Essen×豊田市が車載赤外線センサーによる漏水判定の実証を開始 モビリティ×AIで水道インフラの「見えないリスク」を可視化
モビリティを活用した社会インフラ維持管理ソリューションおよび広告プラットフォーム「WithDrive」を展開する株式会社Essenは、豊田市つながる社会実証推進協議会の取り組みの一環として、豊田市上下水道局と協定を締結し、車載用赤外線センサーとAIを活用した水道管の漏水等を判定する実証実験を2026年2月3日より開始した。モビリティネットワークを“移動するセンサー”として活用し、老朽化が進むインフラ維持管理のDXを目指す。
老朽化インフラと人材不足が突きつける課題
全国で高度経済成長期に整備された水道管路の老朽化が進行する一方、更新コストの増大や熟練技術者の不足が深刻化している。広域に張り巡らされたインフラを効率的に維持するためには、従来の全数調査に代わり、リスク箇所を早期かつ的確に抽出する「スクリーニング(広域調査)」技術の導入が不可欠となっている。
実証実験の概要 通常走行で路面温度をセンシング
本実証では、Essenの車両に高精度赤外線センサーを搭載し、通常の走行速度で路面温度データを取得。地下の水道管からの漏水に起因する微細な温度変化をAIが解析し、漏水等の可能性を判定する。交通を妨げず、日常的な移動の中でデータ取得が可能な点が特徴だ。
モビリティ×データがもたらす「解像度の革命」
Essenはこれまで「WithDrive」を通じて、車両の移動データと人流データを掛け合わせ、広告価値の可視化を行ってきた。今回の実証では、その基盤をインフラ保全領域へと展開。モビリティを単なる移動手段ではなく、都市を常時観測するデータ基盤として再定義する。
豊田市は上下水道配管データの提供や、AI判定結果に基づく現地調査による検証、実証全体の進捗管理を担う。Essenは、車両・赤外線センサーの調達、データ取得とAI解析、判定精度の高度化を担当する。両者の連携により、実運用を見据えた精度検証が進められる。
「見えないリスク」を可視化する新たなスタンダードへ
株式会社Essenの代表取締役 橘健吾氏は、「天文学の研究で培ったデータ解析技術を、身近で切実なインフラ課題に応用できることを嬉しく思う。豊田市との実証を通じて『見えないリスク』を可視化し、安全で持続可能な都市づくりに貢献するインフラ管理の新たなスタンダードを構築していきたい」とコメントする。
モビリティネットワークを起点とした本取り組みは、自治体インフラ維持管理のあり方を変える可能性を秘めており、今後の展開に注目が集まる。
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(TOMORUBA編集部)