新たな価値の創出を目指す事業共創プログラム「MASH UP!KUWANA2024」のスペシャルデーをレポート!スタートアップ5社が提案する共創プロジェクトプランに迫る
三重県桑名市をフィールドとした課題解決や新たなチャレンジを通じて“スタートアップとの共創”を生み出し続けることを理念とした「くわなスタートアップ・オープンフィールド」。2024年8月、この仕組み化を目指し、桑名×スタートアップによる新たな価値の創出を目指す事業共創プログラム「MASH UP!KUWANA2024」が始動した。
そして去る12月2日、「MASH UP!KUWANA2024」の書類選考を通過したスタートアップ5社が集結し、自らの共創プロジェクトプランを発表するイベント「MASH UP!KUWANA2024 Special Day〜KAIKA〜」が開催された。
TOMORUBAは同イベントを現地で取材。本記事では、5社による共創プロジェクトプラン発表ピッチを紹介するとともに、桑名市長×スタートアップ支援機関×起業家によるトークセッション「くわな×スタートアップによる新たな価値創出と目指す未来」の模様についてもレポートする。
75件の提案が集まったプログラムへの期待感と共創事業推進への熱意を表明
イベントのオープニングに際し、桑名市長の伊藤徳宇氏(上写真)が挨拶を行った。最初に伊藤市長は、市役所内でのワークショップや今年1月に実施したイベント(くわなスタートアップサミット「開国〜KAIKOKU〜」 ※イベントレポート)、さらには「くわなスタートアップ・オープンフィールド」の戦略策定など、昨年4月より推進してきた桑名市とスタートアップとの共創推進事業の概要について紹介した。
また、「桑名市の様々な課題や新たなチャレンジに関して、桑名市がスタートアップと共創しながら解決していく」という「くわなスタートアップ・オープンフィールド」の理念についても説明した。
次に伊藤市長は、今年8月からスタートした桑名×スタートアップによる新たな価値の創出を目指す事業共創プログラム「MASH UP!KUWANA2024」について紹介した。同プログラムでは、桑名市の課題やチャレンジについて7つのテーマを設定して募集を行った結果、75件のご提案(再提出含む)が集まったと報告。「この後、多くのご提案の中から選ばれた5社のピッチがあるので楽しみにしていただきたい」とオーディエンスに訴えた。
最後に伊藤市長は、現在進行している桑名×スタートアップの共創事例について紹介した。ウェブアクセシビリティの向上に取り組む合同会社KANNONとの事例では、同社が展開するプラグイン型SaaS「フェアナビ」を桑名市公式ホームページに試験導入し、実証実験を進めていると説明した。
また、教育特化型外部人材マッチングサービス「複業先生」を展開する株式会社LX DESIGNとは、今年9月に連携協定を締結。現在は市内の小中学校で「複業先生」を試験導入し、外部人材活用に関する実証を進めている。
桑名市が合同会社KANNONや株式会社LX DESIGNとの共創を行うこととなったきっかけは、今年1月のイベントであったという。伊藤市長は「桑名市は組めば即座に動きます。スタートアップの皆さんのスピード感に行政が負けてはいけないと考えています」と述べるなど、桑名市のスピーディーな意思決定体制や共創への意欲をアピールした。
スタートアップ5社による共創プロジェクトプラン発表ピッチをレポート
続いては、「MASH UP!KUWANA2024」の書類選考を通過した5社の共創プロジェクトプラン発表ピッチについて、以下の登壇順にレポートする。
【1】株式会社StarBoard
【2】株式会社Jizoku
【3】RainTech株式会社
【4】株式会社Dioptra
【5】株式会社Stayway
なお、各社のピッチ後には、会場にいるオーディエンスが「共創したい!」「後で話したい!」のパネルを掲げ、共創アイデアへの注目度を示した。
さらにピッチには応援コメンテーターとして、Subtitle代表の加藤厚史氏とPLUS IMPACT代表の高田健太氏の2名が参加。5社のピッチに対して、応援コメントを送った。
