目を見張るスピード感。神戸市主催のOIプログラム『Flag』、1期と2期の8チームが成果を発表!
兵庫県神戸市は、地域産業の活性化を主な目的に掲げ、オープンイノベーションプログラム「KOBE OPEN INNOVATION『Flag』」を開催している。今年度で2回目の実施となる本プログラムでは、神戸市内の中小企業5社(ラッキーベル/センサーズ・アンド・ワークス/好日山荘/伊福精密/小池農園こめハウス)が事業テーマを提示して、全国からパートナー企業を募った。
応募総数99件の中からマッチング後、昨年10月にワークショップを開催。当初のアイデアをビジネスプランへと落とし込み、両社および神戸市保有のネットワークなども活用しながら、実証実験でビジネスプランの検証に取り組んだ。
その成果を披露する場が、3月5日にANCHOR KOBEで開かれた成果発表会(DEMODAY)である。ここでは、2023年度のプログラムを走り切った5つの共創チームが成果を発表。さらに、2022年度のプログラムで誕生し、今年度も引き続き事業化に向けて活動を続けている3つの共創チームが、これまでの軌跡を共有した。
本記事では、「KOBE OPEN INNOVATION『Flag』2023 DEMODAY」の様子をレポート。神戸という土地で個性豊かな発展を遂げてきた地元企業と、この地の企業に興味を持って全国から集まったパートナー企業の素晴らしいコラボレーションに、ぜひ注目してほしい。
「市内中小企業が提示した募集テーマに対して99件もの応募、大変期待をしている」――神戸市副市長 今西氏
最初に、神戸市副市長の今西正男氏が壇上に立ち、『Flag』の開催意図や本プログラムに寄せる期待について、次のように語った。
「この『Flag』は市内産業の成長支援を目的に、令和4年(2022年)から開始しました。神戸市内の企業と全国の企業、あるいは神戸市内の企業とスタートアップをマッチングするオープンイノベーションプログラムとして実施しています。今年度は、市内の中小企業を対象として、パートナー企業を募集しました。その結果、99件もの国内外の企業から応募をいただきました。
そして、その選定された企業とパートナーを組んでいただき、事業推進のプログラムを半年間、実施してきました。今日はその成果を発表する会になるため、大変楽しみにしています。昨年度に引き続き事業推進・事業創造に取り組んだ3つのプロジェクトも2年目のより成長した姿を披露していただけるそうです。このプログラムから生まれた事例が、市内の企業のモデルとなり、多くの中小企業が新たな事業創出に挑戦するきっかけになることを期待しています」(今西氏)
▲神戸市 副市長 今西 正男 氏
開会挨拶の後、本プログラムを運営するeiiconの村田 宗一郎氏が登壇。オープンイノベーションに取り組む意義や注意点などを参加者らに共有した。
▲株式会社eiicon 執行役員 Enterprise事業本部・公共セクター事業本部管掌 村田 宗一郎 氏
『Flag 2023』参加5チームが成果発表、“味変する金属器”と“シン・ウワバキ”が堂々の受賞!
