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BAとはなにか? -ビジネスアナリシスを理解しよう 1-

BAとはなにか? -ビジネスアナリシスを理解しよう 1-

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藤重 茂

BA(ビジネスアナリシス)とは何かについて、このブログでご説明していきます。

ずはBAそのものの説明の前に、少しだけ現在のビジネス環境を確認し、どのようにBAが企業とそのビジネスにとって重要な役割を担っているるかを、3つの問いかけによって確認しようと思います。

 

1の問い。ここ最近BAへの関心が高まり、BA普及団体であるIIBA日本支部が開催する各種セミナーやフォーラムなどへの参加者が増えています。なぜでしょうか。

 

白なのは2018年に経産省から出された「DXレポート」が一つのきっかけとなったということです。そのレポートの中で言われた「2025年の崖」という言葉はマスメディアにも大きく取り上げられ、バズワードとなったので覚えている方も多いかと思います。

 

の「DXレポート」が言っているのは、日本の企業は現状のビジネスのあり方と組織の形を変革しなければならないということです。このまま現状維持を続けていると、ワールドワイドなビジネス競争の中で敗者となることを認識し、一刻も早く改革に取り組まないといけないということでした。そのリミットが2025年で、それを過ぎると崖から転げ落ちるということです。

 

つ目の問い。ではなぜ経産省がこのようなレポートを出してきたのでしょうか。

 

業界のデジタル化の遅れがその底流にあることは間違いありません。「いやいや過去何年にもわたってIT化を推進してきたのだから、遅れているということには承知しがたい」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。そうですこれまで企業はERPの導入やクラウドへの対応など基幹システムの構築と維持に大きなコストをかけてきました。この試みはそれなりの効果を上げましたがその古いアーキテクチャでは、昨今のビジネス環境の変化とデジタル技術革新のスピードに対して追随することが難しく、ビジネス革新の重荷となっています。DXレポートは、崖から落ちないためにまず、この状況を解決する必要があると言っています。

 

つ目の問い。ではこのような状況を解決するにはどうしたらいいのでしょうか。

それには複数の視点で状況を見る必要があります。

 

つは、既存のビジネスの保守と深化と新規ビジネス展開のバランスという視点です。既存ビジネスは今現在、企業の存在をサポートするものですから重要なのは言うまでもありませんが、競争相手に勝つために常にその質や価格、サービスレベルを深化させ続けることが必要です。

新規ビジネスは既存ビジネスの将来的な縮小への備えと、新しいマーケットへの進出による事業拡張のために必要なものです。ビジネス環境の変化が高速化する中、この2つのビジネスカテゴリのバランスを取った経営が必要になっています。

 

う一つの視点はビジネスとデジタルソリューションの融合の視点です。我が国のITによる業務効率化は経営部門やユーザー部門の要求をIT部門に伝えることをトリガーとし、IT部門がそれらの要求を取りまとめ、要件として確定する形で進められてきました。つまり、IT技術者が中心となって要件を取りまとめることになります。IT技術者がビジネスのことを理解できないとは言いませんが、本当に役に立つITソリューションであり得るかは、ビジネスに対する深い理解が必要となります。なぜなら現代ではシステムがビジネスを構成するからです・

 

後の視点はビジネスの課題の理解と優先順位付けです。解決すべきビジネス課題は常に沢山存在します。その中から最も重要な課題を識別し、最適な投資を実行する必要があります。そのためにIT投資ポートフォリオとロードマップを策定し、実行のステップを設計しなければなりません。

 

気づきかと思いますが、これら3つの視点は相互に関係しあっています。中心となるのはビジネスを理解すると言うことです。ビジネスに対する深い理解こそがDXの実行に欠かせないことなのがお分かりいただいたでしょうか。

 

つの問いかけに対する解答は、BA無くしてDXの正しい実行は難しく、ビジネス中心の視点でデジタルソリューションのあり方を考えるから、となります。

 

次回はビジネスアナリシスはどのように実践するのかについて、話を進めていくことにします。

藤重 茂KITネットワークス株式会社

IT業界で40年弱過ごしてきました。プログラマーからSE、プロジェクトマネージャそして現在はビジネスアナリストとして、クライアントにBAの知見と技術を提供する活動を行っています。
ビジネスアナリシスは組織とビジネスに”変革(チェンジ)”を起こすための活動です。BAによってビジネスに変革をもたらすのが私の使命だと強く信じています。

KITネットワークス株式会社

代表取締役

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