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日本独自の食文化を世界に発信する――ネスレ日本との共創だからこそ実現できるモノづくりとは?

日本独自の食文化を世界に発信する――ネスレ日本との共創だからこそ実現できるモノづくりとは?

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神戸市主催のオープンイノベーション・マッチング事業「Flag(フラッグ)」では、ホスト企業として地元に拠点を構える10社が参画。各社がどのようなテーマを提示しているのかを取材していく(※)。――今回は、世界をリードする食品メーカー・ネスレの日本法人である「ネスレ日本株式会社」を取り上げる。

神戸に本社を置くネスレ日本の創業は1913年。日本国内において100年以上の歴史を歩んでおり、ネスカフェやキットカット、ミロなど、日本人の食生活に浸透している多くのブランドを扱っている。

そんな同社が「Flag」で掲げているテーマは、『日本の食文化が持つ長寿や健康の秘訣を世界に発信できる製品やサービスの創出』だ。グローバルでヘルスケアやウェルネスが注目されている今、日本独自の食文化や健康に対する考え方を世界に向けて発信したいと考え、共創に取り組むことになったという。

そこで、ネスレ日本で新規事業に取り組む執行役員・中岡誠氏にインタビューを実施。プログラムに参加した背景や、どのような共創をイメージしているのか話を聞いた。

※「Flag」インタビューシリーズの記事一覧はこちらをご覧ください。

グローバルカンパニーだからこその「日本発」へのこだわり

――まずは今回、「Flag」に参加した背景について聞かせてください。

中岡氏 : これまでもネスレ日本として新しいビジネスにチャレンジする取り組みはしてきたのですが、今年度から「事業づくり」に注力していくと方針を決めたのがきっかけです。新たに「新規ビジネス開発本部」という組織も立ち上げ、これまでにない取り組みの一つとして、他社との共創にも力を入れていきたいと考えています。


▲ネスレ日本株式会社 戦略事業開発コパイロット部 執行役員部長 中岡 誠 氏

――「Flag」の募集テーマとして、『日本の食文化が持つ長寿や健康の秘訣を世界に発信できる製品やサービスの創出』を掲げています。このテーマはどのように決まったのでしょうか?

中岡氏 : 「私たちだからできることは何か」を考えた結果、このようなテーマに決まりました。ネスレでは、グローバルブランドからローカルブランドまでブランド数は 2000以上、世界186カ国で販売しています。私たちほどグローバルに食品事業を展開している企業はそうありません。そのネットワークを活用して、”日本発”で新しい製品やサービスを打ち出せれば、これまでにない価値を生み出せると思ったのです。

――これまでも”日本発”で、新たな製品やサービスを作り出した実績はあるのでしょうか。

中岡氏 : 例えば、期間限定で様々なフレーバーのキットカットを展開したのは、ネスレ日本が初めてです。各地の名産品を使い、これまで多くのオリジナルフレーバーのキットカットを生み出してきました。また一方で、ネスカフェアンバサダーのように、サブスクリプションモデルでコーヒーを楽しんでいただくサービスも”日本発”です。

しかし、どちらも「キットカット」や「ネスカフェ」といった既存の商品に新たな価値を付加しただけ、とも言えます。ゼロから新しい製品やサービスを開発してきた経験がないので、今回は私たちにとって初となる新しいコンセプトの製品づくりにチャレンジしたいと思っています。


▲食品・飲料など、数々のグローバルブランドを持つネスレ。今回の共創では、世界のほぼすべての国で事業展開しているネスレの販路などを活用することも可能だ。

日本人に馴染みある「シーフード」「野菜」や「もったいない精神」にフォーカス

――どのような企業との共創を想定しているのかお聞かせください。

中岡氏 : 幅広くパートナーを募集していますが、強いて言うなら「シーフード」や「野菜」をテーマにした企業と組めればと思っています。現在のフードテックのトレンドを見ると、大豆ミートなどの「肉」にスポットライトが当たりがちですが、日本人はもともと菜食主義ですし、肉よりも魚を多く食べていたはずです。

そのため、魚の養殖技術を持っている企業や、海苔や貝など海産物を扱っている企業と一緒に取り組んでいければ嬉しいですね。美味しさだけでなく健康にもよく、日本人の健康を支えてきた食材だというのも注目している理由の一つです。

――「サーキュラーエコノミー」も実現したい共創アイデアの一つとしていますが、どのような想いがあるのでしょうか?

中岡氏 : 近年、日本ではSDGsという言葉が普及し、環境に対する取り組みを始めた企業も多いと思いますが、海外に比べるとまだまだ遅れているのが現状です。しかし、日本にはもともと「もったいない精神」などSDGs的な考え方が浸透しているのも事実です。

海外の取り組みを参考にするのもいいですが、ただ真似をするだけでなく、食事を「作りすぎない」「残さない」という考え方も大切でしょう。そうした想いも、共創によってアイデアとして具現化していきたいと思います。

グローバルな「製品開発力」と「販路」が強み

――今回の「Flag」で、ネスレ日本さんが提供できるリソースやアセットについて教えてください。

中岡氏 : 一つはグローバルな製品開発力です。ネスレは世界各地に様々な研究拠点があるので、どんな製品を作るかによってそれぞれの拠点と連携しながら製品を開発していくことができます。

また、グローバルへの販路があるため、必ずしも国内市場をターゲットにする必要はありません。日本でヒットするのが難しければ、まずは海外で注目を集めてから日本に逆輸入する。このように幅広い戦略がとれるのも私たちならではの強みだと言えるでしょう。

――最後に、共創パートナーとなる企業に向けてのメッセージをお願いします。

中岡氏 : ネスレ日本が、このようなオープンなプログラムでパートナー企業を探すのは、今回が初めての取り組みです。私たちも慣れていないことがたくさんあるので、パートナー企業とは対等な関係で、意見を出し合いながら共創プロジェクトを進めていければと思っています。

また、先ほどは一例としてシーフード関連の企業との共創を検討しているとお伝えしましたが、私たち自身もイメージできていない部分が多々あるため、幅広いアイデアをお待ちしています。私たちのリソースやアセットを活用して、新たな価値を生み出したいと思われた企業の方は、ぜひお気軽にご応募ください。お待ちしています。



KOBE OPEN INNOVATION「Flag」 10/13(木)応募締切

神戸市内企業と市内・全国のパートナー企業とのオープンイノベーションプログラム

(編集・取材:眞田幸剛、文:鈴木光平、撮影:加藤武俊)

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  • 石川康晴

    石川康晴

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神戸市内企業と市内・全国のパートナー企業とのオープンイノベーション・マッチング事業「Flag」。新たな事業開発や課題解決に向けたテーマを神戸市内企業が旗(Flag)として掲げ、ともにチャレンジしたい共創パートナーを募集します。