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【沖縄×スタートアップ】で創出される新たなサービス・プロダクトは?――沖縄の産業活性化・地域課題解決を目指す『Boost Up OKINAWA 2024』デモデイに密着

【沖縄×スタートアップ】で創出される新たなサービス・プロダクトは?――沖縄の産業活性化・地域課題解決を目指す『Boost Up OKINAWA 2024』デモデイに密着

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沖縄県の産業活性化を目指して、沖縄県内および全国の起業を志す人材やスタートアップ企業を対象に、経験豊富なメンター陣によるメンタリングや各種イベント、セミナーを通じて、ビジネス・サービスのブラッシュアップを加速化させるプログラム、『Boost Up OKINAWA 2024』。沖縄県が主催、運営をeiiconが担っている。

2024年5月に始動した同プログラムは、書類審査・面談審査で9社を採択。半年間ほどにわたり沖縄の課題解決や実証実験の連携先の探索などを行ってきた。そして去る1月17日(金)、Lagoon KOZA(沖縄市)にてデモデイが開催され、採択スタートアップ9社が登壇。教育、観光、再生可能エネルギー、陸上養殖など、多岐にわたるプロジェクトの内容が発表された。

――TOMORUBAでは現地でデモデイを取材。各社のピッチやトークセッションの模様を紹介していく。

はじめに、沖縄県 商工労働部 産業政策課 課長 金城睦也氏が開会の挨拶をした。金城氏はまず、参加スタートアップやメンターに感謝を述べ、「『Boost Up OKINAWA』は沖縄県内で活躍するスタートアップを創出するとともに、県外のスタートアップが沖縄のコミュニティの一員となることを期待して2023年度より取り組んでいる」と、プロジェクトの趣旨を説明。

そして「スタートアップの皆さんには、今後も本プログラムを通して得た県内関係者とのネットワークをもとに、沖縄の産業活性化や課題解決となるプロジェクトやサービスを創出していただきたい」と、期待を込めて話した。

▲沖縄県 商工労働部 産業政策課 課長 金城睦也氏

続いて、『Boost Up OKINAWA』でメンタリングを行った外部メンターや協力者が紹介された。

<デモデイに参加した外部メンター・協力者>

・Spiral Innovation Partners株式会社 General Partner 岡 洋 氏 

・一般社団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)スタートアップセクションマネジャー 兼村 光 氏

・エバーコネクト株式会社 代表取締役CEO 篠原 豊 氏

・パラレルキャリアエバンジェリスト 株式会社EBILAB 取締役ファウンダー CTO CSO 岡野パルプ製造株式会社 取締役 DX推進本部長 常盤木 龍治 氏

・株式会社eiicon インキュベーションクオリティ室 Quality Open Innovation Officer 下薗 徹 氏

▲オープンイノベーションや新規事業に関する豊富な知見を持つメンター陣が採択スタートアップ9社の事業作りを支えた。

【成果発表】 沖縄を舞台に採択スタートアップ9社が展開する事業とは?

●株式会社LX DESIGN

「複業先生® コミュニティとテクノロジーの力で学校教育から才能が解放される世界へ」

トップバッターとして登壇したのは、株式会社LX DESIGN の金谷氏(写真左)と佐藤氏(写真右)。同社は、さまざまな業界で活躍する外部人材と学校をつなぐ、教育特化型複業プラットフォーム「複業先生®」を運営している。

公立小学校の教師だった金谷氏は、まず教育現場の課題について説明した。教師の業務は多岐にわたり、長時間残業等が問題となっている。そうした背景から教員不足が年々深刻になる中で、テクノロジーとコミュニティで学校教育のギャップを埋めるべく、LX DESIGNを立ち上げたという。

「複業先生®」により、まずは、教員が躊躇してしまいがちな外部講師を招いた授業で社会との接続とのきっかけづくりを行い、学校の関係人口を増やしていくことができる。そして授業の事前準備などをAI・同社のカスタマーサポートが補助することで、教員の負荷を大幅に軽減するというプラットフォームだ。「現在、全国で350の学校で利用され、沖縄の学校でも取り組みが始まろうとしている。まだ市場シェアは1%。沖縄からも盛り上げていきたい」と、金谷氏は語った。

