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震災復興のその先をテクノロジーで切り拓く「福島イノベーション・コースト構想」とは

震災復興のその先をテクノロジーで切り拓く「福島イノベーション・コースト構想」とは

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福島県というと「震災からの復興」というテーマが私たちのイメージに根強くありますが、今や福島県はその先を見据えたドラスティックな成長産業の創出に取り組んでいます。

特に、津波による深刻な被害を受けた県東部の浜通り地域は劇的な変化を遂げようとしています。浜通り地域をイノベーションの発信地へと成長させるプロジェクト「福島イノベーション・コースト構想」は、連携をベースにロボット・モビリティ分野へ注力しています。

地方のオープンイノベーション事情を深堀りする企画「CLOSEUP OI」。今回は、共創によって福島県の浜通り地域がどのように変貌しているのか、プロジェクトの内容を解説します。

産業計画は「連携」を基本にした重点施策の“5つの柱”で構成

2017年に作成された「福島県商工業振興基本計画」で、震災を受けて大幅に見直しをした産業計画の概要が示されています。その中では、「連携」と「挑戦」を基本姿勢として、新たな時代を担う産業の創出が目標と定められています。

目標達成のための重点施策「5つの柱」は以下の通りです。

 1.東日本大震災及び原子力災害からの復興

 2.ふくしまの将来を支える成長産業の創出

 3.ふくしまの地域資源を生かした産業の振興

 4.ふくしまに活力を与える多様な交流の促進

 5.産業を支える「人と地域の輝き」づくり

注目したいのは2つ目の柱である「成長産業の創出」です。具体的な戦略のひとつとして、ロボット関連産業の育成・集積を目指し、「イノベーション・コースト構想に基づくロボットテストフィールド等の整備」をすることが明記されているのです。

復興、そして新産業創出を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の“重点6分野”

福島イノベーション・コースト構想とは、「東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するため、当該地域の新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクト」とホームページで説明されています。

中でも重点6分野として指定されている「廃炉」「ロボット・ドローン」「エネルギー・環境・リサイクル」「農林水産業」「医療関連」「航空宇宙」においては、プロジェクトを具体化すべく注力しています。


▲「福島イノベーション・コースト構想」Webサイトより抜粋

重点6分野の産業創出を加速する「Fukushima Tech Createアクセラレーションプログラム」

前述した重点6分野を具体的に事業化していくための手段として、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構を運営母体としたアクセラレータプログラム「Fukushima Tech Createアクセラレーションプログラム」を開催しています。

同プログラムは重点6分野でビジネス展開を志向するアーリーステージの事業者を対象にしているもので、早期の創業、事業安定化、シーズ等の実用化、事業化等を支援します。2020年度版の成果報告会は今年1月に行われ、10の事業者が採択されました。


<採択事業者と事業内容一覧>

■BionicM株式会社……下肢切断者のモビリティを向上させるパワード義足の開発

tonari株式会社……複数拠点をつなぐ、開きっぱなしのどこでもドア(仮想的空間接続装置)の開発

■株式会社エアロジーラボ……長時間飛行が可能なハイブリッドドローンの福島イノベ地域における活用

■株式会社カナLABO……ロボット・ドローンのボルトレス化による燃費向上の実現(異種材料の接着技術)

■サステイナブルエネルギー開発株式会社……自律分散型エネルギーシステム(ISOPシステム)を活用した福島の里山再生事業

■株式会社シンテック……Qualityの高い体内固定ケーブルシステムの事業化

■株式会社チャレナジー……積雪に強い次世代型風力発電機「マグナス風車」の開発プロジェクト

■株式会社テラ・ラボ……長距離無人航空機をはじめとするドローンを活用したクラウドGIS情報支援プラットフォーム運用の社会実験

■ボールウェーブ株式会社……ボールSAWセンサを用いたガス計測ソリューション

■豊かな福島をつくる豊福ファーム株式会社……ドローン連動型除草ロボットの開発

参考ページ:福島イノベーション創出プログラム 

福島県3自治体と8企業による「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」

福島県はアクセラを活用してベンチャーとの共創を実現し浜通り地域を活性化していますが、浜通り地域の市町村は大手企業との効果的な共創を実現しています。

福島県の浜通り地域にある浪江町、双葉町、南相馬市の3自治体と、日産自動車グループ3社(日産自動車、福島日産自動車、日産プリンス福島販売)、フォーアールエナジー、イオン東北、日本郵便、長大、ゼンリンの民間企業8社、計11者は、今年2月に「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」を締結しました。

この協定は、参画する11者が新たな移動手段となるモビリティサービスの構築、再生可能エネルギーの利活用による低炭素化の取り組みと合わせ、コミュニティの活性化と強靭化の領域においても協業し、持続可能な“まちづくり”の実現を目指すというものです。

協定の概要には、①新たな移動手段となるモビリティサービス/②再生可能エネルギーの利活用、低炭素化に向けた取り組み③コミュニティ活性化④強靭化、の4項目が盛り込まれており、各者は震災から復興した地域における、新しいモビリティを活用したまちづくりの実現を共に推進していくとのことです。

関連記事:福島県の3自治体と全国の8企業、「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」を締結

【編集後記】世界からの注目をチャンスに変える逆転の発想

福島県は今日において全国的、そして世界的にも「復興」というキーワードで注目されています。東京オリンピックも当初は「復興五輪」と称され、震災から立ち直った姿を世界に知らしめる機会として捉えられていました。

復興とは「一度衰えたものが再び盛り上がること」という意味がありますが、その観点から考えると、福島イノベーション・コースト構想をはじめとした新産業創出の動きは復興を超えて更なる高みを目指しているプロジェクトです。

現在の福島県はベンチャーや大企業との共創を効果的に推進しています。元通りを通りこして、圧倒的な成長を遂げた福島県を世界が目撃するまで、そう長くはかからないかもしれません。

TOMORUBA編集部

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CLOSEUP OI ー地方のオープンイノベーション動向ー

全国の自治体が官民で取り組んでいるオープンイノベーションに迫るシリーズ企画。