プロスポーツクラブ社会課題解決分野での共創をスタート! AUBA活用開始から3カ月で共創合意に至ったその秘訣とは?! /株式会社湘南ベルマーレフットサルクラ
こんにちは! AUBAカスタマーサクセスチームの松本です。
本日は、圧倒的な熱量で社会課題事業に取り組む、こちらの企業をご紹介します!
■株式会社湘南ベルマーレフットサルクラブ
※AUBA利用歴約4月/コンタクト実績21社/共創中3社
https://auba.eiicon.net/projects/35720
ーー本日はよろしくお願いいたします。今回お話を伺うのは、代表取締役社長 佐藤伸也様です。早速ですが、まずは事業内容を教えてください。
弊社は、神奈川県の湘南地域を活動区域にしている「湘南ベルマーレ」というプロスポーツクラブです。
総合型地域スポーツクラブとして、Jリーグに参画しているサッカーを中心に、ラグビー、サイクルロードレースチーム、ビーチバレー、トライアスロンなどさまざまな競技を保有する中で、私たちはフットサルという競技のクラブ運営を行っています。
通称Fリーグと呼ばれる日本最高峰のフットサルリーグのF1リーグに参画し、1年間をかけてリーグ戦、そしていくつかのトーナメント戦を戦っています。
事業としては、「競技性」という競技の結果を追い求める、スポーツクラブならではの達成目標は当然あるものの、その他に大きく2つの柱を持っており、ひとつは「事業性」です。
事業性というのは、年間11試合あるホームゲームにおいて地域の方々や土地に関係する人たちが一緒になって興奮したり、感動するような空間を提供することです。
単純に観客動員数だけを追うのではなく、何人の方々に感動空間、興奮時間を提供できるかという部分にKPIを定め、5年かけて、年間延べ3万人の方々に楽しんでいただくことを目標にしています。
もうひとつの柱は「社会性」で、地域課題や社会課題解決に繋がるようなプロジェクトを創出し、アクションを起こしています。
競技性、事業性、社会性、この3本柱を均等に行っているプロスポーツクラブチーム、これが私たちの事業内容になります。
ーーありがとうございます。3本柱のうち、AUBAでは「社会性」にフォーカスして共創・オープンイノベーションに取り組まれています。あらためて、オープンイノベーションに取り組もうと思ったきっかけ・背景を教えてください。
時代がそちらの方に向かっているというのは感覚値として持っていましたし、行政の課題は行政、学校の課題は学校、というひとつに括られた課題解決ではなくて
私たちがハブになっていろいろな人を巻き込みながら、みんなの課題ごとにして、みんなで解決していくということ自体が、オープンイノベーションの思想とリンクしていると感じていました。
AUBAさんのやろうとしていることと共感ポイントも多いですし、オープンイノベーションの象徴みたいな動きを取りたいな(笑)、と思いながらやっています。
ーーAUBAを活用してのアクションを始めてみて、率直なご感想はいかがですか?
オープンイノベーションを求めている企業が多いな、というのが率直な感想です。
登録企業は共創を目的としているので、感度が高く、メッセージへの返信も多くいただけています。
また、コンサルティングの質が高いので、それも大きいと思っています。
進捗確認や、課題感を洗い出した上でどういった企業と結びつかなければいけないのか、などの擦り合わせは、本来は社内でやっていかなければいけないのですが、専門の部署があるわけではないので、そういった面のサポートも含め、新たな視点がクラブに入って良かったな、と思っています。
ーーありがたいお言葉をいただき恐縮です。 AUBAご利用開始から約3カ月の中で、複数のお取組みが進行していますが早いペースで進めていけている秘訣はどんな点だと思われますか?
ひとつには、業種が少数派なので「とりあえず話を聞いてみようか」と思っていただきやすい面はあると思います。
ただ、それだけではなく「まずは同じ価値観を見出して前に進めてみましょう」というスタートラインに立つことを意識していることもあると思います。
お互いの個性を知りながら新しいものを共に創り上げていく、というスタンスをもっているので前に進むのかな、という実感はありますし、加えて、スポーツコンテンツにおいては多くの選択肢があり、幅広い提案ができることも理由のひとつだと思います。
ーー企業様との初回面談を行うにあたって、気を付けているポイントなどはありますか?
