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富士通とロート製薬、ろう学校と共創 未来のアイケア体験装置「POCOME」を開発

富士通とロート製薬、ろう学校と共創 未来のアイケア体験装置「POCOME」を開発

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富士通株式会社とロート製薬株式会社は、大阪府立だいせん聴覚高等支援学校の生徒と共に、未来のアイケアを考える共創ワークショップを実施。その成果として、自分の目を“ぽこっと取り出したかのような”体験ができる装置「POCOME(ポコミー)」を開発した。両社は、この装置を用いて目の健康への意識変化を調査する実証実験を、2025年10月10日より開始した。先行して、10月3日に大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオンで開催されるイベント「ROHTO Healthcare DAY~Feel Science & Passion~」にて初公開された。

視覚の大切さを伝える、新しいアイケア体験

「POCOME」は、体験者の目の動きをリアルタイムで拡大表示し、他者と目を“交換”する感覚を味わえる装置である。自分の目が瞬きをする様子や他者の視線を追う動きを体験することで、目の存在や機能を改めて意識し、アイケアを“自分ごと化”するきっかけを提供する。装置のデザインは、富士通デザインセンターが筐体からユーザー体験まで一貫して手がけた。

この取り組みは、ろう学校の生徒たちが「未来のアイケアをデザインしよう」というテーマで考案したアイデアを基に生まれたもの。視覚情報が特に重要となる生徒たちの感性や発想をもとに、誰もが楽しみながら目の健康を考えられる装置として形になった。

共創で広がる“ウェルビーイング”の輪

富士通はこれまでも、音を振動や光で伝える「Ontenna(オンテナ)」や、AIを活用して駅の音を手話やオノマトペで表現する「エキマトペ」など、共生社会の実現を目指すプロジェクトを展開してきた。一方、ロート製薬は「Connect for Well-being」を掲げ、医療・ヘルスケア領域での挑戦を続けている。今回の「POCOME」も、両社が掲げる“人と人をつなぐウェルビーイング”の理念を体現するものといえる。

近年、スマートフォンやPCの長時間使用により、目の疲れやドライアイなどの症状が社会的課題となっている。こうした状況のなか、「目の健康」は誰にとっても身近なテーマでありながら、日常的に意識されにくい分野でもある。富士通とロート製薬は、「POCOME」の体験や展示を通じて、人々が目と向き合う新たな契機を創出しようとしている。

万博から社会へ——“目と目を合わせる”価値を再発見

「POCOME」は10月3日の大阪・関西万博にて先行公開されたのち、10月10日〜13日にはJR大阪駅近くのロート製薬直営レストラン「ロートレシピ」で一般展示された。体験者を対象としたアンケートを通じて、目の健康への意識変化を検証する計画だ。

両社は今後も、当事者との共創を通じてウェルビーイング社会の実現を目指す。目と目を合わせるコミュニケーションの尊さや、視覚が果たす役割の大切さを広く社会に伝え、他者との違いを受け入れ合う社会づくりに貢献していく考えである。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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コメント1件

  • 後藤悟志

    後藤悟志

    • 株式会社太平エンジニアリング
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