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meet▶[ジィ・シィ企画]:「リアルアバター」で健康管理と働き方を改革。全くの異業界に乗り込んだジィ・シィ企画の戦略

meet▶[ジィ・シィ企画]:「リアルアバター」で健康管理と働き方を改革。全くの異業界に乗り込んだジィ・シィ企画の戦略

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https://auba.eiicon.net/projects/35715

#ヘルスケア #予防医療 #メタバース #プロダクト(製品)共同開発 #リソース提供(既存技術の提供・特許流用の検討など) #販売パートナー募集(チャネル拡大・エンゲージメント向上) #事業提携 #資金調達したい #中小企業 #大手企業 #上場企業 #3カ月以内の提携希望 #6カ月以内の提携希望

ヘルスケアアプリでは初となる「3Dアバター」を採用した「NUCADOCO」。単にアプリが健康をサポートしてくれるだけでなく、スマートデバイスなどから取得したライフログデータを反映してアバターの表情や体型が変化する。従業員の健康づくりのための行動変容を促すサービスだ。

そんな斬新なヘルスケアサービスを開発したのは、20年に渡ってキャッシュレス決済のシステムを開発してきた上場企業、株式会社ジィ・シィ企画。なぜ、急に異業界への参入を決断し、どのような事業を展開しているのだろうか。

eiiconのオリジナルピッチ企画「eiicon meet up!!」登壇企業に話を聞くインタビュー企画『meet startups!!』。――今回は、株式会社ジィ・シィ企画 パーパスブランディング室(社内新規事業) 村本 充氏にインタビューを実施し、事業立ち上げの背景や、サービスの特徴、今後の事業戦略について語っていただいた。

▲株式会社ジィ・シィ企画 パーパスブランディング室(社内新規事業) 村本 充氏

「顧客の事業を持続可能に」ヘルスケア業界に参入した背景

――まずは新規事業としてNUCADOCOを開発した経緯を企画してください。

村本氏 : 当社の代表である矢ヶ部から「本業を意識せず、社会課題を解決する新規事業を開発してほしい」と言われたのがことの発端です。様々なアイデアを検討し、行き着いたテーマが「お客さまの事業を持続可能にすること」でした。そのためには、従業員の健康づくりのサポートが必要だったのです。

加えて、私は以前から仮想空間を使った未来の働き方に興味があり、以前から新規事業として立ち上げられないか考えていました。「アバターを使ってヘルスケアサービスを作れないか」と考えた結果が、NUCADOCOのモデルとなっています。

――アバターを使って、どのようにヘルスケアに繋げようと思ったのでしょうか?

村本氏 : アバターを使って「理想の体型」や「今の生活を続けた将来の体型」を表示して、健康づくりのモチベーションを高めたいと考えました。単に健康情報を提供するより、憧れや危機感を持ったほうが健康を意識すると思ったのです。

将来的には、自分の顔や体型を忠実に再現した「リアルアバター」で、それを実現したいと思っているのですが、現在は技術的に実現できていません。その代わり、体型やBMIに併せてキャラクターアバターの体型が変化したり、睡眠時間や食事摂取量、運動量によってキャラクターの感情や表情が変化していきます。

また、食事の画像を読み込んで、自動で摂取カロリーなどを計算してくれるので、総合的に健康管理をサポートすることが可能です。また、健康的な生活を送っていたり、毎日ログインしているとボーナスポイントももらえるので、モチベーションにも繋がります。

――リアルアバターがいつ頃から使えるのか教えてください。

村本氏 : 体型は変化させられませんが、今でもリアルアバターを使うことはできます。専用のスキャナーで全身を撮影してリアルアバターを生成し、アプリ内でモーションや表情の変化を楽しめます。契約企業には年に1度スキャナーを貸し出し、リアルアバターの生成と3D身体測定を体験頂けます。経営者や役職のある方の中から「メタバース空間内ではキャラクターアバターでは威厳がない」という意見も多くもらっており、リアルアバターは重宝してもらっています。

