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売上よりも価値提供。バリュードリブンなSun*の共創によるDX推進の現場

売上よりも価値提供。バリュードリブンなSun*の共創によるDX推進の現場

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近年、「DX(Digital Transformation)」というワードを耳にすることが増えました。さらに、2020年には新型コロナウイルスの影響や新内閣の発足といった要素も相まって、DX企業のプレゼンスは強まり、期待も高まっています。しかし、あまりにも多くの領域・分野でDXが叫ばれているため、「DXとは何か?」と問われるとその解像度はぼやけてしまうのもまた事実です。

DXの市場規模を見ると、その成長速度を客観的に捉えることができます。富士キメラ総研が公開したDXの国内動向の調査によると、「デジタルトランスフォーメーションの国内市場(投資金額)」は2030年度には2兆3,687億円となり、これは2017年度比で4.2倍の規模にのぼります。いかにDXが巨大かつ急成長中のマーケットかがみて取れます。

TOMORUBAの企画『DXの現場』ではDXを推進する企業への取材をもとに、具体的にどのような価値を創出するためにDXという手段を選び、事業を展開しているのかを解説します。

今回は、大手企業やスタートアップのDXを一気通貫で支援するテック企業『Sun*(サンアスタリスク)』の現場にクローズアップしていきます。300を超える新規事業・DXの実績を持つ彼らは、どのようにしてDXを実践しているのでしょうか。


DXの急拡大を見据え、技術面・人材面から一気通貫で企業を支援

Sun*の主な事業は、エンタープライズ系の大企業やスタートアップのDXを技術面・人材面から支援することです。

通常、企業がDXを推進する場合はコンサルを依頼し戦略を固め、その後、戦略に沿ってベンダーに発注し、実装するのが一般的です。この方法だと、コンサルとベンダーで役割が区切られてしまい、シームレスなDX推進が難しいという課題があります。

一方で、Sun*はビジネスコンサルティングからMVP開発、本開発までを一社で一気通貫して支援できるため、縦割りによる課題が発生しません。これがSun*の最大の特徴のひとつです。

また、Sun*ではDXの急拡大は日本でも避けて通れないパラダイムシフトであると捉えているといいます。そのため、Sun*のDX推進はテック、デザイン、ビジネスの専門チームである「Creative & Engineering」と、IT人材の発掘・育成・紹介を担う「Talent Platform」の両輪で、包括的に支援しています。


▲出典:Sun* 

創業チームが目の当たりにしたベトナムのDX急拡大がSun*のアイデンティティに

人によって定義が曖昧ではありますが、Sun*ではDXを2種類に分類しています。業務プロセスをデジタル化する「デジタイゼーション(Digitization)」と、デジタル技術でビジネスモデルを変革する「デジタライゼーション(Digitalization)」のふたつで、Sun*が専門とするのは後者です。

デジタライゼーションを推進する理由のひとつに、Sun*の創業時から根付いている「新しいものを作る」というマインドが挙げられます。そしてもうひとつ、Sun*のアイデンティティの基礎となっているのが、創業の地であるベトナムの発展です。

Sun*がベトナムで創業した当時、街中を席巻していたのはUberやGrabといったデジタライゼーションを代表するグローバル企業でした。これらの企業はDXによってベトナムに存在する暮らしの課題を解決し、人々の導線をガラリと変えていきましたが、創業チームはその様を間近で見てきたといいます。

こうした経験は、Sun*の経営方針にも影響をもたらし、現在のようなDXソリューションで伴走する共創スタイルの地盤を固めていきました。

リブランディングと上場を経て、国内の社会課題解決に注力

2012年よりベトナムで創業したFramgia(現Sun*)は、DX支援のノウハウが蓄積したことから、テクニカルな支援だけでなく、コンサルや人材育成といった多面的なDX支援へ舵を切り、2019年にSun*と社名を改めリブランディングしました。

このリブランディングを契機に、日本国内の社会課題解決や、DX導入の遅れをカバーすることをミッションに加えています。ベトナムに抱える1300人超のエンジニアアセットを武器に国内の課題解決へ取り組む構えです。


▲Sun*で働くベトナム人従業員


さらに2020年には東証マザーズへと上場を果たし、認知の向上とそれに伴う貢献領域の拡大を中長期のマイルストーンに据えています。

なお、社名の「Sun*」のアスタリスクは掛け算を意味する記号ですが、ここには「アイデアのある企業とともに共創する」という思いが込められているといいます。

また、このような共創を軸としたスタンスは戦略にも現れています。Sun*では戦略を立てるときに、売上よりも先に価値(バリュー)を提供できるかどうかを念頭に置くといいます。例えば100億円の売上を立てたいとした場合、どんなバリューを提供できれば100億円の価値があるか?から逆算するのです。

リファラルやインバウンドでの受注が多いというSun*ですが、このような「先義後利」のスタンスが顧客満足度に直結しているのではないでしょうか。

「社会の利益」としてトップ判断。寄付仲介プラットフォーム『トドクン』の事例

バリュードリブンなSun*を象徴する事例として寄付仲介プラットフォーム『トドクン』の開発があります。NPO法人ブリッジフォースマイル(B4S)は寄付仲介プラットフォーム立ち上げのためにクラウドファンディングで集めた資金をもとに開発パートナーを探していましたが、採算が合わないという理由で断られ続けていました。


▲画像引用:トドクン 

しかしSun*はこの案件を「営利ではなく社会の利益になる」というB4Sのビジョンが共有できたため、トップ判断で受諾したのです。

結果、「必要な支援が必要なぶん届く」という寄付の本質を体現した仲介プラットフォームを創出することに成功しています。

【編集後記】バリュードリブンな組織に人材は集まる

今回の取材では、Sun*のC&E Deputy General Managerの青木史也氏と、PR・広報担当の谷畑朋美氏に話をうかがいました。本文中でも触れましたが、「売上よりもバリューを優先」「リファラル・インバウンドでの受注が多い」といった組織そのものの人柄の良さ(組織に人柄というのも変ですが)が印象に残りました。


▲リモートで取材に応じる青木氏


IT人材は人手不足であるにも関わらず、巨大なエンジニア組織を形成している理由には、従業員も共感しやすいバリュー優先の社風があるように思います。「個人のビジョン」と「企業のビジョン」が一致することがこれから先、優秀な人材を獲得するための糸口になるのでは、と気づきを得られた取材となりました。

TOMORUBA編集部 久野太一)


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