オープンAPIでアップデートする、新しい保険の形|Insurance API organizationイベントレポート
金融業界のFinTechに続き、保険業界でも保険×テクノロジーを意味するInsurTech (インシュアテック)が盛り上がりを見せ始めています。
2020年1月16日、日本の保険業界におけるデジタル化を推進するための組織Insurance API organizationの発足および第一回目の会合が東京で開催され、150名以上の参加者を集めました。当イベントは、保険仲介とリスクマネジメントの世界的なリーディングカンパニーの100%出資日本法人であるマーシュジャパン株式会社、新鋭インシュアテックの株式会社hokan、保険販売事業、ソリューション事業、システム事業を手掛ける株式会社アイリックコーポレーションが共同で開催したもの。
はじめに、マーシュジャパン株式会社の出口氏が、当イベントやInsurance API organizationの設立趣旨について説明しました。保険業界でのAPIによる利便性や技術的な課題の共有API化の促進や、オープンAPIを視野に入れて、全てのステークホルダーが利益を享受できるような保険エコシステムの形成を目指すと話しました。
パネルディスカッション:保険APIがもたらす一般消費者へのインパクト
マネーツリーからは、最高プラットフォーム責任者・共同創業者であるマーク マクダッドが登壇しました。マークと株式会社hokan 代表取締役CEO 尾花政篤氏との対談「保険APIがもたらす一般消費者へのインパクト」の様子をお伝えします。
お客さまの「保険をまとめて管理したい」を叶える、オープンAPI
尾花氏:保険APIは一般消費者のどのような課題を解決するのでしょうか。保険に関して言えば、まずは「契約の照会」からだと思います。これを求めているお客さまはかなり多いと思うので、APIの解放はぜひ進めていきたいと考えています。
マーク:弊社のアプリMoneytreeでは色々な銀行、クレジットカードなどを登録しているお客さまが多いのですが、「一つのアプリで管理したい」というニーズが多いです。現実世界では、大事な通帳や保険証券は、家の中で別々の場所に保管するのではなく、同じ場所で保管しているはず。それを電子化した世界をお客さまは望んでいます。
また、それらの情報は、家で管理する場合と同じようにお客さま自身が管理するものです。そのため、一つの銀行に委ねるのではなく、我々のような第三者が各種データを整理し、安全に保管することが期待されています。それを実現する際にオープンAPIが必要となってくるのです。
尾花氏:以前、hokanで保険証券画像を買い取り、数千枚の保険証券からデータ分析をおこなったことがあります。その結果、複数の保険会社で契約をしている方が70%強もいらっしゃいました。今、「ほけんの窓口」などの乗合保険代理店があるように、複数の保険会社の保険に入るのは当たり前になってきています。消費者からは、それらを保険のサービス内で、またはMoneytreeのような金融資産管理サービスの中で一括管理したい、というニーズが出てくるはずです。
実際、海外ではそのようなサービスがすでに存在します。ドイツの「wefox」は、アプリが一つの保険の窓口になっています。アプリ上で全ての保険契約を一元で見られて、保険営業の方のサポートが受けられるんです。我々もこのようなサービスを目指しています。(抜粋)
奥間 裕子マネーツリー株式会社
2007年 SBIグループに入社。SBI証券でリテール営業と企画業務を約6 年経験。主に金融商品仲介業事業の立ち上げに携わる。その後、グループ内のSBIマネープラザへ転籍。証券・保険・住宅ローンをワンストップで取り扱う代理店事業のマーケティングに従事する他、マネーセミナーやIRセミナーの企画・運営を5年間担当。2018年8月にマネーツリーへ入社。企業向け金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」のマーケティングを担当。
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