▲株式会社Subtitle 代表取締役社長 加藤厚史氏
愛知県生まれ、京都大学大学院卒業。中京テレビ放送に入社後、ITベンチャーに転じ、取締役として2012年に東証一部上場を経験。その後、2016年に株式会社スタメンを創業。人と組織に関する、エンゲージメント領域のSaaSにて、2020年に創業4年で東証グロース市場に上場。2023年末に創業メンバーの副社長にバトンタッチする形でスタメングループから卒業。現在は新たに株式会社Subtitleを設立し、奮闘中。桑名市ブランド推進委員会 専門委員。
▲PLUS IMPACT株式会社 代表取締役CEO 高田健太氏
2013年丸紅株式会社へ入社。同社ヤンゴン支店(ミャンマー)での駐在を経て、2018年にミャンマーにて独立起業。フードデリバリー事業”Hi-So”を運営し、資金調達も経て事業を拡大させていたが、2021年に発生した同国軍事クーデターに伴い事業を撤退。日本帰国後は、500 Global、STATION Ai等にてスタートアップ支援活動をおこないつつ、現在はITエンジニアを中心とした途上国人材と、同人材をリモート雇用したい先進国企業を繋げる雇用代行(EOR)サービスを運営している。
【1】株式会社StarBoard
「桑名市」一体となっての人材確保、定着ソリューション
「日本を多才で多彩に。」というカンパニーミッションを掲げるStarBoardは、三重県を中心とする東海圏でインドネシア人特化型の人材紹介や人材定着支援サービスを提供しているスタートアップだ。
同社は本プログラムにおいて、インドネシア人材と桑名市の企業を直接つなぎ、市内の企業に優秀なインドネシア人材を紹介するとともに、桑名市と協力しながら受け入れ人材のサポートと定着化を図る共創プランを提案した。同社は今年の8月、インドネシア保険省と人材育成に関する相互協定を締結するなど、インドネシア特化型の強みを活かした安定的な人材紹介を実現できると説明した。
同社が桑名市で事業を展開したい理由は主に3つ。1 つ目は、桑名市が「多文化共生」を掲げ、外国人が安心して暮らせる土壌が整っていること。2 つ目は、製造業や物流業が盛んな地域であり、外国人人材が活躍しやすいフィールドが広がっていること。3 つ目の理由は、桑名市は名古屋や大阪といった都市圏へのアクセスが良好であることに加え、豊かな自然も多く、初めて日本で仕事や生活をする外国人にとって理想的な街であることを説明した。
また、同社は桑名市側のメリットについても、「持続的な人材確保」や、新たな外国人人材の流入による「経済の循環」、「地域のさらなる活性化」という3 つのポイントがあると解説。同社代表の矢部氏は、現在桑名市内の鋳造会社で活躍するインドネシア人男性の動画を紹介し、「彼のような優秀な人材が定着することは、日本にとっても桑名にとっても大きなプラスになる」とアピールした。
【2】株式会社Jizoku
カーボンクレジットを活用した新たな農業の実現
一橋大学発のスタートアップであるJizokuは、農業由来のカーボンクレジットを活用したソリューションの展開により、農業における経営コストの上昇や所得の目減り、若手農業者の減少、高齢化といった課題解決に挑んでいる。
同社が本プログラムで提案したのは、桑名市内の農家と協力してカーボンクレジットを創出し、農業分野における脱炭素と収入向上を達成するという共創プロジェクトプラン。また、同社はカーボンクレジット創出後の販売支援についてもサポートを実施すると説明した。
このような共創を実施することにより、桑名市の農家はカーボンクレジット売却による新たな収益機会を得ることになる。また、桑名市としても温室効果ガスの削減を通して、カーボンニュートラルの推進に貢献できるという。同社は今回の共創実施による試算も行っており、「年間で1haあたり1〜3t(CO2換算)の温室効果ガス削減に貢献できる」とアピールした。
