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【10/31応募締切】NEXCO東日本のOI プログラム説明会を詳細レポート! 高速道路会社初のアクセラが目指す世界観と共創テーマ・参加メリットに迫る

【10/31応募締切】NEXCO東日本のOI プログラム説明会を詳細レポート! 高速道路会社初のアクセラが目指す世界観と共創テーマ・参加メリットに迫る

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16年前、前身となる日本道路公団の民営化により誕生した東日本高速道路株式会社(以下、NEXCO東日本)は、高速道路の建設・維持・管理を通じ、多くの利用者に安全・安心・快適・便利なインフラを提供し続けている。

この度、同社は利用者や地域社会に対する新たな価値の提供を目指すべく、高速道路会社としては初となるアクセラレータープログラム『E-NEXCO OPEN INNOVATION PROGRAM』を立ち上げ、「①ヒトとモノの移動のアップデート」、「②SA・PAを休む場から地域経済を支える場へ」、「③サスティナビリティある事業運営の実現」という3つのテーマで共創パートナーの募集を開始した。9月よりエントリーの受付が開始されており、10月31日(日)の最終応募締め切り以降に採択企業の選考が進められる予定だ。

また、『E-NEXCO OPEN INNOVATION PROGRAM』の開催に伴い、オンラインによるプログラム説明会が実施された。当日は、同プログラムの事務局となる『ドラぷらイノベーションラボ』のメンバーから、今回のアクセラレータープログラムの実施背景やコンセプト、各テーマの共創イメージや活用できるアセットやリソース、サポート体制などの説明が行われた。

本記事では説明会当日の模様をレポートし、NEXCO東日本が目指すイノベーションや共創への思いについてお届けする。

高速道路会社がオープンイノベーションに取り組む背景とは?

説明会は、プログラムの事務局となるドラぷらイノベーションラボの代表、田中潤一氏の挨拶からスタートした。田中氏は、NEXCO東日本の事業概要を説明するとともに、NEXCO東日本が今回のプログラムを立ち上げてオープンイノベーションに取り組む背景や理由、共創によって目指したい姿について語った。

2005年、旧日本道路公団の民営化によって3社に分割されたうちの1社であるNEXCO東日本は、北海道、東北地方、さらには関東・北陸地方の一部に跨る営業延長3,943kmの高速道路と328箇所のSA・PA施設を管轄している。1日の車の利用台数は259万台、料金収入は年間7,144億円に及ぶなど、日本を代表するインフラ企業である。


田中氏は、「この高速道路を守ることが我々の誇りです。言い換えれば、24時間365日、安全・安心・快適・便利な高速道路を提供することが我々の使命であり、会社の価値であると考えています」と力強く述べた。田中氏は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた常磐道を、わずか6日で復旧させた同社の技術力が、海外でも高く賞賛された事例を併せて紹介した。


しかし、近年では激甚化する自然災害はもとより自動運転やEVへの対応、少子化やMaaS (Mobility as a Service)の進展、IT・AI・DXなどデジタル技術の目覚ましい発展により、同社を取り巻く事業環境は大きく変化しているという。

田中氏は「私たちはインフラという塀の中の “井の中の蛙” である。今後、社会やお客様が求める新しい価値やニーズに対応できなくなる可能性があり、危機感を感じている」と語り、同社がオープンイノベーションによる新事業創出を目指すこととなった背景を説明した。

続けて田中氏は、「チーム内で我々が提供できる新しい価値について何度も議論を重ねた結果、これまでの移動中の安全・安心・快適・便利の提供に加え、地域と地域、SA・PAと周辺地域、人とモノをつなぐことで生まれる新しい安全・安心・快適・便利の提供こそが、次世代の高速道路の価値ではないかと考えました。今回のプログラムを通して、地域の方々の安全な暮らし、人生100年時代を見据えて満足感を提供できるような技術・サービスについて皆様と一緒に考え、社会に実装していきたい」と話し、今回のプログラムに対する熱意を表明した。