ここからは、『Flag 2023』から誕生し、実証実験に挑んだ5つの共創プロジェクトの成果について紹介する。壇上に立ったのは、神戸市の地元企業とパートナー企業で構成された共創チーム。共創プロジェクトの概要や狙い、実証実験での成果などが披露された。また、「審査員 最優秀賞(1チーム)」と、参加者の投票によって決まる「オーディエンス賞(1チーム)」も準備され、成果発表会を活気づけた。なお、審査員は次の4名が担当した。
<審査員>
・常盤木 龍治 氏/パラレルキャリアエバンジェリスト 株式会社EBILAB 取締役ファウンダー CTO CSO
・深田 昌則 氏/カーマインワークス合同会社 代表 SUNDRED株式会社 エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CVO/CMO Future Food Institute Japan Local Executive
・村田 宗一郎 氏/株式会社eiicon 執行役員 Enterprise事業本部・公共セクター事業本部管掌
・武田 卓 氏/神戸市 経済観光局 新産業創造課長
【伊福精密 × ユーロフィンQKEN】 『味変する金属器。新たな食体験を実現するビジネスの創出』 ※審査員最優秀賞
「審査員最優秀賞」を受賞したのは、神戸市を拠点に75年以上にわたり金属加工を手がける伊福精密と、味や香りの分析を専門とするユーロフィンQKENの共創チームだ。
両社はコスパ・タイパ志向により食体験が軽薄化している現状を考慮し、「食べる以外の付加価値」の提供を目指したいと話す。そこで開発したのが、伊福精密の金属3Dプリント技術を用いて製造された、“味変”する金属器『Syuki』だ。この器は口元に小さな空気穴があるため、お酒などを飲みながら空気を吸い込むことができる。多層構造となっており、デザイン性が高いことも特徴だ。
プログラム期間中、この金属器の性能評価とニーズ検証を行った。性能評価は、分析技術に長けたユーロフィンQKENが担当。具体的には、25種類の飲料(日本酒、焼酎、ウイスキー、ハイボール、緑茶など)を用い、測定と分析を実施した。総じて「まろやかで、口当たりが優しくなる」という結果が得られたと話す。
次にニーズ検証を行った。2月に開催された工場見学イベント『開工神戸 KOBE OPEN FACTORY』で、一般客を対象に試飲会とアンケート調査(n=43人)を実施。その結果、80%以上が「まろやかさ」を感じ、90%以上が「口当たりのよさ」を感じたとの結果を得られた。さらに、90%以上が友人にこの金属器を薦めたいと回答。一方で、提示金額が高額だという意見も多かったという。
そこで、対象を変更して第2弾となるニーズ検証を実施。『神戸酒心館』を会場として借り、接待などの高額な食事会を実施する約20人の人たちを呼び、同会場が提供する福寿の酒を使った試飲会を行った。金属加工と分析解析のプロに加えて、株式会社神戸酒心館の酒造りのプロや官能評価の専門家であるソムリエも加わり、飲み比べた結果、『Syuki』の効果を実感した人は100%、販売価格が妥当だと回答した人は44%となった。
一般客と比較して販売価格を妥当だと感じる割合が伸びたことから、接待や祝事などの高級なシーンでの活用を目指して、『Syuki』を拡販する方針だという。すでに旅行代理店やDMOなどとも商談を開始していることも明かした。
伊福精密の伊福氏は「色々な方にご協力いただき、今日ここでお話させてもらっている。非常に感謝している」と述べ、この賞を会社に持ち帰り、社内のメンバーとともに喜びを分かち合いたいとした。ユーロフィンQKENの肥田氏も「分析をどう扱っていくか、どう活用できるかを常に考え続けている。ようやく考え続けた結果が、様々な人に恵まれて、このような賞につなげられた。本当に嬉しい」と喜びを伝えた。
【ラッキーベル × 日本電気(NEC)】 『子どもたちの歩行を解析・改善。パフォーマンスを向上させる"シン・ウワバキ"の開発』 ※オーディエンス賞
オーディエンス賞を獲得したのは、年間約100万足の学校用上履きや体育館シューズを製造・販売するラッキーベルと、高度なセンシング技術を持つ日本電気(NEC)の共創チームだ。
