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なぜ私たちはロボット会社RobotBankを創業したのか?

なぜ私たちはロボット会社RobotBankを創業したのか?

趙徳鵬

当社は当初、主として企業のデジタルトランスフォーメーションや自動化に関するコンサルティングサービスの提供に力を注いできました。その流れを経て、2021年にはサービスロボット製品の販売代理店としての事業展開を始め、企業向けの自動化ソリューションの提供を開始しました。今日において、サービスロボット市場はなお成長初期段階にある一方で、コスト面での優位性から海外製品が大部分の市場シェアを占有しています。

しかしながら、海外製品は必ずしも市場ニーズに完全にマッチしているわけではありません。当社が創業から約1年の間で直面した多種多様な問題は、大きな挑戦のように見えましたが、私たちはそれを千載一遇のチャンスだと捉えました。

これらの問題は大きく4つに分けられます。

それは、

(1)海外企業に起因する問題、

(2)海外企業が生産する製品に関わる問題、

(3)製品のサービスについての問題、そして

(4)労働力不足などの社会問題です。

これらの問題は私たちにとって、熟慮する良いきっかけとなりました。

(1)それではまず、海外企業に関する問題について考えてみましょう。これらの問題は2点に分けることができます。一つは企業間の文化差に由来する認識のズレやコミュニケーションスタイルの違い、そしてもう一つは手続きや業務上の問題です。これらの問題はコミュニケーションがスムーズに進むことを妨げ、多くの誤解を生じさせました。

特に企業制度や企業文化に関しては、海外企業は日本市場や日本の企業運営ルールに対する理解が不十分であり、その結果、双方間のコミュニケーションがうまく機能せず、製品やサービスの提供に多くの問題が生じました。これらの企業はロボットメーカーであるため、往々にして短期的な効率性を追求して製品を急ピッチで販売し、製品の製造とビジネス開発プロセスの順守が疎かになりがちです。売上拡大を最優先することでスケールメリットを追求し、市場独占を図ろうとする傾向があります。この結果、製品の品質が必ずしも十分でなく、迅速なアフターサービスが得られず、企業運営が不安定となり、代理店や顧客が懸念を持つ問題が生じました。

当社は、新世代のロボットやサービスは「ロボットはサービスそのものです」(RaaS)であるべきと理解しています。私たちは強く信じています、顧客は私たちのパートナーであり、彼らに対して長期的なサービスを提供すべきであると強く信じています。一過性の取引ではなく、持続的な関係を築くことが重要です。私たちは世界一流企業の経営スタイルや手法について注意深く観察しており、高品質な製品とサービスを提供できなければ、企業が持続的に成長することは難しいと理解しています。

(2)次に、製品に関する問題、特に製品設計に関する問題について考察しましょう。

製品設計について、私たちは2つの主要な問題に遭遇しています。まず一つ目は、製品の外観や使い心地に関する設計に目を向ける必要があります。これには、ロボットの形状、色、スタイルなどが含まれます。しかし、これらのデザインは時としてメーカーの主観的な見解が過度に反映され、市場需要に合わない場合があります。二つ目は、製品の実用性に注目する必要があります。これには製品のサイズ、機能、構造設計などが含まれます。私たちは、一部のデザインが実際の使用状況でロボットのパフォーマンスに影響を与え、顧客の課題を効果的に解決できないことに気づきました。

品質問題もまた重要な検討事項です。以前と比べ、製品品質が大幅に向上したことを確認していますが、材料の選択や設計の合理性にはまだ改善の余地があります。これらの問題は製品の品質や部品の耐久性に影響を与える可能性があるだけでなく、資源の無駄に繋がります。

さらに、ソフトウェア設計とプログラミングの側面でも、いくつかの重要な検討課題が散見されます。多くのソフトウェアが十分なテストを経ないまま市場に投入され、これら製品は使用中に不安定になり、その結果、顧客満足度に影響を与えています。

(3)もう一つの主要な課題は、海外企業が生産する製品そのものに由来します。これらの製品は設計と開発の段階で過度に製品理念に重きを置いた結果、現場の具体的な使用状況を見逃しがちになり、現場の問題解決という本質的な目標が見落とされることがあります。現場から切り離された設計プロセスは、製品が顧客の実際のニーズと乖離してしまう可能性があるため、これらの製品は顧客が抱えている問題を十分に解決できていない事があると私たちは認識しています。

また、製品とサービスの問題も同時に考える必要があります。現在のロボット製品は基本的にAIoT(Artificial Intelligence of Things)であり、それらを継続的に更新し、常に改善する必要があります。実際、この更新の反復も製品サービスの一部であり、伝統的な製品とは異なる特性を持っています。したがって、製品設計を考慮する際には、製品自体の設計や機能だけでなく、製品の持続使用やサービス利便性も同時に考える必要があります。私たちがそのような考えに基づいて製品やサービスを提供する事により、顧客の真の要求を満たし、実際の問題解決につながる解決策を提供することができます。

