盛り上がり始めたところです。グローバルではフェムテックがどのようにとらえられていて、国内の動向はどうなっているのか解説していきます。 <h2>フェムテックに含まれるカテゴリとは</h2>フェムテックとは「Female（女性）」と「Technology（技術）」を掛け合わせた言葉で、女性の健康を改善させるテクノロジーを用いたソフトウェア、製品、診断、サービスのことを指します。具体的には生理、妊娠・産後ケア、骨盤・子宮のケア、更年期ケア、そのほか一般的なヘルスケア・ウェルネスといったカテゴリを含んでいます。さらにフェムテックは、人工知能（AI）やチャットボット、IoT、ウェアラブルデバイス、ビッグデータ解析、仮想現実（VR）といったデジタルヘルスを駆使してヘルスケアの動機付けをするという意味も含まれることがあります。 <h2>フェムテックの市場規模はグローバルで2025年で5兆円に</h2>米国のコンサルティングファームのフロスト&amp;サリバンの調査によると、フェムテックの市場規模は2025年にはグローバルで5兆円超（500億ドル）にまで成長する見込みです。同調査では、フェムテックへの投資額についても言及されており、2017年のデジタルヘルスへの投資件数は227件で、金額は115億ドルに到達しました。また、パーソナライズされたウェルネスは投資分野の中でもトップ5に入っており、その中でもフェムテックは2014年以降10億ドルの投資を集めています。2020年の日本国内の“全スタートアップ”の資金調達額の合計が約5000億円であることを考えると、フェムテックがグローバルでいかに活況を迎えているかがわかります。<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3319/upload/zlsG7q7eJ3C4TWJtgbpv6A.png" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> 出典：<a href="https://www.frost.com/files/1015/2043/3691/Frost__Sullivan_Femtech.pdf?utm_source=Triggermail&amp;utm_medium=email&amp;utm_campaign=Post%20Blast%20%28bii-digital-health%29:%20Paltry%20evidence%20won%27t%20tame%20%27femtech%27%20boom%20%7C%20Surescripts%20cuts%20out%20PillPack%2C%20spurs%20legal%20clash%20%7C%20UnitedHealth%20earnings%20hint%20at%20growth%20strategy&amp;utm_term=BII%20List%20Digital%20Health%20ALL" target="_blank" rel="noopener noreferrer">FemTech: Digital Revolution in Women's Health</a> 一方、矢野経済研究所の調査によると日本のフェムテックの市場規模は2021年に600億円を超える見込みとなっています。<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3319/upload/_6GpZvaIR7KSyQrXIp7CjQ.png" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> 出典：<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP619917_Q1A021C2000000/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">矢野経済研究所、フェムケア&amp;フェムテック（消費財・サービス）市場調査の結果を発表</a> <h2>国内外でフェムテックスタートアップが急増中</h2>フェムテックにフォーカスしたスタートアップは近年急増しています。フェムテックの展示会『Femtech Fes!』などを開催する団体fermataが公開したマーケットマップによると2020年4月時点で海外のフェムテックスタートアップは318社ありました。2019年9月の前回調査から97社増となっており、活況ぶりがわかります。<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3319/upload/Xv9OA7N4vSEhWP1UY-BkDw.png" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> 出典：<a href="https://note.com/hellofermata/n/n88871bbae3e4" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2020年3月版 最新海外Femtech（フェムテック） マーケットマップ発表！</a> 同様の調査で、国内を対象にしたマーケットマップには51社が名を連ねました。<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3319/upload/AVfKj_-1TR_P9LSSncZm5Q.png" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> 出典：<a href="https://note.com/hellofermata/n/n8da80ebeb0ba" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2020年4月版 日本国内Femtech（フェムテック） マーケットマップ発表！</a> フェムテックスタートアップの台頭は大手の動きにも影響しています。丸紅はエムティーアイ、カラダメディカと提携し、働く女性の健康課題改善をサポートする総合的なフェムテックプログラムの共同開発を推進するなど、共創事例は増えています。参照記事：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2850" target="_blank" rel="noopener noreferrer">丸紅 × エムティーアイ × カラダメディカ | 働く女性の健康課題改善をサポートする総合的なプログラムの共同開発へ</a> <h2>フェムテックをめぐる欧米と国内の認識には差がある</h2>ここまで述べてきた通り、フェムテックは国内外で盛り上がりを見せていますが、活況の背景には欧米と国内で少し差があります。前出のフロスト&amp;サリバンのレポートによると、フェムテックに注目が集まる背景として『SHEconomy』の台頭があるといいます。SHEconomyとは、モルガン・スタンレーが米国国勢調査局のデータを元に発表した報告書『Rise of the SHEconomy』で定義された造語で、「女性が動かす経済」という意味があります。というのも、米国では2030年に25〜45歳の働く女性の45％が独身であるという調査結果が報じられ話題となっています。SHEconomyの台頭とともに、女性は消費者、意思決定者、医療専門家、介護者としての影響力のある役割を担うようになり、経済は活性化すると『Rise of the SHEconomy』では結論づけています。女性がよりパワフルになっていく社会では、当然フェムテックも成長するという考え方です。