チャレナジー×アストモスエネルギー | 事業連携を開始、海上輸送のCO2削減など再生化エネルギー事業を推進
台風もエネルギーに変える「垂直軸型マグナス式風力発電機(以下 マグナス風車)」を開発する株式会社チャレナジーは、アストモスエネルギー株式会社と資本業務提携を締結したことを発表した。これにより、チャレナジーは、世界最大規模のLPG専業会社であるアストモスエネルギー社との事業連携を強化していく。両社は戦略パートナーとして国内の再生可能エネルギー事業を推進することで、環境負荷の少ない事業形態を模索していく考えだ。
主な連携内容
(1)海上輸送のCO2削減を目的としたマグナス風車の活用
外航船で利用される電気エネルギーの多くは、船内のディーゼル発電機により発電されている。「強風」「全方向の風に対応」「密な間隔で設置可能」というマグナス風車の特徴を活かし、船上での発電を可能にすれば、海上輸送のCO2削減が見込める。
(2)家庭業務用風力発電システムなどの販売強化
アストモスエネルギー社が有する国内ネットワークを活かし、マグナス風車の販売を促進する。災害時の非常用電源としての普及や、自治体との共創・脱炭素技術組合せによる地方創生エコシティーなどを視野に展開する。
(3)海外パートナーと連携した島嶼部への展開
マグナス風車は、乱流や台風のような強風下でも発電を継続できる。また、メンテナンスが容易であり、バードストライクが発生しづらく、騒音も少ない特徴を持っている。これらの特徴を活かし、アストモスエネルギー社の海外パートナー企業協業による島嶼部への更なる展開も検討していく。
アストモスエネルギー株式会社 常務取締役 国際事業本部長 荒木徹 氏 コメント
『弊社は環境に優しいLPG専業会社として社会の脱炭素化に向けた様々な取り組みを行っております。株式会社チャレナジー様との協業を通して同社の画期的な風力発電システムを国内外に発信させて頂き、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えております。』
垂直軸型マグナス式風力発電機について
垂直軸型マグナス式風力発電機は、マグナス力と垂直軸を組み合わせた、プロペラのない次世代型風力発電機だ。プロペラによる揚力ではなく、円筒の回転で発生するマグナス力を利用することで、制御できる風速域が広いのが特徴。
【特徴1】「マグナス力」の利用により発電できる風速域が広く、強風や台風時においても発電可能
回転する円筒翼を用いて、気流中で円筒翼を自転させたときに生じる「マグナス力」を利用して発電する。マグナス力の大きさは、円筒翼の自転数によりリアルタイムに調整できるため、風速に応じて円筒翼の自転数を制御することで風車全体の回転数を制御し、強風による暴走を起こりにくくする。そのため従来のプロペラ風車の多くが最大風速25m/秒で発電停止するのに対し、マグナス風車は最大風速(10 分平均)40m/秒、風車が耐え得る最大風速は70m/秒(3秒平均)に設計されており、プロペラ風車では対応できない環境下で稼働できる。
【特徴2】垂直軸型により風向に依存せず発電可能
垂直軸型により風向に依存せず発電できるので、プロペラ風車のように風向きに合わせる必要がなく、激しく風向が変化しても一定の稼働率を維持できる。風速や風向が頻繁に変化する環境においても設備利用率を30%以上まで高めることが可能だ。
アストモスエネルギー株式会社について
アストモスエネルギーはLPG元売りであり、約600万トン/年のLPG取扱量(国内輸入、国際トレーディングの合計)は世界の海上貿易量の約6%を占め、これはLPG専業会社としては世界最大規模となる。昨年8月には日本で初となるカーボンニュートラルLPGを輸入、さらにLPG燃料船を船団に取り入れており、CO2削減に取り組んでいる。
株式会社チャレナジーについて
福島の原発事故をきっかけに日本のエネルギー問題に着目し、世界的にも気象環境の厳しい日本において風力発電を普及させるべく、風向風速の変化に強い垂直軸型マグナス式風力発電機の開発を行っている。
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