プログラムが掲げる3つの募集テーマと提供できるリソースについて

次にドラぷらイノベーションラボ推進チームリーダーの瀬川氏より、3つの募集テーマの解説とプログラムにおいて提供できるリソースについての説明が行われた。

テーマ説明に先立ち瀬川氏は、『ドラぷらイノベーションラボ』がNEXCO東日本のすべての資産を実験の場として活用し、新たな事業を生み出そうという思いを込めて「ラボ」と命名されていること、さらにはNEXCO東日本の使命である安全・安心・快適・便利について説明し、とくに「安全」については今後も優先して守っていかなければならない価値であることについて改めて言及した。


●【募集テーマ1・ヒトとモノの移動のアップデート】

瀬川氏は、「A.自動運転化された高速バスが全国各地を行き交う社会」「B.高速道路だけが完全自動運転になった社会」「C.一般道も含めて完全自動運転が到来した社会」という自動運転の進歩によって生まれる3段階のフェーズを提示し、それぞれの段階に応じた高速道路の役割、ユーザーに提供できる価値についての問題提起を行った。


例えば「A.自動運転化された高速バスが全国各地を行き交う社会」「B.高速道路だけが完全自動運転になった社会」の段階では、高速道路のSA・PAでの高速バスの乗り換えも考えられるが、その際にSA・PAはどのようなサービス提供ができるか、自動運転社会でも多くのユーザーが立ち寄りたくなるSA・PAサービスとはどのようなものであるかを考えていきたいと述べた。

また、「C.一般道も含めて完全自動運転が到来した社会」の段階では、一般道における道路管理サービスとの連携も含め、NEXCO東日本が提供できる価値を探っていきたいと語った。

●【募集テーマ2・SA・PAを「休む場」から「地域経済を支える場」へ】

将来的にはMaaSで提示されているような各種公共機関の連携により、人々のdoor-to-doorでのシームレースな移動が実現される社会となる可能性が高い。その中で、たとえば一人暮らしの高齢者が自動運転の車で買物などに出掛けるような社会が到来した場合、高速道路のSA・PAは地域内外のユーザーにどのようなサービスを提供できるのか。またSA・PAは、自動車やバス、あるいはヘリコプターや船、鉄道といった様々な交通手段の結節点としての役割を果たすことはできるのだろうか、そのためにNEXCO東日本ができることは何か――。


瀬川氏は、チーム内で自問自答しながら議論を続けてきたSA・PAの新たな可能性を参加者にも問いかけた。また、「テーマ1とテーマ2は分類が難しいケースもありますが、テーマ毎に採択数の上限を設けるようなことはしないので、ピンときた方で応募してください」と付け加えた。

●【募集テーマ3・サスティナビリティある事業運営の実現】

瀬川氏は、NEXCO東日本が現在までに推進してきた環境への取り組みについて紹介した。緑化については高速道路敷地内約3,700ヘクタールで植樹を行っているほか、建設副産物・廃棄物のリサイクル、ビオトープ(生物生息空間)の設置、バイオマスガス発電、さらには高速道路内の施設であるecoインター・ecoエリアなど、様々な方法で環境保護に取り組んでいることを説明。


一方でバイオマスガス発電については、「原料となる草の収集や発電所への運搬過程なども含めて考えると、まだまだ課題は多い」と述べるなど、現状の取り組みで残されている課題についても言及した。

●提供できるリソースについて

続いて瀬川氏は、NEXCO東日本が共創パートナーに提供できるリソースについて説明を行った。高速道路およびSA・PAの活用に関してはスペースによって「NEXCO東日本が所有する施設」「独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構が所有し、NEXCO東日本が管理している施設」が混在しているため、施設によっては利用申請などに時間がかかるケースもあるという。

具体的に活用したいSA・PAや施設が決まっている場合、事務局としては応募エントリーの前段階から調整を進めていくため、「現時点で活用したい施設が決まっている場合は事前にご相談いただけると助かります」と付け加えた。

