オープンイノベーションとは?意味や事例・戦略を徹底解説
企業の成長戦略の手段としてオープンイノベーションを採用する企業が2015年以降、急速に増えています。ビジネスを加速させるエンジンは「競争」から共に事業を創るという意味の「共創」に移り変わりつつあります。
現在、日本においてオープンイノベーションは一種のブームとなり、「オープンイノベーション」という言葉もバズワード化しています。ですから、本来的な意味で「オープンイノベーション」について知るためには語源や歴史、背景などを理解することが近道です。
eiiconが展開するオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」では、39,000社以上の企業に登録いただき(2026年6月現在)、数多くの企業同士の繋がりを創出しています。
オープンイノベーションが発祥したのはアメリカですが、近年では日本でも浸透しソフトバンクグループや富士通など、大手企業もオープンイノベーションを積極的に取り入れているのです。成功事例の詳細は後述します。
数多くの共創を支援したAUBAが考えるオープンイノベーションの意味や定義、類似の言葉との違いなどを解説していきます。
オープンイノベーションとは?
オープンイノベーションとは「イノベーション」を起こすための方法の一つです。
オープンイノベーションは様々なメディアで多種多様な取り上げられ方をしており、言葉は聞いたことがあっても、オープンイノベーションとは何かを端的に説明できない人も多いのではないでしょうか。
そのため、本記事では日本におけるオープンイノベーションの定義や、意味・語源について解説します。
オープンイノベーションの定義、意味、語源について
【定義】社内外でイノベーション効率を最大化すること
オープンイノベーションについて内閣府は2010年に以下のように定義しています。
オープン・イノベーションとは、(必要により失敗を内生化するエクイティ・ファイナンスと外部のベンチャー企業群も活用し、)自社内外のイノベーション要素を最適に組み合わせる(mix & match)ことで新規技術開発に伴う不確実性を最小化しつつ新たに必要となる技術開発を加速し、最先端の進化を柔軟に取り込みつつ、製品開発までに要する時間(Time to market)を最大限節約して最短時間で最大の成果を得ると同時に、自社の持つ未利用資源を積極的に外部に切り出し、全体のイノベーション効率を最大化する手法。
(出典「オープン・イノベーション」を再定義する ~モジュール化時代の日本凋落の真因~ 内閣府 科学技術基本政策担当 より抜粋)
つまりオープンイノベーションとは自社内外のイノベーション要素を組み合わせて、イノベーションを起こすまでの過程を効率化するとともに、イノベーションのインパクトを最大化することだと定義されています。
【意味】企業同士で新たな価値を創造すること
定義は前述のとおりですが、オープンイノベーションとは何か、をさらに端的に表すと、「自社以外のパートナーと連携し、共に新たな価値を創出すること」です。
そうはいっても、かなり広い意味を持つ言葉なので、角度を変えて説明してみましょう。
オープンイノベーションの反意語はクローズドイノベーションであると考えられますが、これは「自社のリソースで自社内に閉じた取り組み・開発によってイノベーションを起こす」という意味になります。
自前でイノベーションを起こすことはこれまで日本企業が得意としてきた分野ですが、昨今の技術の発展やITツールの進化により、スピード・インパクト・工数などの点において、自前のリソースに限定し進めることが得策ではない場合も出てきていると言えるでしょう。
このような背景から、自社の強みと外部のリソースや知識を掛け合わせることで効率よくイノベーションを起こすことをオープンイノベーションと定義できます。
ここで注意したいのは、新しい技術を単純に買い入れて技術開発する手法はオープンイノベーションとは呼べないということです。買い入れてしまえば、それはインハウスでの技術開発ですから、クローズドとなりますし、同様に製品の受発注も今あるものを活用しているに過ぎず、新たな価値を生み出す「オープンイノベーション」とは呼べません。
【起源・語源】ヘンリー・チェスブロウ氏が提唱
次に、オープンイノベーションの起源と語源についてさかのぼってみます。
はじめてオープンイノベーションという言葉を用いたのはハーバード・ビジネス・スクールやカリフォルニア大学バークレー校で教授を務めたヘンリー・チェスブロウ氏です。
チェスブロウ氏は2003年に著書「OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて (Harvard business school press)」でイノベーションはクローズドからオープンへ変化するべきであるとして、オープンイノベーションという概念を提唱しました。
1980年代以前までは、イノベーションは既存製品をアップデートして既存市場に対してインパクトを与えるスタイルが一般的でした。このイノベーションのスタイルを「リニアモデル」や「リニアイノベーション」などと呼びます。
大企業の研究所で新たな技術を発見し、その技術を基にして事業部で製品開発が行われるのがリニアイノベーションの流れです。このモデルは1980年代以前の欧米で主流となっていました。
しかし、1980年代以降、東アジアが技術を磨き欧米の競争相手として台頭したことで潮流が変わります。この流れを受けて欧米ではふたつの制度の転換が起こります。ひとつは知的財産権の保護強化、もうひとつが独占禁止法の緩和です。
制度の転換が功を奏して、欧米では企業が共同で技術開発を推進できる土壌ができたと言えるでしょう。
それ以降、社外リソースや知識を取り入れてイノベーションを起こすことがオープンイノベーションと呼ばれるようになります。