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meet▶[スルミ] 性別を問わず、誰もが活躍できる社会を

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https://auba.eiicon.net/projects/31707 

#ヘルスケア #AI #課題解決No.5「ジェンダー平等を実現しよう」

他の先進国に比べて、女性の社会進出が遅れている日本。働く女性は多いものの、管理職や重要なポジションを任される女性の比率は先進国の中で最下位だ。今でも出産を機にキャリア形成を諦めざるを得ないケースもあり、ジェンダーギャップに大きな課題を残している。

そのような課題を解消し、誰もが平等に働ける環境を目指しているのが株式会社スルミだ。同社は、女性向けヘルスケアアプリ「Hers care」を開発している。代表の石塚氏は大学4年生の時に起業し、現在は大学院で知的財産を専攻。ボードメンバーや顧問には、様々な領域のエキスパートが名を連ねる。

日本スタートアップ協会のビジネスコンテストで準グランプリを受賞、2021年にDELL×EY女性起業家専門アクセラレータプログラム採択、経済産業省協力 One Young World Summit 2022(通称 ヤングダボス会議)の日本代表に選出されるなど、ローンチ前から注目の存在だ。

「eiicon meetup」登壇企業に話を聞くインタビュー企画『meet startups!!』。今回は、株式会社スルミの代表、石塚つばさ氏にインタビューを実施し、創業の経緯や事業の進捗、今後のビジョンを聞いた。


▲株式会社スルミ 代表取締役CEO 石塚つばさ氏

就活時に感じたジェンダーギャップが起業の原点に

――石塚さんは大学在学中に起業していますが、その背景を聞かせてください。

石塚氏:私は祖父が経営者で、その背中を見て育った経験から、いつか自分で事業を興したいと考えていました。起業のきっかけになったのは、大学時代に参加したミスワールド、ミスユニバースなどの世界的ミスコン。プログラムの中では美しさを磨くだけでなく、オピニオンリーダーとしてのあり方も勉強し、そこで「日本のジェンダー意識は遅れているな」と感じたのです。

実際に就活をしてみても、男性が経歴を見られるのに対し、女性は容姿や性格が重視される傾向にある。特に、内定先の女性から「生理は軽いほうですか?」と聞かれたのはショックでした。

女性は仕事と関係のないところで評価されることが多く、まだまだ女性が活躍できる環境が整っていないと感じました。そのような環境を変えたいと思ったのが、起業のきっかけです。

――現在のサービス内容を教えてください。

石塚氏:企業に対して、福利厚生として女性が日々の悩みを相談できるチャットボットサービスを今年12月にリリース予定です。「PMSが重い」とか「上司に怒られた」など、軽い悩みでも気軽に相談してもらうことで、ストレスを緩和することができます。また、個人の悩みに合わせた解決策をレコメンドし提案するチャットボットです。

また、日記をつけてもらい、日々の感情を記録できたり、表情を解析してメンタルの情報を読み解く機能もあり、それらの情報も組み合わせて適切な処置が可能です。サービスに組み込まれているAIには認知行動療法のノウハウが詰まっており、悩みを打ち明けてもらうことで、女性が働きやすい環境を整えられるようになっています。


▲現在提供しているサービス「surumi care」(スルミケア)(仮名称)。

――どのような企業がサービスの導入を検討しているのでしょうか?

石塚氏:女性活躍を推進している企業や女性の比率が高い割に男性管理職が多い企業が中心です。特に「なでしこ銘柄」などを取得していて、女性活用に積極的な企業様はシナジーを感じます。

女性は感情に左右されることが多く、仕事で落ち込んでいるのを放置していると、そのまま体調を崩して長期休暇になる可能性も低くありません。女性社員のメンタルをケアして、働きやすい環境を整えたいと思っている企業が私たちのサービスを検討してくれています。

――最近はメンタルヘルスケアサービスが増えていますが、他社との差別化ポイントがあれば教えてください。

石塚氏:一つ目は、私自身がユーザーと同じ働く女性であり、z世代ということもあり、流行やニーズに敏感です。同年代の働く女性がどのような悩みを抱えているのか、私自身が共感できるので、いち早くユーザーに寄り添った機能を追加できると思っています。

二つ目は、女性に特化したサービスであり、相談を受けるのも女性であることです。確かに今はメンタルヘルスが注目され、チャットボットサービスも増えていますが、働く女性に特化したサービスはまだ多くありません。悩みごとはあっても、男性に打ち明けづらいという方もいるので、女性の専門家に相談できることは強みになると思います。

2030年に向け女性が働きやすい社会づくりを目指す

――今後はどのようなサービスを展開していくのか、展望を聞かせてください。

石塚氏:現在、チャットボットと同時に開発を進めているのが、女性の声を拾えるサーベイサービスです。多くの企業で女性の働き方に課題を感じているものの、その声を企業が拾うことができずに、対策が遅れているケースは少なくありません。その間にも女性がメンタルを崩し、退職してしまうことがあるのです。

私たちのサーベイサービスを使えば、女性社員がどんなことに悩んでいるのか、会社に何を望んでいるのかいち早く察知して対策を打つことができます。例えば外資系企業では、女性の声を反映して社内に託児所を作ったケースもあり、そのような文化を日本でも作りたいと思っています。

――将来はどんなビジョンを描いていますか?

石塚氏:2030年までに、女性が心身ともに健康で働きやすい社会を作りたいです。また、現在は女性向けのサービスに特化していますが、ジェンダーギャップを埋めるには男性のメンタルヘルスケアも必要です。実はハラスメントでメンタルを崩すのは男性のほうが多くて。性別に関係なく、誰もが働きやすい環境づくりに貢献できればと思っています。


▲4月27日に開催されたピッチイベント「eiicon meetup!!vol.2」に登壇した石塚氏。

メンタルヘルスのデータを活用できるパートナーを募集中

――現在は様々な企業との共創を進めているようですが、どのような取り組みをしているのか教えてください。

石塚氏:例えば、女性向けの商品を開発しているD2Cメーカーさんと共創に取り組んでいます。コスメや下着、寝具など商材は様々ですが、お互いのお客様を送客できるので相性がよいと思っています。また、私たちは女性のメンタルヘルスのデータを持っているので、それらを使って商品開発に活かしたいという企業も少なくありません。

他にも、一見競合に見られる福利厚生サービスの会社も共創パートナーです。福利厚生サービスの会社の中には女性向けの福利厚生をもっと充実させたい企業もあって、私たちのサービスを既存の福利厚生の一つとして取り入れてもらっています。

それ以外にも複数の百貨店様とは、女性の向けに特化した売り場の構築にもご協力させていただいております。そのようなケースは増やしていきたいですね。

――今後はどんな企業と共創していきたいですか?

石塚氏:私たちが保有しているパーソナルデータをより活用していきたいので、データ活用を検討されていらっしゃる企業様と組めると嬉しいです。

(取材・文:鈴木光平)

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