また、ビッグデータについては、公式アプリ『ドラぷらアプリ』のデータが活用できるほか、路線や橋梁・トンネル、走行台数、渋滞、工事規制等に関するデータについても、社内活用に限り提供できると説明した(ただし、データをそのまま販売するようなデータビジネス向けの活用は不可となる)。

事前セッション(これまでのイノベーション事例とチームメンバーの紹介)

続いて行われた事前セッションでは、田中氏、瀬川氏に加え、ドラぷらイノベーションラボ推進チームの長谷川氏、白圡氏が登場。今回のプログラムで事務局的な役割を担う同チームのメンバーたちが、これまでに社内で手掛けてきたイノベーションに関する取り組みを語ったほか、自身の得意分野を踏まえ、共創においてサポートできる領域についても紹介した。


▲ドラぷらイノベーションラボ推進チーム

●瀬川翔子氏(ドラぷらイノベーションラボ推進チームリーダー)

10年弱、NEXCO東日本の新規事業・イノベーションの創出に取り組んできた瀬川氏は、株式会社ネクスコ東日本イノベーション&コミュニケーションズ(以下:NI&C)の設立・立ち上げを担当した。


NEXCO東日本の完全子会社として2015年に設立されたNI&Cは、グループの技術開発全般を担っている。その設立前から、カナダのエリヨン・ラボ社とドローン『スカイレンジャー』や、スイス連邦工科大学と球体スキャニングロボット『ジンボール』の共同研究開発などに取り組んでおりり、瀬川氏は、これらの共同開発研究の実施準備やサポートなどを経験したとのこと。また、現在はNI&Cと共にプローブデータのトライアル分析にも取り組んでいると語った。

●田中潤一氏(ドラぷらイノベーションラボ 代表)

旧・日本道路公団時代から技術開発部門で活躍していた田中氏は、2016年に自身がプロジェクトリーダーを務めたワイヤーロープの衝突実験映像を紹介した。NEXCOグループは国土交通省からの通達を受け、暫定二車線区間の安全対策手段としてのワイヤーロープを開発。NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本の3社共同で衝突・施工実験を行うこととなり、田中氏は合同プロジェクトの舵取り役となって実験の推進をリードしたそうだ。


NEXCO東日本だけでなく、グループのNEXCO中日本、NEXCO西日本、さらには行政・自治体とのネットワークを持つ田中氏は、「今回のプログラムで得られた技術やアイデアについては、グループ全体に対しても積極的に横展開していきたい」と述べ、プログラム成果の将来的な拡大についても言及した。

●長谷川弘幸氏(ドラぷらイノベーションラボ推進チームサブリーダー)

今年8月にドラぷらイノベーションラボ推進チームに着任した長谷川氏は、瀬川氏と共にNI&Cの立ち上げに参画したほか、2013年より約3年間、新事業開発部門に在籍。うち1年はNI&C設立時より出向し、高速道路ユーザー向けのアプリ『ドラぷらアプリ』や、Webサイト『ドラぷら』『ドライブトラフィック』の開発、さらにはドローンの社内活用・外販事業、ビッグデータ解析など、Web系やデータ活用に関連する様々なプロジェクトで実績を築いてきた人物だ。


とくにWebサイトやアプリ開発では、ユーザー目線で新たなコンテンツやUI(ユーザーインターフェース)の充実のため、社内の様々な部門や社外のパートナー企業との連携を図るなど、豊富な知見を有している。技術面での連携やデータ活用も含め、今回のプログラムでも社内外のネットワークを活かして共創を進めていきたいと語った。

●白圡新氏(ドラぷらイノベーションラボ推進チームサブリーダー)

旧日本道路公団時代の民営化に際してグループ再編を担当した白圡氏は、海外の高速道路案件に関するフィジビリティスタディや、国内外の企業価値・事業価値評価を中心とする財務デューデリジェンス領域に関する豊富な経験を有している。