両社が注目する課題は、子どもの「姿勢」である。姿勢の悪さから足の不具合を訴える子どもは多い。靴はそんな足を保護する重要なもので、子どもが長い時間履くものが上履きだと話す。しかし、上履きに対する意識は低い。保護者は耐久性と安価さで購入を判断し、学校はオペレーションの邪魔にならないことを重視する。子どもたちは「なんでもいい」との回答が多く、上履きに意識は向いていないのが現状だ。
だが一方で、ヒアリング調査からは、保護者は子どもの成長を願い、学校は定員割れを避けるために魅力的なサービスを提供したいと考えていることが分かった。そこで考えたのが、子どもの歩き方を分析し、身体の弱点を克服することで、成長を支援する“シン・ウワバキ”だ。具体的には、ラッキーベルの製造する上履きに、NECが開発したセンサーつきインソールを入れる。それだけで、歩行計測ができるという。計測したデータから足りない筋肉を導き出し、足りない筋肉をエクササイズによって増強する。そして、姿勢改善や学力向上につなげていくという。
歩行分析で姿勢改善につながるかを確かめるため、中学校で技術検証を行った。具体的には歩行計測を行い、足りない筋肉を発見し、その筋肉に適したトレーニングを実施した。トレーニング前後で片足立ちをしてもらい効果を確認したところ、約90%(合計36人)が「効果あり」と回答したという。
技術検証後は、学校と保護者にニーズ検証を実施。学校からは費用負担が困難との返答があったが、保護者96人にアンケートを実施したところ、約半数が年間1万円程度なら費用を支払ってもよいと回答した。そこで、制服と同様に学校指定で、この上履きを導入してもらい、保護者に費用負担してもらうビジネスモデルを検討。姿勢がよくなるユニークな上履きで、選ばれる学校にしていきたいと語った。また、子どもたちに対しては、憧れのスポーツ選手や歌手の歩行に近づける機能も追加し、保護者・学校・子どもたちの三方良しとなる製品開発を行っていきたいとした。
ラッキーベルの有吉氏は、学校に話を聞くなかで、多くの私立が定員割れに悩んでいることに驚いたと述べ、学校が抱える課題を解決し、転換させていくようなビジネスにしたいと、本事業にかける想いを新たにした。日本電気(NEC)の川田氏は、足を運んでたくさん話を聞いたことを明かし、この賞をもらえて「報われた気持ちになった」と笑顔で語った。
【好日山荘 × Olive】 『146万人のこもりびと富士山登頂プロジェクト』
創業100年の老舗アウトドア用品専門店である好日山荘と、感情を可視化する技術を持つ創業7年目のスタートアップ・Oliveは、登山中の感情を可視化するプロジェクトについて発表した。
両社が主要なターゲットに設定したのは「登山をしない人」だ。これらの人たちを登山に惹きつけるためには、登山効果を可視化することが重要だと考え、登山中の「感情DX」に取り組むことにしたという。実証実験では、82人のモニター(登山をする人45人/登山をしない人37人)に、往復1時間のハイキングコースを歩いてもらい、コース上の10カ所以上で感情の計測を実施した。
「頭スッキリ」「ゾーン状態」「リラックス」「ストレス」の4つの感情に分け、Oliveの技術を使ってスマートフォンで生体反応(脈波や体動)を取得してもらった。推定した感情をGPSデータと紐づけ、マップ上に可視化したところ、次のような結果が得られたそうだ。
また、登山前、中、後で感情を比較したところ、登山により「ゾーン状態」「リラックス」の2つの感情の増加が確認できた。逆に「ストレス」は激減したという。登山をしない人だけに限定しても、同様の効果を確認できたという。アンケートでは、このサービスを「面白い・興味深い」と回答した人が99%、「有料でも使いたい」と回答した人が71%もいることが判明。今後、2024年10月にサービスローンチを予定しており、好日山荘アプリ登録者に月額課金で提供することを検討している。また、大手事業会社との連携を進めていることも明かした。
【センサーズ・アンド・ワークス × パブリックテクノロジーズ】 『行動変容を起点としたデータ収集と分析に基づく市民のウェルビーイング促進』
人流センサーを利用して街の可視化に取り組むセンサーズ・アンド・ワークスと、自治体における住民向けサービスのデジタル化に取り組むパブリックテクノロジーズは、「防災」に焦点を当てたプロジェクトを紹介した。
