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【早期応募締切9/5、最終応募締切10/1】NEXCO東日本のアクセラを解き明かす!――共創プロジェクトの進捗や選考のポイントが語られた説明会&特別セッションの模様をレポート

【早期応募締切9/5、最終応募締切10/1】NEXCO東日本のアクセラを解き明かす!――共創プロジェクトの進捗や選考のポイントが語られた説明会&特別セッションの模様をレポート

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東日本全域の高速道路に関する建設・維持・管理・運営を担う東日本高速道路株式会社(以下、NEXCO東日本)は、Ⅳ期目となるアクセラレータープログラム『E-NEXCO OPEN INNOVATION PROGRAM 2024』をスタートし、パートナー企業の募集を行っている(早期応募締切9/5、最終応募締切10/1)。

本プログラムの特徴は、NEXCO東日本が管理する広大な高速道路網やサービスエリア・パーキングエリア(以下、SA・PA)、各種データといった魅力的なアセットを活用した共創にチャレンジできることに加え、実証実験サポート費として総額2500万円が用意されているほか、過去3回のプログラムを経て強化されたプログラム運営体制、過去に採択した19社とのPoC実施実績なども大きな魅力となっている。

去る8/8、本プログラムの事務局メンバーらによる『E-NEXCO OPEN INNOVATION PROGRAM 2024』のプログラム説明会がオンラインで開催された。説明会では、NEXCO東日本の事業概要やプログラムの概要、7つの募集テーマが紹介されたほか、「事務局キーマンに聞く!プログラムの裏側を徹底インタビュー!」と題した特別セッションも実施され、過去の採択企業とのプロジェクト進捗状況やプログラムにおける選考のポイントなどが明らかにされた。本記事では、プログラム説明会の模様をダイジェストで紹介する。

※関連記事:Ⅳ期目となるアクセラが始動したNEXCO東日本――過去採択企業・AirXと取り組む「ヘリコプター遊覧」プロジェクトから見える”共創の本気度”

【事業紹介】スタートアップの技術・アイデアを、高速道路の未来に直結するソリューションの創造につなげていく

説明会のスタートに際し、NEXCO東日本 サービスエリア・新事業本部 新規事業推進部 部長 吉原健一氏が挨拶を行い、同社の事業紹介と併せて今回のプログラムを実施する意義や組織としての意気込みを語った。

NEXCO東日本は、関東・新潟・東北・北海道までの幅広い地域を事業エリアとし、31のグループ会社、約1万5000名のグループ従業員とともに高速道路の建設・維持・管理・運営を担っている。事業エリア内の高速道路ネットワークは3943km、インターチェンジ446カ所、スマートIC67カ所、1日の通行台数は296万台、2023年度の年間料金収入は8164億円になるという。

道路の管理事業については、365日24時間体制で高速道路の安全・安心・快適・便利を守るべく、通常時の保全点検や維持修繕に加え、災害時の復旧も行うほか、開通から50年が経過する区間を中心に大規模更新・修繕を実施するリニューアルプロジェクトを推進。また、サービスエリア事業については、管内で328カ所のSA・PAを運営し、年間売上は1677億円であると説明された。

SA・PA以外の関連ビジネスとしては、ホテルや旅行業、地下駐車場、トラックターミナル、カード事業、物販事業を行っているほか、今回のようなプログラムを通じたイノベーション活動により、新たな技術・成長分野を踏まえたサービスの開発・拡充を図っているとのことだ。

続いて吉原氏は、NEXCO東日本の中期経営計画について紹介した。同社では、2021年度〜2025年度を「SDGsの達成に貢献し、新たな未来社会に向けて変革していく期間」と位置付けており、以下の6つの基本方針に則って事業を推進しているという。