<img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3319/upload/l_YocCOHXxYQCfbjA9VhSA.png" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"> 出典：<a href="https://www.frost.com/files/1015/2043/3691/Frost__Sullivan_Femtech.pdf?utm_source=Triggermail&amp;utm_medium=email&amp;utm_campaign=Post%20Blast%20%28bii-digital-health%29:%20Paltry%20evidence%20won%27t%20tame%20%27femtech%27%20boom%20%7C%20Surescripts%20cuts%20out%20PillPack%2C%20spurs%20legal%20clash%20%7C%20UnitedHealth%20earnings%20hint%20at%20growth%20strategy&amp;utm_term=BII%20List%20Digital%20Health%20ALL" target="_blank" rel="noopener noreferrer">FemTech: Digital Revolution in Women's Health</a> 国内の認識に目を向けてみます。前出の矢野経済研究所のレポートの市場概況には国内のフェムテックに注目が集まった背景は「SDGsの認知拡大」「海外から遅れて日本に『フェムテック』が伝わった」「女性向け製品が『フェムテック』の枠を得た」などと分析しています。先行する欧米に比べて認識に差があり、まだまだ国内はフェムテックの理解を深める余地があると言えるでしょう。 <h2>【編集後記】フェムテックといえば生理ショーツ？</h2>本文の最後にも触れていますが、国内では既存の女性向け製品が「フェムテック」の枠を得たもの、具体的には生理ショーツが先行してプレゼンスを発揮しているように感じます。スタートアップだとnagiやBé-Aが生理ショーツを展開しており、そこにユニクロや無印良品といった大手が参入することで国内のフェムテックの認知拡大に貢献しています。今後、生理ショーツ以外の分野で注目を集めるスタートアップが国内でも続々と出てくることを期待しています。（TOMORUBA編集部 久野太一） <hr>■連載一覧第1回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2753" target="_blank" rel="noopener noreferrer">なぜ価格が高騰し話題となったのか？5分でわかる「NFT」</a>第2回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2776" target="_blank" rel="noopener noreferrer">話題の「ノーコード」はなぜ、スタートアップや新規事業担当者にとって有力な手段となるのか？</a>第3回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2784" target="_blank" rel="noopener noreferrer">世界的なトレンドとなっている「ESG投資」が、スタートアップにとってチャンスである理由</a>第4回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2841" target="_blank" rel="noopener noreferrer">課題山積のマイクロプラスチック。成功事例から読みとくスタートアップの勝ち筋は</a>第5回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2862" target="_blank" rel="noopener noreferrer">電力自由化でいまだに新規参入が増えるのはなぜ？スタートアップにとってのチャンスとは</a>第6回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2900" target="_blank" rel="noopener noreferrer" style="color: rgb(12, 123, 190);">「46%削減」修正で話題の脱炭素。46%という目標が生まれた経緯と、潜むビジネスチャンスとは</a>第7回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2917" target="_blank" rel="noopener noreferrer">小売大手がこぞって舵を切る店舗決済の省人化。「無人レジ」の社会実装はいつ来るか？</a>第8回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2965" target="_blank" rel="noopener noreferrer">実は歴史の深い「地域通貨」が、挑戦と反省を経て花ひらこうとしているワケ</a>第9回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/2991" target="_blank" rel="noopener noreferrer">音声配信ビジネスが日本でもブレイクする予兆。世界の動向から見える耳の争奪戦</a>第10回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3061" target="_blank" rel="noopener noreferrer">FIREブームはなぜ始まった？「利回り4%」「生活費の25倍の元本」など、出回るノウハウと実現可能性は</a>第11回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3083" target="_blank" rel="noopener noreferrer">若年層は先進層と無関心層が二極化！エシカル消費・サステナブル消費のリアルとは</a>第12回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3094" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「ワーケーション」は全ての在宅勤務社員がターゲットに！5年で5倍に成長する急成長市場の実態</a>第13回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3115" target="_blank" rel="noopener noreferrer">なぜいま「Z世代」が流行語に？Z世代の基礎知識とブレイクしたきっかけを分析</a>第14回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3155" target="_blank" rel="noopener noreferrer">量子コンピュータの用途は？「スパコン超え報道」の読み解き方はなど基礎知識を解説</a>第15回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3195" target="_blank" rel="noopener noreferrer">市場規模1兆ドルも射程の『メタバース』で何が起こる？すでに始まっている仮想空間での経済活動とは</a>第16回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3219" target="_blank" rel="noopener noreferrer">『TikTok売れ』はなぜ起こった？ビジネスパーソンが知っておきたい国内のTikTok事情</a>第17回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3240" target="_blank" rel="noopener noreferrer">パンデミックが追い風に。マルチハビテーションが新しいライフスタイルと地方の課題解決を実現できる理由</a>第18回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/3270" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Web3（Web3.0）とは何なのか？Web1.0とWeb2.0の振り返り＆話題が爆発したきっかけを解説</a>