実証実験においては、同社の強みである人工衛星を活用したモニタリングや、生物多様性の影響評価も並行して実施していくほか、三重大学との共同研究についても交渉を進めているとのこと。将来的にはカーボンクレジットの市内での活用(地産地消)、観光・教育領域との連携、人工衛星等から得られるデータの農業活動への活用も進めていくと説明した。
【3】RainTech株式会社
モノづくり企業の巡回業務DXサービスの実装プロジェクト
名古屋市のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」に入居するRainTechは、デジタル技術を活用した防災・気象関連のソリューションを展開している。
同社代表の藤井氏は、日本の労働人口減少に伴う労働災害の実態について問題提起を行い、全国平均を上回る三重県の労働災害データを例に挙げて説明した。また、昨今の就活生の企業志望度に「DX推進」が大きく関係していることも併せて紹介した。同社は、このような課題の解決プランとして、桑名市のモノづくり企業に対し、職場安全の改善活動DXを実現する「デジパトfor Safety」のサービス実装を提案した。
モノづくり企業は、職場安全を改善する「現場巡回」と呼ばれる業務を行っている。ノウハウを有する社員が現地現物でリスクを探し出し、トラブル発生前に先取りで改善を行う現場巡回は、「日本のモノづくり力の真髄」と言える業務だが、多くの企業では、未だに紙を使ったアナログベースで行われている。
このような現場巡回に同社の「デジパトfor Safety」を導入し、アナログな作業をデジタルベースに転換することで、現場巡回の効率化や労働災害リスクの低減、コスト削減などを実現できるという。
すでに同社は、桑名市の鋳物メーカー4社との会合を通してユーザーヒアリングを実施している。また、今後はさらに多くの市内企業へのサービス紹介、実証実験協力依頼を進めていき、2025年初頭には実証実験をスタートする計画だ。
【4】株式会社Dioptra
AIを活用した下水道管路・マンホール蓋の点検業務DX
Dioptraは、異常検知、マルチモーダル技術、生成AIといったAI領域に強みを持つベンチャー企業。AIの研究開発を起点に、インフラ点検調査DX事業や社内文章検索アプリ事業など、様々な分野におけるAIの社会実装を推進している。
同社が本プログラムで提案したのは、桑名市内の下水管やマンホール点検業務のDXに関する共創プラン。配管の入口からカメラで写真を撮るだけで、AIが自動で異常を検知するスクリーニングAIアプリの開発に取り組むと発表した。
上下水道に関しては、以前から配管の老朽化が課題となっており、国が進める対策として、インフラの維持管理を自治体から民間に移行していく「ウォーターPPP」という枠組みが立ち上げられている。しかし、民間業者側の不透明な業務状況やベンダーロックイン、評価基準のバラつきといった課題があり、現状では、自治体がウォーターPPPで発注を行うことが難しい現状もあるという。
そこで、今回Dioptraが開発するアプリでは、「判定基準の統一化」「業務時間の短縮」「点検結果データベースの作成」などを実現する機能を搭載するほか、ウォーターPPP実施時を想定し、複数の関係者が同じマップ上で状況を確認し合える仕組みを導入するなど、ウォーターPPP着手後もトラブルなく活用できるアプリケーションの開発を目指すとした。
【5】株式会社Stayway
経営診断サービス及び自治体補助金DXサービス
Staywayは、「中小企業や地域のポテンシャルを開放する」というミッションを掲げ、クラウド型補助金・助成金対応支援サービス「補助金クラウド」の展開を推進している。
同社は、本プログラムで「桑名市のポテンシャルを開放する」というコンセプトを掲げ、「補助金クラウド」を軸とした共創を通じて、桑名市の補助金・助成金に関わる業務の効率化、地域経済の活性化に関する共創プランを提案した。
現状、補助金利用に関しては、「予算を持つ団体ごとに情報開示方法がバラバラ」「フォーマットが統一されていない」「申請書類の作成に時間が掛かる」といった課題があった。また、補助金支援者側でも「提案のための工数が掛かる」「問い合わせに対応できない」「補助金を活用した収益確保の具体案がない」といった課題があり、桑名市においても、桑名商工会議所に数多くの事業者からの相談が一極集中してしまう問題が発生していたという。