両社は、包括的な防災機能を備えた市民向けアプリの構築を検討している。そのなかで今回は2つの機能の実証実験を行った。1つ目が「避難誘導マップ」だ。実験では、従来通りの目的地だけを伝えて移動してもらうチームと、新しいデジタルマップを使って移動してもらうチームに分けて、所要時間を比較した。その結果、デジタルマップを使ったほうが所要時間を短縮できた。アンケート調査でも、デジタルマップへの関心度が高いことが分かったという。
2つ目は「避難所エントリー」である。現在、自治体では入所者を管理するため、主に紙媒体を使用している。この際、紙に記載された情報を手入力する必要があり、住民や自治体職員にとって負担となっている。そこで、今回は電子媒体と紙媒体のどちらを希望するか、その理由についてニーズ調査を行った。その結果、電子媒体希望が66.7%、紙媒体希望が33.3%となった。スマホの電池切れを避けたいという意見やスマホが手元にない可能性もあるという意見もあったことから、両媒体を活用したシステムが必要であるとした。
今後の展開については、「自治体IoT」の市場規模は約65兆円あり、そのうち「防災情報システム」は約1.5兆円の規模があることから、まずは防災情報システムを起点に市場へと参入し、自治体IoTの領域にも進出していきたいと語った。
【小池農園こめハウス × EXest】 『農(食)の価値再発見!持続可能な一次産業を実現する仕組みの創出』
神戸市近郊に44ヘクタール(甲子園球場約11個分)の農地を持つ小池農園こめハウスと、一次産業をコンテンツ化し、ガストロノミー・ツーリズムを企画しているEXestは、法人顧客を対象とした研修ツアーを企画し、モニターツアーを実施した。
今回の共創プロジェクトのコンセプトは、植えるところから収穫するまでの一連の農作業体験を、個人ではなく企業向けに提供すること。この体験を通じて、企業価値の向上につなげてもらいたいと話す。初期ターゲットは人的資本経営を重視する企業に設定。プログラム期間中に実施した実証実験(モニターツアー)では、1社・17名に、小池農園での農業体験イベントに参加してもらった。
参加者らに話を聞いたところ、次のような意見をもらうことができた。費用を負担する経営者からは「学びの場として活用したい」「非日常を味わうことによって、クリエイティブな心を養ってほしい」「一年を通して体験したい」という声が寄せられた。一方、参加者らからは「松ぼっくりから米が炊けたことに感動した」「子どもたちが田んぼで走り回っている姿がよかった」などの声があがり、価値を感じてもらえたそうだ。
今後のビジネスモデルだが、EXestの運営する『Pocket Owners』を通じて農業体験イベントに参加したい企業を募り、その企業から参加費をもらうことを考えている。そして、小池農園では月2回の農作業の提供と、米・100kg、定期的な情報発信などのコンテンツを提供するという形で、事業化を図っていく方針だという。
初年度『Flag』に参加したアシックス、神戸新聞社、エム・シーシー食品が2年目の軌跡を報告
次に、昨年度の『Flag』から誕生した3つの共創チームが、2年後の成果を発表した。
【アシックス × みみずや】 『「アグリスポーツワーケーション」で心と身体の健康づくり』
アシックスとみみずやは昨年度、「スポーツ×農業」の力で働き方改革と地方創生を両軸で実現することを目指し、法人向けに「アグリスポーツワーケーション」プロジェクトを開始した。1年目のプログラム期間中は、農作業体験がビジネスパフォーマンスに与える影響について技術検証を行った。
2年目は、技術検証を進めると同時に、受け入れ態勢とニーズ検証を行った。2023年6月には、長野県飯綱町で地域農家・自治体向けワークショップを開催し、受け入れの懸念点もヒアリングした。さらに、2回の有料プログラムを提供し、1回目は3日間で約30人が参加。2回目は1日開催で11人が参加した。参加者らの意見を聞き、定性的評価も行った。今後は、鉄道会社も加わりアクセス面の課題にも対処していく予定。また、飯綱町以外の地域にも拡大していくという。
【エム・シーシー食品 × liveR】 『コーヒーかすを肥料に変える。こだわりの食品を届ける新たなアップサイクルの仕組み』