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初谷幸一

南雄也 株式会社REAL

岩井恵梨

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竹森友也

後藤繁樹

野村　幸雄

鈴木　知美

田上 知美

富田 直

ブロックチェーン関連スタートアップの<a href="https://www.gu-tech.com/ja/" target="_blank">G.U.テクノロジーズ株式会社</a>は、株式会社Coral Capital、自然キャピタル合同会社からプレシリーズAにて2億6000万円の資金調達を実施し、総額3億6100万円の資金調達を完了した。今回の資金調達により、NFTを始めとするWeb3領域、エンタープライズ・ブロックチェーン領域、ステーブルコインを始めとするフィンテック領域におけるソリューション提供へ向けた開発を強化させていくという。 <h2>資金調達の背景</h2>G.U.テクノロジーズは、金融やフィンテックのバックグランドを持つ稲葉と、日本のウェブブラウザLunascape創始者の近藤が、親会社である<a href="https://www.gulabs.com/ja/" target="_blank">G.U.Labs株式会社</a>で進めていたブロックチェーン研究の成果をもとに、2020年10月にG.U.Labsからスピンアウトする形で、ブロックチェーン技術を通じた社会課題解決を目的に設立されたスタートアップ企業。今回、Web3領域及びエンタープライズ・ブロックチェーン向けの製品開発及び推進体制の強化を目的として、Coral Capital、自然キャピタル合同会社より2億6000万円の出資を受け、創業から14ヶ月ほどで総額3億6100万円のプレシリーズAにおける資金調達を完了した。世界的に広がるWeb3領域において、特にEthereum分野においてはスケーリングソリューションとしてのLayer2およびサイドチェーンの利用が広がっているという。同社の<a href="https://www.bccloud.net/ja/" target="_blank">G.U.Blockchain Cloud</a>は独自のEthereum互換Layer2ブロックチェーンを誰でも簡単に構築できるソリューションとなっており、様々な企業で利用が始まっている。さらに周辺ツールとして日本では初めてDApps対応Google Chrome版Ethereumウォレット（Lunascape Wallet）を開発完了し、リリースを実施した。今後はエンタープライズ向けのEthereum互換Layer2コンソーシアム・ブロックチェーンの運営をはじめ、Web3時代を見据えたステーブルコイン、DeFi、NFTを含む様々な実証実験を提携企業と進めるとともに、顧客のブロックチェーンビジネスを支援するためのインフラやツール提供、コンサルティングや開発支援を強化していく予定だという。 <h2>投資家からのコメント</h2>■Coral Capital／パートナー兼編集長／西村賢氏ブロックチェーンはさまざまな社会実装が期待されながらもスケーラビリティーやガバナンスの観点からエンタープライズ領域での適用は進んできませんでした。深い技術的インサイトを持ち、WebブラウザというC向けソフトウェアで一斉を風靡する成功を収めた近藤CTOと、金融出身の稲葉CEOという最強の組み合わせで、日本市場からブロックチェーンのイノベーションが起こると確信しています。■自然キャピタル／マネージング・パートナー／ビベンズ・マーク氏 (Mr. Mark Bivens)自然キャピタルでは、日本における革新的な Web3 プロジェクトをサポートする機会を積極的に検討していました。この度、Coral Capitalと共同で、近藤さんおよびG.U. Technologiesのチームに投資することができ、大変嬉しく思っております。このチームは、暗号技術やブロックチェーン技術に関する深い専門知識と、消費者および企業向けのツール構築の経験を有しており、これらの知識・経験を生かし今後変革を起こしてくれると考えています。 関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000083257.html" target="_blank">プレスリリース</a>　（<a href="https://twitter.com/tomoruba" target="_blank">TOMORUBA編集部</a>）

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