同社の「補助金クラウド」は、国や都道府県、市町村の補助金を網羅したデータベースをもとに、補助金利用者に対して最適な補助金のリコメンドを行うほか、公認会計士チームによる24時間のチャットサービスを提供するなど、補助金に関する様々な課題解決につながる機能を有している。
現在、同社は桑名商工会議所との実証実験を進めているほか、補助金支援者側の審査業務を効率化するサービスについても開発を進めていると発表した。
桑名市長×スタートアップ支援機関×起業家によるトークセッション――「くわな×スタートアップによる新たな価値創出と目指す未来」
5社による共創プロジェクトプランのピッチ終了後、「くわな×スタートアップによる新たな価値創出と目指す未来」と題し、オープンフィールドの実現に向けてスタートアップ機運を醸成していくためのトークセッションが実施された。
実証フィールドとなる桑名市の魅力や、スタートアップと事業共創を進める意義やメリットなどについて、桑名市長、スタートアップ支援機関、起業家が、それぞれの立場から見える世界について語り合った模様をダイジェストでご紹介する。
<トークセッション登壇者>
・桑名市長 伊藤徳宇氏
・STATION Ai株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 佐橋宏隆氏
・株式会社Subtitle 代表取締役社長 加藤厚史氏
・株式会社eiicon 執行役員/地域戦略事業本部 本部長/東海支社長 伊藤達彰氏 ※モデレーター
●テーマ1:「共創プロジェクトプラン発表から見えてきた、くわな×スタートアップによる新たな価値創出の可能性」
スタートアップ5社による共創プランの発表を受け、伊藤市長は「いきいきと課題に向き合う皆さんの姿勢に感銘を受けました。私たち行政が主体となって取り組むことはもちろん、私たちがハブとなって地元企業とスタートアップをつなぐなど、改めてしっかりとした共創支援を進めていく必要があると感じました」と述べるなど、共創に対する決意を新たにした。
名古屋市のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」の代表を務める佐橋氏は、「スタートアップ各社と市の各部門が連携して進めてきたこともあり、リアルな課題に則した実効性のある提案ばかりでした」とピッチの感想を述べた。また、「基本的に役所は前例主義や実績を重視しがちですが、桑名市は素晴らしいスピードで意思決定をされていると感じます。STATION Aiの中でも『桑名はすごい』と噂になっているので、多くのスタートアップが桑名で実証を行い、事業をスケールしていくような流れができるといいですよね」と語った。
起業家であり、桑名市のブランド推進委員も務める加藤氏は「非常に具体的なプランが多いことに驚きました。また、このようなイベントに市長が率先して参加されるだけでなく、市役所職員の皆さんも含め、ここまでスタートアップを積極的にサポートしてくれる自治体は珍しいと思います」と、桑名市のサポート体制の手厚さに言及した。
加藤氏の発言を受けた伊藤市長は、「スマートシティ推進課が、スタートアップの提案を集約する組織として機能し、役職内の各セクションをつなぐハブ的な役割を果たしたことが大きかったと考えています。スタートアップの皆さんからすれば、常に顔馴染みの担当者を通して話ができますし、スマートシティ推進課の存在が各セクション間の潤滑油にもなっています」と、桑名市独自の組織形態が生み出しているメリットについて説明した。
▲桑名市長 伊藤氏
●テーマ2:「多彩な顔を持つ桑名(=実証フィールド)の魅力・活かし方」
伊藤市長は、桑名市の多彩な特徴について紹介した。人口約14万人、市の職員は約1100名。市長曰く「誰が何をしているのかを把握しやすい規模」でありながらも、製造業が盛んなモノづくりの街であり、住環境に恵まれた名古屋市のベッドタウンとしての顔も持っている。さらには農林水産業も盛んであり、幅広い属性の人々が暮らしている。