エム・シーシー食品とliveRは昨年度、カフェチェーンの協力も得ながら、カフェから出るコーヒーかすを肥料化し、その肥料を使ってエム・シーシー食品の契約農家でバジルを育て、バジルソースにしてカフェに提供するアップサイクルプロジェクトを発表。
2年目では、コーヒーかすの回収と肥料化、そしてバジルの栽培に取り組んだ。結果、カフェから回収したドリップかすの肥料化は成功。コーヒーかす肥料を使用して栽培したバジルについては、「収量」「風味・香り」においては従来の肥料との差異は見られなかった。しかし、費用が増加したという課題もあった。実際の活動を通じて、コーヒーかすの回収方法や資源化しなければ回収できない規制、さらには3社の物理的距離が課題として浮かび上がった。今後の展開としては、プログラム中に描いたサイクルだけに固執せず、小さくても成功体験を積み重ねながら、この活動(もしくはアップサイクルの輪)を大きく広げていきたいとした。
【神戸新聞社 × omochi】 『新聞を活用した学習プログラムを開発し、社会課題を発掘・解決する力を育成』
神戸新聞社とomochiは昨年度、新聞を活用した学習プログラムを開発し、高校に有料で販売した。しかし、2年目は、学校の教材費や予算が削られていることから、マネタイズ先を受講生にPRをしたい地元企業に変更した。
新しいビジネスモデルでは、「学びにもサードプレイスを。」をテーマに、学校外で学びの場を提供。神戸の歴史や文化、伝わる文章の書き方などの講義や、地元食品メーカーによるランチセッション、omochiによる探究型ワークショップなどを含めた授業を実施。学びの成果をまとめてもらい、神戸新聞で発信した。関西圏の情報感度が高く、考えることが好きな中高生らが参加したという。この活動から、学外での交流ニーズがあること、教育事業では行政との連携が必須であることなどが分かった。また、行政と連携することで、企業の協力を得やすいことも明らかになったという。
「神戸市や全国の企業の見本となって、羽ばたいてもらいたい」――神戸市・武田氏
すべての発表が終了した後、審査員の4名が各チームに対してフィードバックを行うとともに、今後の事業成長を引き続き応援していく旨を伝えた。
最後に、本プログラムの主催者である神戸市より武田氏が登壇。次のような内容のメッセージを送り、成果発表会を締め括った。
▲神戸市 経済観光局 新産業創造課長 武田 卓 氏
「既存の産業・ビジネスだけでは生き残れない時代になっています。日本では99%以上が中小企業で占められていることから、中小企業のなかからオープンイノベーションの事例を作っていきたいと考え、今年度はホスト企業を中小企業に制限しました。最初は、『うまくいくだろうか』と不安も感じましたが、今日、皆さん本当に価値のあるピッチをしていただいたと思います。
このプログラムにおいては賞を設けましたが、現時点ではまだ通過点だと思います。神戸市の立場からすると、すべてのビジネスが売れてほしいですし、お互いに付加価値のあるビジネスになってもらわないと意味がないと考えています。一過性のイベントで終わるつもりはありません。あくまで売ることにこだわって、続けていただきたいです。そして、皆さんには神戸市や全国の企業の見本となって、羽ばたいてもらいたいと思っています」(武田氏)
なお、今回の成果発表会の会場「ANCHOR KOBE」には、ピッチを行った各社のサービス・プロダクトを紹介するブースを設置。休憩時間や成果発表後にはブース周辺で活発なネットワーキングが行われた。
取材後記
今年度のプログラムからは5つのチームが、そして昨年度のプログラムからは3つのチームが成果を発表した。驚かされたのは、どのチームも短期間で実証実験を行い、相当数のアンケートやヒアリング調査を通じてニーズを検証していたこと。そのスピードには目を見張るものがあった。また、マネタイズに対する強い意志が感じられることも、本プログラムならではだと言える。ビジネスとして成立させるためには、対価を得ることは不可欠だ。閉会の言葉でも触れられていたが、売れなければ事業としての価値がない。そんな当然のことを、再確認できる成果発表会だった。
(編集:眞田幸剛、文:林和歌子、撮影:齊木恵太)