スタートアップワールドカップ2025、世界チャンピオンはCoreshell社 東京代表・Acompanyが日本勢として唯一トップ10入り
世界100以上の国と地域で予選が行われた世界最大級のピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ2025」世界決勝戦が、10月15日から17日にかけて米サンフランシスコで開催された。世界各地の代表が熱戦を繰り広げるなか、アメリカ・イーストベイ予選代表のCoreshell(コアシェル)社が見事、今年度の世界チャンピオンに輝いた。
同社は、バッテリーの性能を飛躍的に向上させるナノレイヤー薄膜コーティング技術を開発。従来の黒鉛負極と比べて10倍の容量を実現する低コストなシリコン負極を発表し、約3,000名の観客と審査員を前にプレゼンを行った。エネルギー問題解決に直結する革新的技術として高い評価を受け、世界王者の座を勝ち取った。
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日本からは3社が代表として参戦 Acompanyはファイナリスト入り
日本からは、トイメディカル株式会社(九州予選)、株式会社Acompany(東京予選)、AZUL Energy株式会社(東北予選)の3社が準決勝に出場。そのうちAcompanyは、世界の強豪を抑えトップ10ファイナリストに選出された。
Acompanyは、暗号化されたまま企業データを生成AIで活用できる秘密計算AIクラウドを提供するスタートアップ。データ保護とAIセキュリティという世界的課題への実用的な解決策として評価を集め、世界の舞台で大きな存在感を放った。
多様な技術が火花を散らす世界決勝戦
世界決勝戦には、アフリカ、欧州、アジア、米国など各地域の予選を勝ち抜いた10社が登壇。リサイクルPET製造を手がけるMacroCycle(米国)や、独居高齢者向けAIロボットを開発するIntuition Robotics(イスラエル)、交通予約プラットフォームのBuuPass(ケニア)など、多彩なスタートアップが技術とビジョンを競い合った。最終的に、2位はIntuition Robotics、3位はBuuPassが受賞。いずれも社会課題の解決を軸にした事業で、審査員から高い評価を受けた。
世界を牽引する“イノベーションの祭典”に
大会期間中は、AMD CTOのマーク・ペーパーマスター氏やGoogle 研究開発責任者のヨッシ・マティアス氏など、グローバル企業のリーダーが登壇する基調講演やワークショップも開催。CVCエグゼクティブが登壇する特別セミナーでは、TeslaやAmazon、HP、サムスンらがスタートアップ連携の知見を共有した。ペガサス・テック・ベンチャーズ創業者兼CEOのアニス・ウッザマン氏は大会を総括し、 「日本勢が毎年トップ10に入り続けていることは、技術力の高さの証明です。Acompanyをはじめ、世界で挑戦を続ける日本のスタートアップの今後に大いに期待しています。」と語った。
世界に挑む日本のスタートアップに拍手を
7回目の開催となった本大会には、世界で3万社以上がエントリー。優勝投資賞金100万米ドル(約1.5億円)にのぼる。日本では九州・東京・東北の3地域で予選が行われ、総勢8,000人以上が参加。地域を超えた連携や投資機会の創出に繋がる場として年々注目を集めている。
世界のイノベーションの最前線で、日本発のスタートアップが確実に存在感を増している。
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(TOMORUBA編集部)