健康だけでなく、働き方にも変革を

――3Dアバターを利用している他に、サービスの特徴があれば教えてください。

村本氏 : 他のヘルスケアサービスに比べて、リーズナブルに利用できるのも大きなメリットだと思います。法人向けの健康管理サービスの相場は500~1,000円/人が相場ですが、NUCADOCOは300円/人でご利用いただけます。

加えて、今後は健康管理だけではなく働き方もサポートしていく予定です。サービスリリース時から、様々なメタバースとの連携を進めており、2023年2月にはGREEの子会社のREALITYさんとのPoCも開始しました。私たちが作成したリアルアバターをそのまま仮想オフィスで動かすことができ、まるでオフィスにいるかのように働くことができます。

――メタバースを利用することで、どのように働き方が変わるのでしょうか。

村本氏 : メタバースに常時接続することで、リモートワークでも気軽に雑談できるようになります。テレワークが急激に普及したことで、多くの企業が「雑談が減った」などコミュニケーション課題を感じていましたが、その解決策となるはずです。

ビデオ会議ツールに常時接続していると、監視されているような気持ちでストレスになりますが、メタバースならストレスなく接続でき、アバターを近づけるだけで会話ができます。まるで本物のオフィスにいるかのようなコミュニケーションができるため、生産性も高められるでしょう。

――他にも提携しているサービスがあれば教えてください。

村本氏 : メタバース以外にも、鍼灸師の鳥海先生とも共同開発を進めています。鳥海先生はもともと慶応大学で3Dスキャナーを使って身体のコリを把握する研究をしており、「コリマップ」という技術を開発していました。

東洋医学的にコリは血流を阻害し自然治癒力を低下させると言われており、私たちのボディスキャナーを使って、コリを早期に発見、解消することで未病改善となり、社会課題である医療費問題解決にも貢献できます。

最近は出社しながらも、肩こりや腰痛が原因でパフォーマンスが下がる「プレゼンティーズム」が問題になっていますが、その損害は年間で数百万円にも及ぶと言われています。

私たちのサービスと併せて、従業員に鍼灸治療を受けさせれば、それだけ従業員のパフォーマンスも上がり、より生産性を高められるでしょう。

▲2023年5月に開催されたピッチイベント「eiicon meet up!!vol.7」に登壇した村本氏。

「健康」「メタバース」「人事向け」これからのオープンイノベーション戦略

――積極的にオープンイノベーションを進めていますが、今後はどのような企業との提携を考えているのか教えてください。

村本氏 : 3つの軸を考えています。一つ目は健康系のサービスを提供している企業。先程紹介した鳥海先生のように、私たちのサービスと組み合わせることで、より効果を発揮できるような健康サービスを提供している会社と組みたいと思っています。

2つ目はメタバースに関する技術を持っている会社。たとえば私たちはリアルアバターを作れますが、体型を変化させる技術は持ち合わせていません。体型を変えることは簡単なのですが「ウエストを-10cmした時に、足の太さをどれくらい減らせばいいのか」という細かい調整ができないのです。そのため、よりメタバース空間をリッチにする技術を持っている企業を探しています。

そして最後に人事総務向けにサービスを展開している会社。私たちのサービスも、人事総務に使ってもらうことを想定しているため、一緒にサービスを提案できる会社を探しています。たとえば福利厚生サービスなど、人事総務向けに営業している会社とぜひ提携できればと思っています。

――最後に今後のビジョンをお願いします。

村本氏 : よく「日本の生産性は先進国最下位」というニュースを目にしますが、私はその話を聞く度に本当に悔しくて。今はAIやロボティクスを使って生産性をあげようとする動きが活発ですが、どんなに優れたツールがあっても、それを使う人間が100%のパフォーマンスを出せていなければ意味がありません。

私たちは単に従業員の健康管理をするだけでなく、パフォーマンスを100%発揮できるようなサービスを目指しているつもりです。同じビジョンを目指している企業さまと、ぜひ実現に向けて走っていきたいと思います。

(取材・文:鈴木光平)

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