【NEXCO東日本 中期経営計画 基本方針】

(1)安全・安心で自動運転等のイノベーションにも対応した快適な高速道路の実現

(2)老朽化や災害に対する高速道路インフラの信頼性の飛躍的向上

(3)高速道路の整備・強化と4車線化の推進によるネットワーク機能の充実

(4)多様なお客さまのニーズを踏まえた使いやすさの追求

(5)持続可能な社会の実現に貢献できるグループ全体の経営力の強化

(6)社会の変化に対応できる人材力の強化と誰もが生き生きと働ける基盤の確立

※参考:『NEXCO東日本グループ中期経営計画(令和3年度~令和7年度)』

吉原氏は、これらはいずれも重要な方針であり、NEXCO東日本だけではなく、さまざまな方々の力をお借りしながら未来に向けた変革を加速させていきたいと語った。

最後に吉原氏は、「高速道路事業が抱えるさまざまな課題を解決し、安全・安心・快適・便利を維持し続けるためにも、NEXCO東日本とスタートアップのみなさまとの共創には大きな意義があると考えています。今回のプログラムを通じて、スタートアップのみなさまが持つ独創的な技術・アイデアを、高速道路の未来に直結するソリューションの創造につなげていくつもりです」と意気込みを語り、オーディエンスにプログラムへの参加を呼びかけた。

【プログラム概要】NEXCO東日本が有する広大なフィールドを活用した共創にチャレンジ

次に、本プログラムの運営サポートを担当する株式会社eiiconの曽田将弘が、プログラムの概要を紹介した。

まず、今回のプログラムの実施背景や目的が説明された。NEXCO東日本は、東日本全域に跨る高速道路やSA・PAを管理し、地域と地域をつなぐインフラ会社として世の中や人々の移動を支えてきた。しかし、目まぐるしく変化する社会環境の中、同社は「ヒト・モノ・コトの移動に新しい価値を提供していく存在」に進化・変革することで、未来においても社会の基盤を支える会社であり続けることを目指している。Ⅳ期目となる今回のプログラムでは、過去3回のプログラムにおける19社のベンチャー・スタートアップとの共創経験を糧に、イノベーション創出をさらに加速させていくという。

続いて曽田は、本プログラムの特徴や採択企業が享受できるメリットについて紹介した。1つ目は、実証・実装を行う上でNEXCO東日本が管理する広大なフィールドや多彩なデータが活用できること。2つ目は、実証実験費として総額2500万円のサポート費用が用意されていること。3つ目は、累計採択企業19社との共創実績を活かした強力なバックアップを受けられること。プロジェクト内容やPoCなど、必要に応じて同社関連部門やグループ会社の協力が得られるほか、取引先や自治体といった同社独自のネットワークを活用することもできるという。

プログラムの応募資格はシンプルであり、「法人登記がなされていること」と「プロダクトや技術を保有していること」の2点のみ。これらを満たしていれば企業規模は問わないため、スタートアップやベンチャーはもちろん、中小企業や大企業からのエントリーも歓迎していると説明された。

【募集テーマ紹介】課題の領域や解決に向けたスピード感が異なる合計7つの募集テーマを設定

続いては、プログラムにおける募集テーマの説明が行われた。Ⅳ期目となる今回は、「新たな体験や価値の提供に向けた4テーマ」+「早期の解決を求める高速道路事業の課題解決に向けた3テーマ」の合計7つの募集テーマが設けられた。

「新たな体験や価値の提供に向けた4テーマ」については、サービスエリア・新事業本部 新事業推進部 ドラぷらイノベーションラボ推進チーム リーダー 瀬川祥子氏、「早期の解決を求める高速道路事業の課題解決に向けた3テーマ」に関しては、技術本部 事業創造部 事業創造課長 小暮英雄氏が説明を行った。

【テーマ①】次世代に向けた高速道路事業のアップデート

高速道路の建設・維持・管理・運営に関わるテーマ。高速道路の老朽化が進む中、進化するさまざまなテクノロジーを活かした高速道路の安心・安全の実現や、新しい体験としての移動、高速道路のさらなる利便性向上に関するアイデア・解決策を募集する。瀬川氏は「当社がホームページで公開している次世代高速道路のビジョン、31の重点プロジェクト、108の具体的施策・打ち手なども参考にしてみてください(※)」と呼びかけた。

※参考:『自動運転社会の実現を加速させる次世代高速道路の目指す姿(構想)』

【テーマ②】サービスエリア・パーキングエリアの更なる価値向上

従来とは異なるSA・PAの楽しみ方、高速道路だけではなく周辺地域からも直接アクセスできるSA・PAの特徴の活かした“人が集まる場”の企画、SA・PA周辺の地域コミュニティを活性化させる場づくりに関するアイデアを募集する。

