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『日本スタートアップ大賞2025』発表――AIロボットで物流・小売の未来を切り拓くTelexistenceが大賞を受賞

『日本スタートアップ大賞2025』発表――AIロボットで物流・小売の未来を切り拓くTelexistenceが大賞を受賞

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2025年8月26日、総理大臣官邸にて「日本スタートアップ大賞2025」の表彰式が開催された。同賞は、次世代を担う若者や起業家のロールモデルとなるような社会的インパクトのある新事業を創出したスタートアップを表彰するもの。積極的な挑戦の重要性を社会に浸透させ、起業家一般の社会的評価を高めることを目的としている。

今回で第11回目となる同賞では、全国から寄せられた230件の応募の中から審査委員会が選考を実施。内閣総理大臣賞(日本スタートアップ大賞)には、物流や小売の現場でAIロボットを活用し、人手不足解消に貢献するTelexistenceが輝いた。

さらに、経済産業大臣賞にはWHILL、文部科学大臣賞にはアクセルスペースホールディングス、農林水産大臣賞にはリージョナルフィッシュ、厚生労働大臣賞にはファストドクター、総務大臣賞にはRevComm、防衛大臣賞にはSynspective、国土交通大臣賞にはTerra Droneが選ばれた。また、審査委員会特別賞としてSHEとユニファが受賞した。

「日本スタートアップ大賞」は社会課題に挑むスタートアップの祭典

「日本スタートアップ大賞」は2015年に始まった「日本ベンチャー大賞」を2022年に改称したものであり、今回で4回目の開催となる。各省庁(経済産業省、農林水産省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省、総務省、防衛省)が協力し、有識者で構成される審査委員会が選考を行った。

2025年の応募総数は230件。その内訳は、サービス/プラットフォーム(79件)、環境・エネルギー・社会(32件)、医工/バイオ(29件)、AI/制御(27件)、IoTデバイス/ICT/アプリ(23件)、製造/素材・マテリアル(15件)、ロボティクス(10件)、航空・宇宙(10件)、モビリティ(5件)など、多様な分野からのエントリーが見られた。

受賞した企業はいずれも、テクノロジーを駆使して社会課題を解決し、持続可能な未来の構築に挑む存在である。特に大賞を受賞したTelexistenceは、AIロボットを活用して小売店舗や物流倉庫の現場を支援し、人々の生活を支える基盤産業の効率化を実現した。人間が単純労働から解放され、より創造的な活動に集中できる社会の実現を目指している。

受賞企業一覧と事業内容

日本スタートアップ大賞(内閣総理大臣賞)

Telexistence Inc.

AIロボット「Ghost」をはじめ、物流・小売業における商品の陳列や荷下ろしといった作業を自動化。人手不足の解消に貢献し、社会全体の労働構造を変革する取り組みが高く評価された。

日本スタートアップ優秀賞(経済産業大臣賞)

WHILL株式会社

「すべての人の移動を楽しくスマートにする」を掲げ、近距離モビリティを開発。空港やテーマパークでの自動運転サービスを展開し、誰もが自由に移動できる社会を目指している点が評価された。

大学発スタートアップ賞(文部科学大臣賞)

アクセルスペースホールディングス

小型衛星技術のパイオニアとして、光学地球観測衛星コンステレーションを構築。災害監視、農業支援、環境対策など幅広い分野での応用が期待される。

農業スタートアップ賞(農林水産大臣賞)

リージョナルフィッシュ

ゲノム編集技術を活用し、可食部の大きな魚や高温耐性を持つ魚など新しい養殖魚種を開発。水産業の持続可能性向上と地域産業の再生に貢献している。

医療・福祉スタートアップ賞(厚生労働大臣賞)

ファストドクター

救急往診とオンライン診療を組み合わせた日本最大級の医療支援プラットフォームを展開している。地域の医療アクセス格差を解消し、医療提供体制の持続可能性を高めている。

情報通信スタートアップ賞(総務大臣賞)

RevComm

音声解析AI「MiiTel」シリーズを開発。電話や会議の会話を可視化し、生産性の向上や営業活動の効率化を支援する。AIを活用した革新的なコミュニケーション技術が評価された。

防衛スタートアップ賞(防衛大臣賞)

Synspective

独自開発の小型SAR衛星を用い、災害対応や防衛分野での迅速な情報収集を実現。全天候・昼夜観測可能な技術で、安全保障や気候変動対応に寄与している。

国土交通スタートアップ賞(国土交通大臣賞)

Terra Drone

ドローンと運航管理システム(UTM)を両輪に、測量・点検・農業など幅広い分野で事業展開。低空域のインフラ構築という新たな産業領域を切り拓いた点が評価された。

審査委員会特別賞

SHE

女性向けキャリアスクール「SHElikes」を展開。累計20万人以上の会員にリスキリングの機会を提供し、ジェンダーギャップの解消に挑戦している。

ユニファ

保育総合ICTサービス「ルクミー」を提供。保育AIを活用し、保育士の業務負担を軽減。子育て環境の質向上と保育人材不足の解決に寄与している。

表彰式での石破総理のコメント

表彰式に出席した石破茂総理は、受賞企業に祝意を述べるとともに、次のように挨拶した。

「今回、『日本スタートアップ大賞』に輝かれましたのは、Telexistence株式会社であります。誠におめでとうございます。各賞に選出された皆様方も、心よりお喜び申し上げます。大賞を受賞されたTelexistenceは、『すべての惑星上のすべての人々に、ロボット革命の恩恵を授ける』という壮大なミッションを掲げ、AIロボットの社会実装を進めておられます。コンビニ内での商品陳列をロボットが担い、省人化と効率化を実現するなど、社会的にもインパクトのある事業を展開されております。まさに次世代のロールモデルとなる存在です。」

さらに石破総理は、政府が推進する「スタートアップ育成5か年計画」の成果に触れ、スタートアップによるGDP創出額が22兆円に達したことを紹介。「スタートアップは今後の日本経済を牽引する存在であり、政府としても資金供給や地方での創業支援、グローバルネットワーク強化を後押ししていく」と述べた。

※参考リンク・画像出典

経済産業省:「日本スタートアップ大賞2025」の表彰式を行いました

首相官邸:日本スタートアップ大賞2025表彰式

(TOMORUBA編集部)

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  • 中務稔也

    中務稔也

    • フリーランス
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