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“Well-being支援”で、はたらく人の自己実現を叶えたい。パーソルテンプスタッフが2期目の共創プログラムで目指すもの

“Well-being支援”で、はたらく人の自己実現を叶えたい。パーソルテンプスタッフが2期目の共創プログラムで目指すもの

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1973年に創業し、今年で50周年を迎えた人材派遣の先駆者・パーソルテンプスタッフ株式会社。同社は業界をアップデートすべく、2019年にDX推進本部を立ち上げ、その後にFlexibleコネクテッド構想を打ち立てた。Flexibleコネクテッド構想とは、さまざまな企業様のサービスと連携することで、派遣社員、クライアント企業、当社、さらにはサービス提供企業同士がつながり、相乗効果で価値を積み上げる。そうした”ゆるやかな連携体”(=Flexibleコネクテッド)を形成し、付加価値を一緒に創り上げていく取り組みだ。

このFlexibleコネクテッド構想を土台に、2期目となる共創プログラム、「パーソルテンプスタッフ OPEN INNOVATION PROGRAM」でパートナー募集を開始した。「“はたらく人”のWell-beingを実現する」をコンセプトに掲げる今年は、募集テーマの設定に先立ち、派遣社員の方々の声をお聞きした。“はたらく人”のニーズを明らかにすると共に、多様なニーズに応える価値の提供を目指すため、「“はたらくWell-being”」と「Physical Well-being」などのテーマを用意している。(※最終応募締切:2024/1/29)。

――これを受け今回、プログラムを牽引する執行役員 デジタル推進担当 藻谷 裕二氏と事務局責任者 髙瀬 智之氏へのインタビューを実施した。2期目となるプログラムにかける思いや募集テーマの詳細、提供するアセットなどをお聞きした。

個人の“キャリアオーナーシップ”が重要な時代。企業は多様性への対応が求められる

――貴社は、2023年に創業50周年を迎えられました。人材派遣市場で多くの実績を残されている貴社に、まずは近年の市場の動向について伺いたいです。

藻谷氏 : 人材派遣に限ったことではありませんが、日本は人口減の社会となっており、マーケットは人手不足の状態が続いています。売り手市場の傾向が顕著で、この流れはこれからも止まらないでしょう。さらに、価値観の多様化、コロナ禍で浸透した多様なはたらき方などの影響もあり、市場は個人のさまざまな要求に応える必要が生じています。

人材サービス会社としては、従来は企業の求める要件と派遣社員の能力を見て、マッチングを図ることが重要でした。しかし、これからは個人が企業を選ぶ機運が高まり、スキルはもちろん、それ以外の面も十分に考慮しなければならなくなっています。つまり、企業側には個人の就業しやすい環境を作ること、活躍の場を広げる環境を作ることが求められていると言えるのです。

当社は今年、創業50周年の節目を迎えました。個人のはたらく想いにフォーカスすることは篠原欣子が創業当初から掲げてきた想いであり、本プログラムで取り組んでいく考えです。

▲パーソルテンプスタッフ株式会社 執行役員 デジタル推進担当 藻谷 裕二氏

2001年の入社以来、営業畑を歩み、マネージャーや部長を歴任。2020年4月より執行役員に就任。2023年4月よりデジタル推進を担い、オープンイノベーションプログラムも管掌する。

髙瀬氏 : 私自身も複業を行っていますが、価値観やはたらき方は本当に多様化しました。人生100年時代を迎え、キャリアオーナーシップを持つことの重要性が増しています。派遣という、はたらき方についても例外ではなく、キャリア形成に悩むことが多いのも現状です。このため人材サービス会社では、キャリア形成の支援も重要なサービスの一つとなっています。

▲パーソルテンプスタッフ株式会社 DX推進本部 DX横断企画室 マネージャー 髙瀬 智之氏

営業企画としてパーソルテンプスタッフに入社。その後、営業として中部や九州エリアを担当し、派遣社員の方のさまざまな声を聞く。現在はDX推進本部に所属。オープンイノベーションプログラムの事務局を務めている。