私たちはスポーツ団体なので、先方からすると「フットサルが自社の何の役に立つのか?」という考えがまず浮かぶと思いますが、スポーツ団体としての説明をしつつ、競技だけに寄らないように、社会連携、行政との連携を通じて、地域課題、社会課題に対して何かを生み出したいという話をしっかりとお伝えするようにしています。
加えて、メッセージを送った理由を必ず伝えています。
AUBAのPRページはもちろん、企業サイトのビジョン、ミッションをとくによく見るようにしています。
社長や代表の方のメッセージもしっかり読むようにしているので、その中でどこに共感ポイントがあって連絡したのか、ビジョンやミッションにおいて、同じ方向を向けそうだと感じたことは、しっかりと説明するようにしています。
ーー共創に取り組む中で感じる難しさ、などはありますか?
オープンイノベーションの仕組み自体での難しさではないですが、スポーツクラブとしての難しさとして、具体的な商品やサービスがあるわけではない、という点があります。
決まった商品やサービスがあれば、それに魅力を感じてもらうことできっかけのひとつになると思いますが、決まったものがない中で、お互いにメリットのあるものを生み出さなければいけないということについて、共創の難しさというか、しっかり越えなければいけないステップだと捉えています。
ーーそういった中で、株式会社ハシタス様とパートナー契約まで進まれています。両社の出会いから、どういった流れでこれまで進まれてきたのか、教えてください。
ハシタスさんからメッセージを頂いたところから始まりました。
メッセージの中で、事業内容やオープンイノベーションで何をしたいのかが明確になっており、私たちと非常に相性が良いな、と感じました。
先方は、動物保護や犬猫の殺処分ゼロを目指すという社会課題に向き合ってサービスを創り発信しており、さらには、社会課題解決事業として継続させるために収益構造もしっかりさせなければいけない、という点にも共感しました。
メッセージのやり取りで「ぜひ会いましょう」という話になり、初回面談を行った際に
私たちができること、ハシタスさんが目指したい世界観などをお互い20分ずつ話をして「条件次第で取り組みができますね」という話に至り、まずは、私たちの社会課題解決プロジェクト「Chance&Empowerment project」のパートナーとして一緒に社会課題解決に向かっていきましょう、という合意形成ができました。
「Chance&Empowerment project」は1年半ほど続けていますが、やはりこういった社会課題に対する活動には、人や時間に投下するための資金源は確保しなければいけないというディスカッションも行い、座組として、ハシタスさんは財源とサービスを提供し、私たちは行政との繋がりやファンやサポーターを巻き込む力、発信力や明るいイメージを持たせる、といった双方の役割が全てかみ合い、2回目の打ち合わせで共創合意に至りました。
その後すぐにチームの試合観戦にもお越しいただき、その翌々週には契約内容やセレモニーの日程まで決まっていきました。
ーー非常に早いスピードで合意まで至ったのですね。では、具体的な取り組み内容についても教えてください。
まずは私たちの関係施設にハシタスさんの「ペットのバトン」というサービスのチラシを置いたり、私たちが動物保護活動を一緒に行っている「PEACEJOINT」というパートナー団体との引き合わせを行っていきます。
10月に動物保護をメインとした大型のイベントを開催しますが、そこにハシタスさんにも加わっていただきます。
また、ハシタスさんが、これまで行政に対してアプローチを行ってきたものの、前例が無いなどの理由で話が進まないという課題を持たれていましたので、私たちの繋がりがある神奈川県を皮切りに、行政への共同提案も行っていきます。
※左から、ダルメシ・ジャクソンさん、株式会社ハシタス 大橋様、湘南ベルマーレフットサルクラブ 佐藤社長、PEACE JOINT 山田様
ーーハシタス様との取り組みについて、今後の展望を教えてください。
数字目標などはまだ詰め切れていないのですが、まずは「ペットのバトン」をどんどん発信することが大事だと思っています。
また、ハシタスさんも私たちのことを研究してくれていて「ベルマーレというスポーツコンテンツを使ってこんなこともできたら面白いですよね」というアイディアが、コミュニケーションの中で多々出てくるので、これもパートナーシップの醍醐味だと感じています。
先方からすると使える手持ちの武器として湘南ベルマーレが加わったわけなので