続いて佐藤氏が、沖縄での半年間の活動実績について話した。連携・授業・イベント実施が3件、学校訪問が4校、教育委員会や民間との接点も多数生まれたという。今後も、イベント開催、中学校での授業実施など取り組みを進めていく。「学校業界、教育業界への参入は難しいという中で、これから沖縄の地で皆さんと一緒に学校の関係人口をさらに増やしていきたい」と、佐藤氏は意気込みを語った。

●株式会社Simplee

「訪日観光客向けの託児ITソリューション」

2番目に登壇したのは、ITを活用した育児支援サービスを展開する株式会社Simpleeの那珂氏。インバウンド需要が高まる日本だが、日本ではまだ旅先でシッターサービスを利用することは難しい。そこで同社は、託児とその地域ならではの文化体験を組み合わせたキッズプログラムの提供に挑む。

本サービスを宿泊施設の予約オプションに組み込むことで、ファミリー層や海外からの観光客を呼び込むことができる。そしてレベニューシェアで収益を宿泊施設と分配するため、Simpleeは営業コストをほぼ費やす必要がない。そして観光客は旅先で子供を預けることに後ろめたさを感じることなく、文化体験という素晴らしい時間を子どもにプレゼントすることができる。子どもは、沖縄各地の文化や自然、歴史に触れる貴重な体験ができる。さらに沖縄にとっては、地元文化の継承や活性化、海外への魅力発信ができる。

実際に今回のプログラムの中で、ホテル業界との直接対話により宿泊施設側のリアルな声を聴くとともに、沖縄のアクティビティ会社との連携を進めるなど、キッズプログラムの具体的な構想が生まれているという。「子どもに安心と成長の機会を、親にはゆとりある旅の時間を、そして地域には新たな収益と活性化を。そして他にない文化体験を取り入れた魅力的なキッズプログラムを提供することで、シッターサービスが日本の観光体験として当たり前になっていく世界を目指したい」と、那珂氏は展望を述べた。

●Yellow Duck株式会社

「沖縄における海洋発電導入の可能性と課題」

3番目に発表を行ったのは、Yellow Duck株式会社の中山氏だ。中山氏はまず、カーボンニュートラル達成に向け世界中で再エネの導入が進められている中での課題について述べた。条件の良い土地に発電設備が乱立し、今や適している土地がどんどん減少している。その結果、海上に太陽光パネルを設置する試みが進められているが、なかなか安定した発電はできていないという。

そこで、Yellow Duckは太陽光や風を使わない、海面の上下動を利用した新しい発電技術を開発している。ただ、従来の技術ではコストがかさむ。そこで同社は置くだけで発電できる設置コストの安い発電設備の開発に取り組み、プログラム期間中に新しい海洋発電システムを開発した。

「沖縄の豊かな海をクリーンエネルギーに展開することで、世界でも類を見ない海洋エネルギー都市として、自然と共生しながらも産業と雇用を創出する循環型モデルを生み出したい」という中山氏。この発電システムを導入することで、沖縄の美しい海にどのような影響があるのか、本州から輸送コストがかかるため沖縄で設備を生産できないかなど、いくつかの課題を検証すべく、これから実証実験を行うことを目指している。実証フィールドの提供の目途も立ち、いよいよ実現目前だそうだ。

●株式会社Aster

「Power Coatingを用いた沖縄発のグローバルビジネス」

続いて、株式会社Asterの鈴木氏が発表者として登壇。同社は、世界の地震犠牲者ゼロを目指し、組積造建物(石やレンガを積み上げただけの構造)の耐震設計と補強技術の開発を行うスタートアップだ。建物に耐震性を付加できる塗料「Power Coating」を開発している。塗るだけで建物の耐震性が非常に強くなり、震度7でも倒壊しないという画期的な塗料だ。

防災の専門家として世界中を回る中で、耐震性に問題がある建物の多さを目の当たりにしてきたという鈴木氏。本デモデイが開催された1月17日は、阪神淡路大震災から30年の日でもあり、「大震災が起こってしまってからでは遅い。その前に耐震性を高めることが何よりも大切」と発する言葉にも、一層熱が込められていた。

