決済領域のスタートアップ、YTGATEが静岡銀行などから1億円の追加デットファイナンスを実行 創業2年目で累計約6億円に到達
決済領域に特化したSaaSとコンサルティングを展開する株式会社YTGATEは、2025年9月、静岡銀行を中心とする金融機関から総額1億円の追加デットファイナンスを実行した。これにより累計調達額は約6億円に達した。
YTGATEは創業2期目ながら、外部資本に依存せず、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の厳格な管理を徹底。資本効率を高め、健全な成長を続けている。これまでに、りそな銀行、北國銀行、あおぞら銀行、東日本銀行、日本政策金融公庫の5行から総額約5億円を調達しており、今回の追加ファイナンスはその信頼をさらに裏付けるものとなった。
代表取締役の高橋氏は「事業モデルや成長計画への理解・評価をいただき、今回も金融機関の皆さまのご支援により新たなステージへ進むことができた。持続的成長を支える財務基盤をより一層強化していく」とコメントしている。
決済を“つなぐ”技術で、企業の課題を根本から解決
YTGATEは「決済を最適化し、世界をつなぐ」をミッションに掲げ、企業の決済領域における課題解決を支援している。オンライン決済では、クレジットカードの承認が通らないことによる売上損失や不正利用の増加が深刻化しており、同社はこの分野の専門的知見を武器に、テクノロジーとコンサルティングの両面から支援を提供している。
決済コンサルティング事業
国内外のEC・D2C事業者やグローバルブランドに対して、決済手段の選定、導入支援、プロセス全体の改善提案などを提供。企業のビジネスモデルに合わせて決済戦略を設計し、継続的な運用改善まで一気通貫で支援している。
承認率改善・不正利用対策
カード種別・発行会社・時間帯などを軸に承認率低下の要因を分析し、カード会社との調整を通じて不要なブロックを削減。3Dセキュア導入や不正検知ソリューションの最適化も支援するなど、売上ロスと不正の両面をカバーする。
決済最適化SaaS「YTGuard」で非エンジニアでも導入可能に
同社が開発・提供する「YTGuard」は、Webサイトにタグを追加するだけで導入できる決済最適化SaaS。スタートアップから大手企業まで幅広く導入が進んでおり、短期間で成果を実感できる即効性が評価されている。
主な機能として、決済承認率のリアルタイムモニタリング、アラート通知、不正トランザクションの自動検知、カゴ落ちリカバリー施策提案、レポート出力などを備える。とくに不正検知では、国内外の大手ソリューションと連携し、AIによる高度なリスク分析を実現している。
今後の展望 健全な財務基盤を軸に持続的成長へ
今回の調達資金は、「YTGuard」のUI改善や新機能開発、マーケティング強化、セキュリティ・コンプライアンス体制の充実、人材採用・育成に充てる。これにより、決済承認率の低下や不正利用といった社会課題に対し、より包括的なソリューションを提供できる体制を構築する方針だ。高橋氏は「“決済難民”をなくし、誰もが安心して支払える社会インフラをつくることが目標。金融機関との連携を強化しながら、健全な財務と高い技術力で日本発の決済最適化プラットフォームを世界に広げていく」と語った。
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(TOMORUBA編集部)