【テーマ③】各種アセットを活用した地域連携強化や新事業創出

NEXCO東日本が保有・管理するさまざまなアセットやデータを活用した地域連携強化策や新規事業のアイデアを募集する。具体的なアセットの活用事例として、日比谷公園の地下駐車場や高速道路の高架下スペースを活用した駐車場、仙台南や郡山のインターチェンジに隣接したトラックターミナルなどが紹介された。

【テーマ④】サステナブルな事業運営とSDGsへの貢献

社会全体への貢献を視野に入れ、カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現、循環型社会の実現に関わるビジネスアイデアのほか、NEXCO東日本自体のサステナブル運営を実現するためのHR系ソリューション、省人化・省力化とサービス品質の担保を両立できるソリューションを募集する。

【テーマS-①】長距離ドローンを活用した道路管理業務の効率化・省力化

高速道路は都市部や平地だけではなく、険しい自然に囲まれた山間部などにも設置されている。トンネルや橋梁など自動車や徒歩でのアプローチが難しい場所も多く、人力でのスピーディーな点検が難しいという課題を抱えている。本テーマでは、このような課題の解決を目指し、ドローンに関する技術・プロダクト・ソリューションを持った共創パートナーを募集する。

▲NEXCO東日本では、課題を克服する解決策として、技術者とICT等のベストマッチングを目指したSMH(スマートメンテナンスハイウェイ)プロジェクトを推進している。

【テーマS-②】リアルタイムでの高速道路上の異常検知・アラート通知

高速道路の安全を守るには、異常気象や土砂災害、大規模地震等の災害発生時における早期の被害状況把握に加え、平時であっても道路の段差・陥没といった小さな異常・トラブルを速やかに把握し、スピーディーに対応していく必要がある。本テーマでは、高速道路の異常・トラブルをリアルタイムで把握できるようなアイデア・テクノロジーを持った共創パートナーを募集する。

【テーマS-③】構造物の点検業務・調書作成の効率化・自働化

NEXCO東日本は、高速道路の安全・安心を守るべく、日々の保守・点検はもちろんのこと、法律で義務付けられた5年に一度の詳細点検も行っている。しかし、これらの保守・点検結果の取りまとめや調書の作成・管理には、膨大な時間とコストを要しており、業務上の大きな課題となっている。本テーマでは、最新のテクノロジーや生成AIなどに関する知見・技術を有し、日々の点検業務や調書作成の効率化・省人化・自動化を実現できる共創パートナーを募集する。

<選考および事前面談、早期応募の特典について>

7つのテーマの紹介後、瀬川氏よりプログラムの選考方法や事前相談、早期応募などに関する説明が行われた。プログラムの早期応募締切は9月5日、最終応募締切は10月1日だが、希望者はエントリーの前に20分の事前相談を受けることができるという。

また、9月5日の早期応募締切までにエントリーを済ませることで、提案内容に関するNEXCO東日本からのフィードバックを受けられる特典もある。ここで受けたフィードバックをもとに提案内容をブラッシュアップし、最終応募締切までに再エントリーすることも可能だ。瀬川氏は「例年、締切間近になると面談時間の調整が難しくなる傾向があります。スムーズな面談を検討されているみなさまは、早めの応募をお願いします」と呼びかけた。

さらに瀬川氏は、今年度より「一次審査資料」を導入したことを説明した。一次審査は、この資料を元にした書類選考となる。フォーマットは、こちらのページのエントリー欄からダウンロード可能だ。「ぜひ、サービスやソリューションの差別化ポイントを明記してエントリーしてほしい」とメッセージを投げかけた。

【特別セッション】「事務局キーマンに聞く!プログラムの裏側を徹底インタビュー!」

ここからは本プログラムの事業局メンバーによる特別セッションの模様をお届けする。セッションでは、過去の採択企業と行っているプロジェクトの進捗状況や今後の展望、さらには採択企業を選ぶ際のポイントなどが語られた。

<セッション登壇者>

※ファシリテーターは株式会社eiicon 曽田が担当した。

●トピックス(1)「過去の採択プロジェクト その後はどうなっている?」

<株式会社Livaとの共創プロジェクトについて>

eiicon・曽田 : 現在、熊谷さんが担当されている採択企業・共創プロジェクトを教えてください。

熊谷氏 : 試食専門店「試食屋」を展開されている株式会社Livaさんと共に、SA・PAを食の体験型ショールームにするプロジェクトを進めています。地域に根差した商品を提供する試食専門店をSA・PAに設置することで、お客さまへの新たな価値体験の提供を目指しています。

