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meet ▶[ユニロボット]:人とモノがコミュニケーションする時代を作る

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https://auba.eiicon.net/projects/1158 

#AI #働き方改革 #ソフトウェア・システム開発

これまでのロボットは工場などで活躍する産業用ロボットがメインだったが、ここ数年で私たちに癒やしを与えてくれるコミュニケーションロボットが注目を集めている。ユニロボット株式会社が開発した、個性を学習するパートナーロボット「unibo(ユニボ)」もその一つだ。

ユニボは人の感情を読み取り、自然な会話をすることが可能。今ではさまざまな業界で人に代わってユニボが仕事をこなしている。また、「人の代わり」になるだけでなく、なかにはロボットならではの効果を生んでいるケースもあり、ロボットの新たな可能性を導き出している。

「eiicon meetup」登壇企業に話を聞くインタビュー企画『meet startups!!』。今回は、ユニロボット株式会社 代表取締役の酒井拓氏にインタビューを実施。創業の経緯や事業の進捗、今後のビジョンを聞いた。


▲ユニロボット株式会社 代表取締役 酒井拓氏

コミュニケーションロボットが、スマホの次のイノベーションに

――まずは、ユニロボットを起業したきっかけについてお聞かせください。

酒井氏:起業のきっかけは、テクノロジーを使って本気で社会貢献をしたいと思ったからです。起業前は長らく週末を中心にボランティア活動やNPO支援などの社会貢献活動をしておりましたが、それだけではちゃんとしたパフォーマンスを出せないと気づき、仕事として覚悟を決めて、社会に貢献していけるようになりたいと考えていました。

しかし、私の前職の仕事は総合商社での社内IT企画の部署。社内、グループ会社が対象でしたので、直接的にコンシューマーに貢献している感覚が得られなかったため、15年働いた会社を辞めて、自分と親族で事業を起こすことにしました。

――なぜロボットを起業テーマにしたのでしょうか。

酒井氏:コミュニケーションロボットがスマホの次にくる大きなイノベーションになるキーデバイスになるだろうと思ったからです。スマホが普及したことで、私たちの生活は大きく変わりましたが、誰もがスマホを使いこなせているわけではありません。高齢者を中心に、入力が苦手でスマホを使い切れていない方も多く存在します。

そのような方たちに優しいUXはなにか。その答えが「話す」ことであり、コミュニケーションロボットなら、どんな人にもテクノロジーの恩恵を届けられると思ったのです。


▲ユニロボットが製造から販売までを手掛けるコミュニケーションロボット「unibo(ユニボ)」。人と表情豊かに会話したり、情報量の多い静止画や動画を顔に表示しながらコミュニケーションを図ることができる。

基本性能の向上が、今後の事業成長のカギ

――現在の事業フェーズについて教えてください。

酒井氏:現在はサービスが形になって、販売を促進しているフェーズです。はじめて販売を開始した2017年頃、様々な業界業種の方の声をきいていると、あれもこれも対応可能な「なんでもできるロボット」になりそうで、確かに様々な基本機能を順次搭載していったのですが、それだけでは事業にならなくて。その反省から業界に特化したサービスをパートナー企業と連携して作り始め、数年かけて徐々に形にしていきました。

その一つの例が「ユニボ先生」というサービス。学校の先生に代わり、あるいは補助役として、ユニボが子どもたちに勉強を教えているのです。算数は小学校1年生から6年生までのカリキュラムを網羅する等、かなりのコンテンツ量が搭載されています。今は教育の需要に対して先生の数が足りていません。特に地方では顕著です。その課題を解決できると思い、パートナー企業と開発しましたが、予想以上に子どもたちの反応がよく、先生に萎縮してしまう子どもたちもユニボなら楽しそうに学習しています。

他でも利用が広がっている事例として、トラックを中心に、運転手の点呼業務にもユニボが活用されています。乗車前、乗車後に点呼を取ることは法令業務で定められており、その点呼業務は現在運行管理者が対応していますが、運行管理者の補助役として、ユニボが点呼を行うサービスを、パートナー企業と開発しました。

――今後はどのように事業を展開していくのでしょうか。

酒井氏:これまでのように様々な業界に特化したサービスを作っていくのと同時に、ロボット自体の性能向上に注力していくつもりです。例えば、潜在的な需要が高いとされているヘルスケアの領域です。特にお年寄りの方と、ロボットとが、飽きずにコミュニケーションが取れるよう、総合的に会話力の向上を目指していきたいと思います。

今後は、在宅医療含め、高齢者を対象としたコミュニケーションサービスがますます重要になってくると思っています。そのためにも、音声認識や画像認識能力の向上にとどまらず、様々な外部システムやIoTデバイスとの連携の容易さ、個別カスタマイズの柔軟性が、重要なファクターになってくると思いますので、すべての面で向上していけるよう、努めていきたいと思います。

ロボットだけでなく、クラウドでも技術を提供可能

――今後、どのような企業との共創を考えているのか教えてください。

酒井氏:「コミュニケーションをDXしたい」と考えている企業です。私たちはロボットだけでなく、そのコミュニケーションテクノロジーをクラウドで提供している(=「unirobot cloud」)ため、ロボットの導入にハードルがある会社にもサービスを提供できます。

例えば最近では「AI電話サービス」を提供しており、AIがオペレーターの代わりに電話を受けることも可能です。事例として、飲食店向けに導入が幅広く進んでいますが、予約電話等の受電のために人材を配置する必要がなくなるので、より重要な仕事に集中できるようになるでしょう。

さらに、インバウンドの電話だけでなくアウトバウンドの電話についてもAIに任せることもできます。例えば、火災保険の更新案内をAIが架電するサービスもリリースしましたが、単なるコストカットだけでなく、応用利用することで、売上をアップセルしていきたい企業にも価値を提供できると思います。AIから電話がかかってきた、というようような利用シーンが徐々に増えてくると予想しています。

――電話以外でも活用されるシーンはあるのでしょうか。

酒井氏:AI電話以外での音声対話ソリューションの利用シーンは様々です。例えばAIが産業医の代わりに、カウンセリングをする実証もパートナー企業と行っていきます。悩みを抱えている方の中には、産業医の方に話すのも抵抗を持っている方もいるのですが、そのような方もAIになら気軽に話せる統計データも出ています。その他、Siriのような音声アシスタント機能の開発が可能ですので、業界業種問わず、協業先を募って、サービス開発していきたいと考えています。

――最後にこれからのビジョンを教えてください。

酒井氏:「モノと会話するのが当たり前の時代」を作っていきたいと思っています。人とするような温かみのある会話をものともすることで、モノに対しても愛着を持てるようになるはずです。スマートホーム、スマートシティ構想など、今後ますますICT化が進んでいく中で、モノに対しての見方や使われ方も進化していくと予想しています。弊社のサービスが、そうした変化に富んだ時代の中でもしっかり利用していただけるよう、コミュニケーションサービスをどんどん進化させていきたいと思います。


▲6月23日に開催されたピッチイベント「eiicon meetup!!vol.3」に登壇した酒井氏。

(取材・文:鈴木光平)

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コメント10件

  • 岩井恵梨

    岩井恵梨

    • 日本特殊陶業株式会社 
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    以前からお取組み拝見しており、非常に興味深いと感じております。
    モノに対しての概念が変わりそうですね、
    応援しています!
  • 田上 知美

    田上 知美

    • 株式会社eiicon
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  • 根崎優樹

    根崎優樹

    • 株式会社nuage
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  • 眞田 幸剛

    眞田 幸剛

    • eiicon company
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