高速道路のような巨大なインフラ建設のプロジェクトファイナンスでは、株主、債権者、政府関係者など、多くのステークホルダーが存在する。そのような様々なステークホルダーに応じた財務モデリングやリスク分析を行ってきた経験がある白圡氏は、「アイデアや技術は持っているものの、事業モデルや財務モデルの構築に不安があるという方は、ぜひ気軽にお声がけください。NEXCO東日本は、法務や金融のスペシャリストとのチャネルも豊富に持っています」と語り、参加者に対してファイナンス面でも万全のサポート体制があることをアピールした。

【Q&A】参加者とのリアルタイムでの質疑応答

説明会では、参加者からリアルタイムでプログラムに関する質問を受け付け、各登壇者が回答する形式で質疑応答が実施された。以下に内容を抜粋して紹介する。

Q.1社単独ではなく2社合同でのエントリー・提案も可能か?

A.可能です。

Q.大企業でもエントリー可能か?

A.大企業でも問題ありません。ただし、今回のプログラムの最終目標は「エントリーいただいた企業様と一緒に新しいビジネスを創ること」であるため、単純に当社がサービスを購入するだけの提案では、採択の可能性は極め低いと考えてください。完成している製品・サービスではなく、一緒に新しいものを創っていける提案内容に期待しています。

Q.総額2,500万円の事業検証用費用を確保されているが、1社あたりの金額は決まっている?

A.1社あたり500万円というイメージはあるものの、金額が決まっているわけではありません。1社100万円で10社と共創を進める可能性もある一方、どうしても費用がかかると想定されるケースであれば1、2社に絞って共創を進める可能性もあります。

Q.今回のプログラムでは、どのくらいの期間での事業化を想定している?

A.当社の中期経営計画は5年単位であるため、5年程度で一定水準の事業化イメージがつくと嬉しいです。一方で、例えば、【募集テーマ3・サスティナビリティある事業運営の実現】のようなテーマでは、長期的な取り組みが必要となる場合もあると考えています。そのような長期的な共創に関して、今回のプログラムでの採択は難しい可能性もありますが、当社の社会的使命なども鑑み意義が高いと判断されれば、例えば当社技術部門との共同開発をこちらからご提案などできると良いと考えています。

Q.プログラム終了後に考えているゴール、具体的な提携イメージは?

A.将来的にはCVCを想定していることもあり、ゴールとしてはNEXCO東日本からの出資を目指す部分はあります。あるいは両社からの出資という可能性もあるでしょう。その他、エントリーいただいた企業様となにかしらのアライアンスを組み、共に新しいビジネスを創造することを目指しています。

Q.プログラム運営に参加している「みずほグループ」の役割は?

A.みずほグループは、実証実験などを行う際、みずほグループの顧客チャネルやテクノロジー、事業開発のノウハウ提供などで支援いただく予定です。

取材後記

説明会の最後に、瀬川氏が「当社にとって初めてのアクセラになるのでエントリーいただく皆さんと一緒に成長していきたい」と語ったように、今回のプログラムは同社においても高速道路業界においても初めてのアクセラレータープログラムとなる。

大枠として3つのテーマが掲げられているものの、どのような技術・アイデアがイノベーションにつながるかは、現時点では未知数な部分が多いかもしれない。だからこそ、「少しでも可能性がある」と感じた技術やアイデアを持っている企業は、10月31日に迫っている締切までにエントリーを検討してほしい。NEXCO東日本やドラぷらイノベーションラボ推進チームのメンバーと共に議論を重ねることで新たな化学反応が生まれ、社会や人々の暮らしを変えるようなイノベーションが生まれることに期待したい。

※『E-NEXCO OPEN INNOVATION PROGRAM』の詳細についてはこちらをご覧ください。

(編集:眞田幸剛、取材・文:佐藤直己)

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