本プログラムで沖縄の建設会社・福地組と連携し、劣化している物件の再生に取り組んでいる。不動産価格が高騰し、老朽化した建物の建て替えが難しくなる沖縄で、「Power Coating」の強みを活かした実証を行っていく。ただ、塗料として販売するだけでは、価格競争に巻き込まれてしまう。そこで、塗料・施工収入から、特許・技術者養成ビジネスモデルへの転換を図るという。「世界中から人を集め、発信していく。それは地震大国の日本だからこそできることだと思う」と、鈴木氏は語った。

●amu株式会社

「沖縄県内で漁具を循環させる再生素材『amuca®』」

5番目に、気仙沼市を拠点とするamu株式会社の遠山氏がピッチを行った。「いらないものはない世界をつくる」というビジョンを掲げ、漁具の再資源化を事業とする同社。漁業者が使う漁具は、自治体によっては産廃処理で数千万円もの金額を負担して処理せねばならず、「いらないもの」として捨てられてしまうことが多いという。さらに、日本の海岸に漂着する海洋プラスチックゴミのうち漁業関連ゴミが重量比で59.3%ほどになる。こうした課題を解決すべく、amuは漁具が流出する前に回収し再資源化を目指す。

同社は、100%漁具リサイクル素材「amuca®」という素材をペレットや繊維生地としてメーカーに提供している。化学的処理が難しいものに関しては、内装材タイル「amuca®タイル」として提供している。

遠山氏は、今回のプログラム参加目的を、「沖縄県内のプロダクト製造体制の構築と、amuca®製品の販路開拓」と説明した。その成果として、タイルは県内で回収から販売まで一貫したスキームを構築できたという。そしてマテリアルについても、県内で回収したマグロテグスを原料としたペレット製造体制が構築できた。

今後はサングラスなど沖縄らしい製品をつくることを想定している。「事業戦略もこのプログラムでブラッシュアップできている」と語る遠山氏は、「県内での製造体制強化と販路開拓を進め、沖縄県の漁具が県内で循環する仕組みを作っていきたい」と今後の展望を語った。

●株式会社NomadResort

「インバウンド観光のその先―デジタルノマドコミュニティがつくる新しい経済圏―」

6番目に登壇したのは、株式会社NomadResortの小吹氏だ。同社は、今回の採択企業9社の中で唯一の沖縄県企業だ。デジタルノマドとして世界中を旅してきた小吹氏は、「日本の面白さを世界に伝えたい。そして日本の魅力は東京だけではなく地方にこそある」と感じたという。地方は遊休資産が多く課題となっている。それを、世界中を渡り歩いた経験を活かして、もっと魅力的に発信して世界とつなげたいと考え、沖縄で創業をしたそうだ。

デジタルノマドと言われる長期滞在の国際リモートワーカーは世界中で増えている。彼らは所得も高く、かつスタートアップ誘致やオープンイノベーション創出も期待できることから、日本でも2024年4月にデジタルノマドビザが策定された。ただ、課題は受け入れ先だ。そこで、ホテル民泊運営、自治体や観光施設のプロデュース、長期滞在イベント開催などにより、デジタルノマドを呼び込む施策を展開。

実際に、名護市でのゲストハウス運営により3件のスタートアップ誘致に成功。さらに、観光庁の実証事業としてデジタルノマド向けに大自然アクティビティや文化体験などができる長期イベントを開催。30名が集まり、5件の商談が生まれたという。今後もさまざまな企画を進めていくという小吹氏は、「もっと沖縄にデジタルノマドを誘致して、聖地にしていきたい」と熱弁した。

●株式会社ストラウト

「食料生産のフロンティアを拓く陸上養殖&AI」

7番目に登壇したのは、株式会社ストラウトの平林氏。タンパク質危機が叫ばれる昨今、気候変動も相まって今までのように魚を食べられない未来が目前に迫っている。その課題解決の一手として陸上養殖に乗り出す企業も多いが、経験に裏打ちされたテクノロジーがないと参入や収益化が難しい。実際に、仕組みの複雑化、運営人材の不足、そして品質にかかわる課題などが発生し、撤退するところも出ているという。