――長期的な視点でキャリアを形成するためには、リスキリング(学び直し)の必要性も説かれています。貴社ではリスキリングなどの支援も行っているのでしょうか。

藻谷氏 : はい。当社の派遣社員は女性が多く、事務系のスキルが注目されるのですが、生成AIの出現で事務業務が自動化されるなど、求められるスキルが大きく変わると予想されます。こうした時代の変化に合わせたスキル支援に加え、そのマインドセットの支援もますます充実させる予定です。

はたらくにかかわる周辺領域の困りごとを解決し、派遣社員の自己実現をサポートしたい

――2期目を迎える共創プログラム「パーソルテンプスタッフ OPEN INNOVATION PROGRAM」ですが、開催の背景・狙いや特徴についてお聞かせください。

藻谷氏 : お伝えした通り、今ははたらくにかかわる周辺領域も、多様化が加速度的に増しています。このような中、パーソルグループが2030年に向けた価値創造ストーリーの「ありたい姿」として掲げている “はたらくWell-being”創造カンパニーを目指すことが大きな狙いです。

そのためには、はたらくことそのものはもちろん、はたらくにかかわる周辺領域の支援も重要であると考えています。具体的には、日々の生活に関することが例として挙げられますが、当社だけでできることには限界があります。パートナーのみなさまと力を合わせ、派遣社員のウェルビーイングを実現するサービスを生み出したい。中でも、今回は「デジタル」を活用したサービスの創出を目指したいと考えています。

――貴社が描いている「ウェルビーイング」や、最終的に実現したい「“はたらく”の姿」についてお聞かせいただければと思います。

藻谷氏 : はたらくことが充実して楽しいと言えることを、理想としています。はたらく上での不安、お困りごとの部分を払拭し、同時にはたらくとは切り離すことができない生活の支援にも取り組んでいきたいと考えています。

髙瀬氏 : 今年は、募集テーマの設定に先立ち、派遣社員の方々の声をお聞きしたところ、ニーズやお困りごとは多岐にわたっていましたが、印象に残るのは就業開始後の悩みの多さです。

具体的には、家事と子育てのバランスが取れない、健康面への不安、スキルアップの希望と時間を捻出する難しさなどが挙げられます。派遣社員の方は、さまざまな形で自己実現を目指しています。そうした思いを大切にしたいと思っています。

藻谷氏 : 例えば、スキルアップにしてもそうなのですが、何とかしたいという気持ちはあっても、どうして良いかわからないという声も少なくありません。そうした時に、ソリューションや気づきを提供するのが私たちの役割だと考えています。

髙瀬氏 : キャリアは、その人の生き方そのものと言っても過言ではありません。また、健康あってのキャリアと言えます。さまざまな側面で、キャリア形成、自己実現をサポートしていきたいです。

「キャリア」「介護」「家事・子育て」「フェムテック」「健康」などの多様な募集テーマ

――今回のプログラムの内容についてさらにお聞きします。共創で生み出したい価値などもご提示いただければと思います。

髙瀬氏 : ウェルビーイングの実現に向けて、大きく「“はたらくWell-being”」と「Physical Well-being」の領域でサービスの創出を目指しています。具体的な共創のキーワードとして、e-learning、AI教育、介護IoT、家事代行、予防医療、健康状態の可視化などが想定されますが、共創の幅を限定するつもりはありません。さまざまなアイデアをお寄せください。

――具体的に生み出したい価値、あるいは共創したいパートナーのイメージなどはあるのでしょうか。

髙瀬氏 : 「これを作り出したい」という具体的なイメージというよりは、幅広くさまざまな方と話をしたいと思っています。派遣社員のニーズや困りごとは一様ではありませんので、多くのパートナー企業の力をお借りできれば嬉しいです。

藻谷氏 : パートナー企業のみなさんと共にいろんな発想をしていきたいという思いがあります。コミュニケーションを取る中で、新たな発見も生まれるでしょう。私たちだけでは気づけなかったアイデアや提案を多く求めています。