だからこそ様々な課題が存在しており、早くから「一つひとつの課題を自治体だけで解決するには限界がある」と認識していたとのこと。そのため桑名市は、10年以上前から公民連携の窓口を設けており、これまでにも数多くの公民連携コラボレーション事業を展開してきたという。
桑名市出身者でもある佐橋氏は、伊藤市長の言葉を受け、「1次産業、2次産業、3次産業やエンタメなど、ここまで幅広い実証フィールドが整っている街はそうそうありません」と同意した。また、佐橋氏は、名古屋市からのアクセスの良さも含めた「住みやすさ・暮らしやすさ」についても、桑名市の大きな魅力になっていると述べた。
佐橋氏によると、近年は中国の政情不安などもあり、日本は海外のスタートアップから再び注目される国となっているそうだ。大都市である名古屋に近く、様々な実証フィールドに恵まれ、安心・安全に暮らせる桑名市の立ち位置は、「海外スタートアップにとっても面白い立ち位置になると思います」と期待を込めて話した。
▲STATION Ai代表 佐橋氏
●テーマ3:「くわなスタートアップ・オープンフィールドが目指すべき未来」
加藤氏は、桑名市の実証フィールドとしてのハード面や、市の意思決定や協力体制といったソフト面でのアドバンテージについて語った一方、スタートアップと地元企業の間に入って両者の関係性を取り持つ金融機関の重要性について説明した。
「私も創業時は多くの金融機関の方々にお世話になりました。この桑名においても金融機関を含めた様々な関係者の方々が、オープンフィールドを合言葉にして、互いをサポートし合えるムードが出来上がると理想的ですよね」と話すなど、さらなる文化醸成の必要性を訴えた。
▲Subtitle代表 加藤氏
佐橋氏も加藤氏の意見に賛同し、「オープンフィールドとしての桑名の魅力は十分に伝わっていると思います。ただし、金融機関や中小企業も含め、まだまだ桑名市内の様々な企業を巻き込める余地があると思います」と語った。
また、最近のスタートアップエコシステムの潮流が、従来のシリコンバレー型だけでなく、行政主導型のパリ・ロンドン型と呼ばれる座組が広がっていることを紹介し、「行政主導の素早い意思決定で課題解決を進めていくことが、新たな産業のきっかけになりつつあります。そのような意味でも、桑名市のオープンフィールドは十分な可能性を秘めているはずです」と話し、伊藤市長や桑名市関係者にエールを送った。
最後に伊藤市長は、今後もスタートアップとの取り組みを大事にしていきたいと話した上で、「スタートアップの皆さんのような挑戦マインドのある人が増えれば、日本はもっと良くなると思います。私たち桑名市も、街全体に挑戦マインドを広げることを意識して取り組みを進めていくつもりですし、そのようなマインドの醸成こそが、桑名が元気な街であり続け、都市として生き残っていくために必要なことだと感じています」と熱量を持って語り、トークセッションを締め括った。
取材後記
桑名市がスタートアップとの本格的な共創に取り組み始めたのは2023年4月以降のこと。にも関わらず、市内ではスタートアップ関連の様々なイベントやワークショップ、交流会などが活発に行われており、すでに複数の共創事例も生まれている。桑名市の意思決定は非常にスピーディーであり、「決裁に時間が掛かる」「動きが鈍い」と言われがちだった従来の自治体行政のイメージを覆すような取り組みぶりに驚く人も多いだろう。
また、今回のイベントでピッチを行ったスタートアップ5社は、選考通過時から市役所の各部門と共にプランを磨き上げてきているなど、民間主催のプログラムに引けを取らないサポート体制が整っていることも窺えた。「くわなスタートアップ・オープンフィールド」は、自治体とスタートアップの共創推進事業に関して、極めてポジティブなロールモデルとなりつつある。今後も桑名市とスタートアップが創出する様々な共創事業やイノベーションに注目していきたい。
(編集:眞田幸剛、文:佐藤直己、撮影:齊木恵太)