そこでストラウトは自分たちの経験と技術に加えて、運営管理や人材不足を補うAIやIoT技術の活用による、陸上養殖場の開発・運営受託や既存養殖場のロールアップなどを行う事業開発サービスの提供をスタートした。2024年3月からアナウンスを開始し、多くの引き合いがあるという。リスクを見える化するAI・IoTの開発も進めており、これを自社が運営する養殖場で活用することで、クイックなフィードバックと改善を行う。将来的には、海上・陸上フィールドを問わない養殖AIを開発し、東南アジアや世界への展開を目指す。

平林氏は、「まずは事業開発サービスで基盤収益をつくりながらAI開発を強化し、その後、養殖DXシステム販売でビッグデータを収集・解析することで、海外の水産養殖向け金融サービスを実現し、世界の養殖生産の安定化に貢献する」と、ロードマップを示した。この研究開発を沖縄で行い、人材育成をして、沖縄からASEANへ人材を輩出する未来を描いている。「こうした一連の展開で、沖縄の地から『ネオ水産養殖業』をつくりたい」と、平林氏は力強く語った。

●buoy合同会社

「沖縄から世界へ、プラスチックゴミに価値がある世界を創り上げる」

「長崎の対馬では、8000トンもの海洋漂着プラスチックが毎年回収される」と、衝撃的な数字を冒頭で紹介したのは、buoy合同会社の林氏。膨大な海洋プラスチックゴミだが、埋め立てか焼却しか処理の方法がないという。そうした事態を解決すべく、同社は海洋プラスチックのアップサイクル事業をスタートした。分別が不要で効率も良い独自技術を開発、製造した商品をbuoyブランドとして展開している。

ここ最近は増え続ける大量のゴミをアップサイクルできるよう、大阪万博や企業とのコラボレーションを進めたり、設備を開発して地域でゴミが循環する仕組みを作ったりしている。沖縄では、海洋問題に取り組んでいる「一般社団法人しまぬわ」と共に活動を進めていくという。今後は企業のマーケティングとしてもbuoyを活用できるよう、NFCタグを導入。「商品が転売された時や不法投棄された時に情報を取得できるよう、ブロックチェーン技術で可視化していく」と、林氏は現在の取り組みについて説明をした。

世界のプラスチック量は今後も増えていくが、リサイクルされているのは10%未満。そこでbuoyはプラスチックごみを燃やして燃料にしてプロダクトを作る設備に進化させ、それぞれの地域に分散的に作れる仕組みを作ろうとしている。「各地域がゴミを資源として色んなものを作る、あるいはグリーンカーボンオフセットをつくるモデルを沖縄の離島から世界に発信していきたい」と、最後に林氏は語った。

●株式会社JOYCLE

「ごみを運ばず、燃やさず、資源化する分散型アップサイクルプラントサービス」

最後に登壇したのは、2年連続のプログラム参加となる株式会社JOYCLEの小柳氏だ。同社は小型熱分解装置「JOYCLE BOX」によりゴミを運ばず燃やさず資源化する分散型のインフラを展開している。人口減少により焼却炉が維持できず、またゴミを運搬するドライバーも不足している沖縄離島の課題に応えることができるものだ。

「JOYCLE BOX」は、IoTセンサーですべてのデータを可視化でき、完全に電動。将来的に燃えるゴミ全体をアップサイクルできるインフラを開発している。無酸素状態で、電熱でゴミをセラミック灰にできる新装置も完成し、群馬大学との連携でビッグデータ解析をはじめたという。セラミック灰資源は、エコタイル建材にアップサイクルが可能だ。

病院や工場などの他、これから進出をしていくのは海外を含めた観光地だという。小型可搬型のインフラをゴミ処理ラストワンマイルに入れていこうというというスタートアップは、グローバルに見てもユニークな存在だ。フィリピン、インドネシア、タイなど東南アジアを中心に展開していくと、小柳氏は述べた。