海外企業の多くの製品は海外市場向けに販売されていますが、国内市場では完全な販売システムや顧客サービス体制が整備されておらず、効果的なオンラインとオフラインの問題解決メカニズムも存在しません。これにより、顧客は製品購入後、製品の更新がなく、問題が生じても解消されない状況が想定されます。こうしたケースの多くは当初の顧客の問題を解決するどころか、新たな問題を生み出しています。これは、この業界の関係者が注意を払い、解決すべき重要な課題であると言えるでしょう。

顧客との物理的な距離があるため、現場の問題を正確に把握し、対応することができず、製品が顧客の実際の問題を解決できないことがあります。さらに、時間やリソースの制約から、迅速に顧客と共に製品のアップデートや最適化を進めることができず、製品が顧客のニーズに完全に対応することができないという問題も生じています。これらの問題は、製品のメンテナンスと更新が適切に行われないという結果を生み、製品の進化が遅れる原因となっています。

(4)最後に注目すべきは労働力不足や産業発展などの社会問題です。

現在、人口の減少と労働力の不足により、社会問題が深刻化しています。多くの優れたロボット企業と製品が存在していることは認識していますが、社会問題をズバリ解決できるロボットや自動化製品は比較的少ないです。当社はそれがチャンスと位置づけ、それが価値を創造する絶好の機会と捉えています。なぜなら、これらの社会問題は、私たちが解決できる問題と確信しているからです。

世界中で多くの優れた製品を見てきましたが、まだ不十分と感じており、特に日本国内の製品設計と生産は不足していると感じています。したがって、私たち自身が将来その能力を備え、責任を果たすべきと考えています。それが私たちの価値創造につながるからです。

次に、私たちが直面している社会的背景について考えてみます。それは主に地域産業の革新と人工知能(AI)時代の到来という二つの観点から考えています。

まず、地域産業改革の観点から見ますと、日本は工業革命以来製造業の先端を走ってきました。しかし、産業のグローバル化に伴い、新製品の革新力が不足し始め、製品が人々のニーズに追いつかなくなっています。この問題は特に製造業が盛んな都市で顕著に見られ、新エネルギー車やAIなどに関連する最新技術の導入や製品生産で遅れが目立つようになりました。これは地域経済や人々の生活に影響を及ぼしています。私たちはこの問題の深刻さを認識し、可能な限り地域振興や社会に貢献できるように努力したいと思っています。

また、AI時代の到来について考えますと、AIの台頭により私たちの思考方法や論理思考が変わり、すべての製品に新たな挑戦と機会をもたらしています。AIが登場する前と後では、製品のロジックと製品開発への要求は全く異なります。10年前の製品は、AI時代における新しい生活スタイルを満たすことはできません。したがって、私たちは新たな時代の要求に対応するために、製品設計と製造における思考と手法を更新する必要があります。

古い単一の技術だけでは、新たな社会変革を駆動することはできません。AI時代においては、すべての産業にとって調整と革新が必要です。そのため、今こそAI技術を活用してロボット分野を再考し、参入する最適な時期だと私たちは考えています。

 総じて、私たちはグローバルの業界最新情報を常に追い続け、顧客の視点から問題を見つめ、ユーザーにとって安心かつ最適な解決策や製品、導入して良かったとなるよう支援し続けたいと考えています。言い方を変えれば、私たちは、顧客が享受するのは製品の利便性や有用性、コストパフォーマンスだけでなく、全体的なサービス体験であって、幸せな生活に繋がるべきと信じています。これを達成することができると私たちは確信しています。これが私たちの使命であり、その使命の達成が私たち自身の価値実現に繋がり、それに大いなる喜びを感じています。

以上が私たちのロボット会社設立の主な理由です。

趙徳鵬ロボットバンク株式会社

静岡文化芸術大学    生産デザイン学科卒業 カーデザイン
静岡大学大学院 工学研究科  工学 修士 
2015年に北京中関村に起業、APP開発中心、その後会社は大手ECサイトに売却 
2016年36krのグローバルビジネス優秀インキュベータに選出
2017年清華大学のグローバルビジネス優秀インキュベータに選出
2019年 月間5億PVを誇る、中国最大のベンチャー/ITメディア「36kr」36krspace
(米ナスダック上場)と 共同で初の海外インキュベーション拠点を設立 (日中ハイテク企業をつなぐ)
2020年 中国最大イノベーション大学 混沌大学日本支店設立(日中ハイテクイノベーション企業をつなぐ)
2022年  RobotBank当社設立 ロボティクスで実現するモノづくりDX、幸せライフスタイルDXを促進する

ロボットバンク株式会社

CEO

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