また、商品をご提供いただいたメーカーさまに対しては、収集した消費者の声やデータをフィードバックする予定であり、新たな商品開発などにご活用いただけると考えています。2024年8月後半から2週間にわたり、埼玉県・三芳PAでの実証実施が決まっています。

eiicon・曽田 : SA・PAには昔からフードコートがあり、お土産の販売もされていますが、今回「試食」というテーマで共創することを決めた理由を教えてください。

熊谷氏 : 確かにSA・PAでは以前から食事の提供やお土産の販売を行ってきましたが、今回Livaさんからご提案いただいた「試食屋」は、単純かつ機械的に商品を提供するのではなく、試食を通じて商品に込められた作り手の思いや商品にまつわるストーリーを知っていただく機会をご提供できるものでした。

また、さまざまな食品や商品を「試食屋」のショールームにずらっと並べることにより、お客さまに非日常のワクワク感を提供することもできるなど、これまでのフードコートやお土産販売とは違ったSA・PAにおける新しい体験をお客さまに提供できると考え、共創させていただくことになりました。

eiicon・曽田 : SA・PAで「試食屋」を展開することにより、お客さまに新しい体験をご提供したいとのことですが、体験の提供以外にはどんな価値が生まれそうでしょうか?

熊谷氏 : まず、Livaさんとしては「試食屋」の店舗数を増やすことにつながるはずです。また、Livaさんは店舗単体の運営ノウハウを持っており、当社はSA・PAという館(やかた)の運営ノウハウを持っているため、両社のノウハウを掛け合わせることで、より強固な形での店舗運営ができると考えています。

さらに言えば、先ほど「商品をご提供いただいたメーカーさまに消費者の声やデータをフィードバックする」とお話しましたが、これらのデータは当社にとっても非常に価値が高いものです。高速道路のSA・PAをご利用されるお客さまの属性や嗜好を分析することにより、今後のSA・PA運営や商品企画にも活かしていけると考えています。

eiicon・曽田 : 三芳PAでのPoCもスタートしますが、プロジェクトを進めてきた中で苦労されたこと、大変だったことについて教えてください。

熊谷氏 : PoC実施までのスケジュールがタイトだったこともあり、Livaさんが「試食屋」に並べたいようなストーリー性のある商品の選定に苦労しました。全国のメーカーさん、業者さんと交渉するための時間を確保できなかったため、チームメンバーそれぞれの前任地でのつながりなどを活かし、昔からお付き合いのあった自治体や商工会議所をLivaさんにご紹介することで、何とか商品選定を進めることができました。

eiicon・曽田 : NEXCO東日本のみなさんが持っている「地域とのつながり」という強みが発揮された事例にもなったのですね。熊谷さん、ありがとうございました。

<ダイナミックマッププラットフォーム株式会社との共創プロジェクトについて>

eiicon・曽田 : 続きまして、山本さんが担当されている採択企業・共創プロジェクトを教えてください。

山本氏 : ダイナミックマッププラットフォーム株式会社さんと共に、高速道路やSA・PAの地下埋設物を探査し、探査結果をデジタルマップ上で可視化するプロジェクトを推進しています。

eiicon・曽田 : プロジェクトを推進することで、どのような課題が解決されるのでしょうか?

山本氏 : 高速道路やSA・PAの地下には水道・電気・ガス・通信用光回線など、高速道路を運営するために必要なさまざまなインフラの配管が埋設されています。そのため、埋設配管の近辺を掘るような工事を行う際には、一度周辺を掘り起こし、配管の位置を確認してから着工していました。ただし、配管の数が多く、それぞれが非常に長いものであるため、着工前の掘り起こし作業には膨大な時間とコストが掛かっていました。

今回の両社によるプロジェクトが成功し、地下埋設物をデジタルで再現した空間マップに表示できるようになれば、道路の管理・工事業務の効率化が劇的に進むと期待しています。

eiicon・曽田 : 効率化によってもたらされるインパクトの大きさが、ダイナミックマッププラットフォームさんの採択理由になったのでしょうか。

山本氏 : その通りです。この共創プロジェクトが実現すれば、年間で削減できる時間とコストはかなり大きなものになると考えています。

また、これらの地下埋設物は多くの人々の暮らしに欠かせないインフラ基盤でもあります。私たちが工事を進める際に、それらの配管を傷つけたり切断してしまったりすれば、社会的にも大きな損失が発生してしまいます。地下埋設物の位置を正しく把握・管理することは、当社にとっての責務でもあるため、今回の共創プロジェクトにはコスト削減以上の大きな意義があると考えています。

eiicon・曽田 : 現在のプロジェクトの進捗状況についてもお聞かせいただけますか?