3月には沖縄本社登記し、沖縄で計画中のプロジェクトをいよいよ実行に移す。宮古島でもエリアの再開発に「JOYCLE BOX」を導入検討しているという。「分散型のアップサイクルで街の景観を変えるようなプロジェクトをぜひ実現していきたい」と、小柳氏は共創を呼びかけ締めくくった。

【トークセッション】 スタートアップが地方・地域に根付くために必要なこと

スタートアップの成果発表の後は、常盤木龍治氏、豊里健一郎氏によるトークセッションが行われた。ファシリテーターは篠原豊氏がつとめた。「スタートアップが地方・地域に根付くために必要なこと」と題し、地域におけるスタートアップエコシステムの現状と課題、今後の展望について沖縄に縁のある三者が議論を展開していった。

【写真左】 エバーコネクト株式会社 代表取締役CEO 篠原 豊 氏

【写真中】 フォーシーズ株式会社 代表取締役CEO 豊里健一郎 氏

【写真右】 パラレルキャリアエバンジェリスト 株式会社EBILAB 取締役ファウンダー CTO CSO 岡野パルプ製造株式会社 取締役 DX推進本部長 常盤木 龍治 氏

篠原氏が「沖縄はスタートアップエコシステムが整っているが、一方で沖縄発のスタートアップは上場していない。巣立っていくために何をすべきか」と話題を振ると、豊里氏は「マーケットの規模が沖縄県内だけではどうしても小さい。東京である必要はないが、大きなマーケットに出ていく必要がある。琉球の時代から沖縄は万国津梁、アジアとの架け橋として発展してきた。沖縄を通じてアジア、世界の大きなマーケットに出ていくことは一つの戦略だと思う」と述べた。

常盤木氏は「確かになかなか沖縄から上場するスタートアップは出ていないが、上場までカウントダウンに入っているスタートアップは複数ある。これまで沖縄がスタートアップエコシステムの中で育ててきた分母に対して、その分子の数は明らかに大きい」と、今後IPOが進んでいく未来について語った。

また、地域ファンドの必要性や、今後の沖縄でのスタートアップエコシステムの方向性について議論は展開された。最後に篠原氏が「これからスタートアップエコシステムを発展させていくために、ご自身がどういう貢献をしていきたいのか」と投げかけた。

常盤木氏は「沖縄にふらりと来ていただいた方々を“沼化”させたい。そして今年は海外比率を上げていきたい」、豊里氏は「ファンドを作り、沖縄の課題を解決するのみならず世界に貢献する架け橋になりたい」と話した。

【クロージング】 「今後もプログラムを継続発展させていきたい」(ISCO・兼村氏)

9社のピッチとトークセッションが終わり、クロージングではISCOの兼村光氏が登壇した。兼村氏は「非常にクオリティが高く、進捗スピードが素晴らしいと感じた」と、高く評価した。

▲一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO) スタートアップセクションマネジャー 兼村 光 氏

そして「トークセッションを聞いて、スタートアップエコシステムをつくっていく上で、改めて地元の産業界や経済界に我々がつないでいくことが必要だと感じた。今後もプログラムを継続的に実施し、平和な沖縄の発信ができるようにしたい」と熱意を語り閉会の挨拶とした。

――その後、ネットワーキングが行われ、参加者は様々な意見を交換しつつ、デモデイは幕を閉じた。

取材後記

トークセッションで篠原氏が「沖縄は歴史を積み重ねてスタートアップエコシステムを作ってきた。そのおかげで、行政も含めた体制が整ってきている」と話していたが、デモデイの会場の雰囲気からも、スタートアップを温かく包み支える沖縄の風土を感じることができた。

常盤木氏も語っていたように「スタートアップ界隈では資金だけ吸い上げてしまう人がいるが、沖縄にはそういう人がいない。この街を好きで、人を裏切らない」からこそ、スタートアップがまっすぐに実証に向き合える環境があるのだろう。「琉球時代から万国津梁としてアジアや世界との架け橋になってきた」と豊里氏も強調していたが、沖縄という土地には他にはない強い個性や魅力がある。今回登壇した9社のスタートアップが今後この沖縄の地でどのように発展していくのか、可能性をしっかりと感じられる1日だった。

(編集:眞田幸剛、文:佐藤瑞恵、撮影:齊木恵太)

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