これをうまく活用しながら、自分たちの成し遂げたいこと、結果を掴んでいくという流れができると思っています。
いま、アイディア出しをしていて非常に楽しいです。
ーー方通行でなく、双方向性のある関係が構築できているということですね。 では、ここであらためて、プロスポーツチームとして社会課題解決事業に取り組もうと思われた背景・思いなどをお聞かせいただけますでしょうか。
フットサルクラブの設立が2007年なので、約16年前です。
設立当時はフットサル競技自体、国内でもあまり浸透しておらず、ましてやプロフットサルリーグというものも、一瞬だけ開幕ブームはありましたが、その後上昇気流を掴み切れない状況が続きました。
そういった中で、とにかくクラブを知っていただくことに奔走した結果、少しずつ、少しずつ地域の方々に認知していただいて支援金を始めとした「支援の力」が徐々に増えていきました。
たとえば、この町に日本チャンピオンを持ってくる、ですとか、この町出身のプロのプレイヤーを育て上げるなど、いろいろなお約束をしている中で、「それならば頑張ってこい」というあたたかな支援体制というのが、たしかにでき上がり始めました。
認知も進んできた中で、競技だけで成果を出してみなさまに喜んでもらうだけではなく、熱心に応援してくださる企業様の課題を解決したり、企業様が取り組んでいる地域づくりに、クラブとしてもっと具体的に取り組んでいく姿勢を持ちたい、また、そういった期待に応えたいという思いを強く持ち始めたことが、背景としてあります。
加えて、クラブの発展においては、スポーツ領域だけで支援者を募ったり、ファンやサポーターを獲得するというやり方もありますが、まだまだ発展途上の私たちにとっては、自分たちからスポーツ領域以外のところに飛び込んで、まだ会っていない人たちに自分たちから会いにいく姿勢を示す必要があるのかなとも感じていました。
そうした考えを実行するときに、スポーツだけの活動ではなくて、地域に転がっている、いろいろな分野の社会課題や地域課題に向き合うことがいいではないか、と思ったことも理由のひとつです。
また、個人的にはもうひとつ、久光重貴選手という大きなきっかけがあります。
2008年に入団し、その後メディカルチェックで肺にガンが見つかり、7年間の闘病生活の後、2020年に亡くなった選手です。
彼はガンを患いながらトップアスリートを続けていく、最後までそういった姿勢で燃え尽きたのですが、闘病中、抗ガン剤治療で定期的に入退院を繰り返す中で出会った小児ガンの子供たちに対する支援に取り組み始めました。
小児ガンは大変な病気なのですが、治るケースも多々あると。
ただ、病気の宣告を受けたら、子供にしても親・家族にしても精神的なダメージは非常に大きい。
そういった子供たちや家族に向き合い、久光自身は「もっと前向きにいこう」と、「俺なんか日本のトップリーグの選手を続けているんだぞ」というようなことを言いながら励ましと、啓発・啓蒙活動を続けました。
どんな人にも個人の課題だとかは必ず何かしらある中で、個人のことはひとまず置いておき、他の人の課題に対して顔を出したり、首を突っ込んだりしていろんな人を巻き込みながらみんなの課題ごとにしていく、このフレーム自体に、リスペクトを感じました。
私たちは、小児ガンの啓蒙・啓発活動も当然引き継いでいるのですが、他の人の課題に対してみんなに声を掛けながら、みんなの課題ごとにしていこうよという、その姿勢・フレーム自体を引き継ぎたいという思いがあり、社会性に取り組む部門を作りました。
ーーありがとうございます。最後に、共創やオープンイノベーション推進における全体的な展望をお聞かせください。
同じ目的をもって進んでいただけるパートナーをどんどん増やしていきたいですね。
取組み規模の大小はあるかもしれませんが、やはり数を増やしていきたい。
AUBAでの接点でいうと、地場企業とはまだお会いしていませんが、普段会えないような方と非常にたくさんのお話ができるので、この数を積み重ねていきたいな、と思っています。
クラブが考えている社会課題解決に、同じ温度感で一緒になって取り組んでいただける企業との多くの出会いを求めていきたい、というのが本音のところです。
ーー貴重なお話、ありがとうございました!
※※今回ご紹介した企業にご興味をお持ち頂いた方は是非以下よりコンタクトが可能です※※
【株式会社湘南ベルマーレフットサルクラブ】
https://auba.eiicon.net/projects/35720
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