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ウェルビーイングを軸とした成長戦略”6つの柱”を掲げる富山県。新産業・イノベーション創出を実現するアクションプランとは?

ウェルビーイングを軸とした成長戦略”6つの柱”を掲げる富山県。新産業・イノベーション創出を実現するアクションプランとは?

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オープンイノベーションを実践する地域の取り組みを紹介する企画「CLOSEUP OI」。今回は、富山県をピックアップします。

3,000m級の山々が連なる立山連峰から水深1,000mを越える富山湾に至るまで、高低差4,000mのダイナミックで変化に富んだ地形を有しており、美しく豊かな自然環境に恵まれ、水資源も豊富な富山県。評価の高いコシヒカリなど”米どころ”としても知られているほか、”くすりの富山”と呼ばれるように医薬品産業の歴史も長い地域です。

さらに、富山県は”幸福県”とも言われており、『全47都道府県幸福度ランキング 2020年版』(日本総合研究所)では全国で2位となっています。

では実際に同県では、どのような成長戦略を描き、新産業の創出やオープンイノベーションなどに取り組んでいるのでしょうか?ポイントになるのは、2021年に設置された「富山県成長戦略会議」にあるようです。

富山の成長戦略「6つの柱」

富山県が抱える大きな課題の一つは、人口減少・少子高齢化。特に、若い女性の県外流出は解決しなければならない重要な課題と据えられています。

そこで、富山県のさらなる発展に向けたビジョンや戦略を策定するため、2021年2月に「富山県成長戦略会議」を設置。会議の委員には県内または県ゆかりの実業家や専門家が就任。ベンチャー創業支援やDX(デジタルトランスフォーメーション)による新たな産業戦略、観光や移住促進を見据えたブランディング戦略など、幅広い分野について突き抜けた議論が行われました。

人口減少・少子高齢化といった課題を払拭し、富山の経済を牽引する新しい産業を生み出していくためには、多様な人材を集めることが必要。――そこで、富山県ではウェルビーイングを中心とした成長戦略を打ち出しました。具体的なアクションプランも公開されていますが、成長戦略には大きな柱が6つあります。


なお、2022年3月には富山県成長戦略カンファレンスが開催されており、富山県の新田知事をはじめ、各戦略のキーパーソンが登壇し、トークセッションが行われています。

<富山県成長戦略カンファレンス「成長戦略セッション」>


産官学オープンイノベーションを推進

成長戦略”6つの柱”における「新産業戦略」の一つとなるのが、オープンイノベーション推進事業です。富山県では、令和2年度から「産学官オープンイノベーション推進事業」を実施。バイオ、深層水、環境・エネルギー、ものづくり、航空機、次世代自動車、医薬工連携、ナノテクノロジー、ロボットという9分野に該当し、事業の目的に沿った研究開発提案の募集を開始しました。

さらに、令和3年度は「ポストコロナ産学官オープンイノベーション推進事業」と題し、新型コロナウイルスの感染拡大の防止やポストコロナに向けた地域経済の好循環の実現のための成長産業分野での技術開発や新製品開発等を募集。以下の提案が採択されています。

<令和3年度 ポストコロナ産学官オープンイノベーション推進事業 採択結果>

【新商品・新事業創出枠】

・自動車製造向けアルミ合金用レーザ・テーラードブランク溶接装置の実用化に向けた研究/株式会社小矢部精機(小矢部市)

・次世代施設園芸における微生物叢の解析と病原微生物の検出に関する研究開発/株式会社ニッポンジーン(富山市)

・イオン液体を用いた小水力発電一体型水電解システムの開発に関する研究/株式会社北陸精機(魚津市)

・接合はんだ用の結晶粒顕微化効果を有する補強用セルロースファイバーの開発/中越パルプ工業株式会社(高岡市)

【新ものづくり戦略推進枠】

・気体熱伝導式水素センサにおける精度の向上に関する研究/北陸電気工業株式会社(富山市)

また、令和4年度 産学官オープンイノベーション推進事業の募集も開始されており(募集期間は4/18~5/18)、前年度と同様に「新商品・新事業創出枠」「新ものづくり戦略推進枠」という2つの枠で提案を募っています。

「とやまスタートアッププログラム」など、スタートアップ支援にも注力

成長戦略”6つの柱”における「スタートアップ支援戦略」についても見ていきたいと思います。新産業の創造においてカギとなる、スタートアップ。そこで富山県では今年度、とやまスタートアップ「T-Startup」創出事業に注力していくようです。一方、富山県へ移住し、起業を希望する方を支援するため、令和元年度から都内での起業家育成プログラム=「とやまスタートアッププログラム」を実施。

2022年2月には、3期目となるDEMO DAYが開催され、日本酒販売促進事業やソーシャルカフェ事業、水難みまもりサブスクリプションサービスといった事業を手がけるファイナリストが登壇。多様なビジネスが生まれています。

編集後記

富山県成長戦略会議によって議論され、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」という明確な成長戦略ビジョンを打ち出した富山県。具体的なアクションプランも提示されており、新産業やイノベーションの創出、スタートアップエコシステム構築も加速していきそうです。富山県発のスタートアップとして注目されているIT農業事業を手がける笑農和(えのわ)のように、新たなプレイヤーが現れるのか。注目していきたいと思います。

(TOMORUBA編集部)

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CLOSEUP OI ー地方のオープンイノベーション動向ー

全国の自治体が官民で取り組んでいるオープンイノベーションに迫るシリーズ企画。