山本氏 : 今回のプロジェクトは、「地下埋設物の探査」と「探査・収集したデータのマッピング・可視化」という2つのステップで進めていく方針です。

現在は、「地下埋設物の探査」から着手している状況であり、探査精度の検証に関するPoCを進めています。ただし、高速道路の安全を最優先して実施する必要があるため、現状ではSA・PA内のバックヤードの地下、当社の社員駐車場の地下などでテストを繰り返しています。今後、探査の精度が確認でき次第、営業中の高速道路やSA・PAの地下探査に移っていく予定です。

●トピックス(2)「過去採択企業の傾向から見る選考のポイント・傾向と対策は?」

eiicon・曽田 : 今回のプログラムの選考フローや審査方法について教えてください。

長谷川氏 : 一次審査は書類による選考となります。NEXCO東日本の本社・支社、現場の各事業所など、さまざまな組織の方々の意見を反映しながら選考を行っています。二次審査は面談による審査となります。社内関係部署の責任者が審査員として参加し、ご提案いただいた技術・アイデアに関する共創の実現性などを踏まえた審査を実施しています。

このような二段階の審査によって採択案件を決定していますが、関係部署が審査段階から入り、しっかりと継続的に関わり続ける体制を組んでいることにより、採択後のキックオフや実証実験フィールドの提案などもスムーズに進めやすくなっていると思います。

eiicon・曽田 : 早期応募締切日を設け、それまでにエントリーいただいた企業に提案のフィードバックを行っていることも、本プログラムの大きな特徴の一つだと思います。実際にはどのような内容のフィードバックをされているのでしょうか?

長谷川氏 : ご提案内容を確認させていただいた上で、当社の課題に対し、よりフィットするようなアドバイスや方向修正案のご提案をさせていただいたり、当社のリソース・アセットに関する認識のすり合わせをさせていただいたりすることが多いです。

とくにリソース・アセットの活用については、法的な規制や制約を受けるものも少なくないため、それらの具体的な活用プランをお聞きし、当社側で調整が必要な項目を確認させていただくことがあります。

eiicon・曽田 : NEXCO東日本が企業や案件を採択する際に大切にしているポイントを教えてください。

長谷川氏 : まずはご提案していただいた課題・解決策が、「当社が抱えている課題解決につながるアイデアになっているか」、さらには「当社にとっての新しい領域へのチャレンジになっているか」、そのような部分を評価のポイントとして確認しています。

また、各企業さまの「独自性・優位性がきちんと表現されているか」、「PoCのイメージが具体的かつ実現性の高いものになっているか」についても評価のポイントになります。提出資料以外の要素に関しては「取り組みへの意欲・熱意」なども重要なポイントであると考えています。

取材後記

今回でⅣ期目となるNEXCO東日本のアクセラレータープログラムは、回を重ねるごとにさまざまな側面でのアップデートが実施されており、毎回80〜100件程度の企業エントリーを集めるなど、スタートアップ・ベンチャー界隈を超えて注目を集めるプログラムに成長している。今回のプログラム説明会に関しても100名を超える企業担当者が参加し、参加者の疑問に応えるQ&Aコーナーには、時間内に回答しきれないほどたくさんの質問が寄せられていた。

今回のプログラムで提示された7つの募集テーマは、NEXCO東日本が抱える課題をベースに設定されているが、高速道路周辺にとどまらない幅広い社会課題や技術領域もカバーしているため、さまざまな企業に共創のチャンスがありそうだ。少しでも興味のある方は、こちらからアクセスいただき、ぜひエントリーを検討してほしい。(早期応募締切9/5、最終応募締切10/1)

※説明会動画 : https://www.youtube.com/live/Dok2u2FdSPw 

(編集:眞田幸剛、文:佐藤直己)

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