――これまでの共創事例として、株式会社みんなの銀行、ファストドクター株式会社、株式会社ストライプインターナショナルなどの実績がありますね。

藻谷氏 : はい。みんなの銀行さんとの提携によって人材業界で初となる専用支店「テンプスタッフ支店」を新設しました。スタッフの皆さまの資産形成や将来のお金の不安への備え、より豊かな生活へつなげる後押しをコンセプトに、2023年10月2日よりオンライン資産運用サービスの利用サポートも開始しました。この取り組みは、提携するみんなの銀行と大和コネクト証券が連携することで実現しました。

その他、オンライン診療と夜間休日往診のサービスを提供するファストドクターさんと提携することで、派遣社員自身はもちろん、そのご家族の方の健康をサポートしています。また、ストライプインターナショナルさんとの提携では、派遣社員向けにファッションレンタル「MECHAKARI(メチャカリ)」を提供しています。これらは、いずれも派遣社員の方々から好評をいただいています。

「顧客満足度4年連続1年」の実績を持つテンプスタッフの活用可能アセット

――2期連続のプログラム実施となり、体制などの変更点はあるのでしょうか。

髙瀬氏 : 昨年度と比較すると、対応する弊社のメンバーを倍にしています。ですので、プログラムにエントリーをいただければ、早いタイミングでミーティングなどが進められます。また、必要に応じて、グループ各社との連携も可能です。

――貴社から提供できるアセットにはどのようなものがありますか?

髙瀬氏 : まず、約12万1千人*1の派遣社員に対してサービスが提供可能です。また、派遣社員へのタッチポイントとして、累計19万*2ダウンロードを突破したスマホアプリ「テンプアプリ」を活用いただけます。

*1 2023年7月1日時点の当社グループ派遣就業スタッフ数です

*2 2023年9月時点

藻谷氏 : パーソルテンプスタッフは全国展開していますので、地域性を考慮した上でのサービス展開ができますし、地域ごとの反応の違いも確かめられます。加えて、髙瀬も言及しましたが、グループ横断で経営会議を開いているため、その際にサービスの情報共有が可能です。

――貴社は顧客満足度4年連続1位(※)で、スタッフの方から厚い信頼を獲得しています。ブランド力も十分ではないでしょうか。 ※エン・ジャパン株式会社の『派遣の働き方研究所』による

藻谷氏 : 手前味噌で恐縮ですが、特に派遣社員の方からは厚い信頼をいただいています。前述のテンプアプリによるオンライン接点に加え、派遣社員とはオフラインの接点も強固なので、営業担当を通じて直々にサービスの訴求や提案を行うことも可能です。

――今年度中にここまでは達成したいなどの定量的な目標はありますか。

髙瀬氏 : 少なくとも1~2社との共創をスタートさせられればと思っています。

藻谷氏 : 共創パートナーとは点ではなく線でつながることが理想です。つまり、プログラムはあくまで一つのきっかけで、長くお付き合いしていくことが狙いです。共創を推進しながら、他のパートナー企業とも有機的につながっていくことができれば嬉しいですね。

個人に寄り添いながら、パートナーと共にはたらくのアップデートを目指す

――最後に、応募を検討しているパートナー企業に向けてメッセージをお願いします。

髙瀬氏 : 私たちは派遣社員の方々のキャリア形成をはじめ、困りごとの解決などを通じ、“はたらくWell-being”を実現させたいという強い思いを持っています。何らかのネックがあり、思うように力を発揮できない方も少なからずいるでしょう。そうした方々の助けとなり、本来持っている可能性を最大限に発揮していただくことを目指しています。

その上で、派遣社員の方がふと人生を振り返った時、「ずっとそばにテンプスタッフがいて支え続けてくれていた」と言われることが理想であり、目指す姿です。はたらく一人ひとりのWell⁻being向上のために、力を貸していただければ幸いです。

藻谷氏 : ぜひ、みなさまのさまざまな発想をお寄せください。当社は今年創業50周年を迎えており、派遣というはたらき方は既に半世紀以上の歴史を重ねています。そのはたらき方はそろそろアップデートさせる時が来ているはずです。一緒にチャレンジしましょう。長いお付き合いの中で、共に成長していきたいと思います。

取材後記

はたらき方の多様化、キャリアオーナーシップ、人生100年時代、人口減少、労働力不足。こうした社会変化を鑑みると、パーソルテンプスタッフの共創プログラムは意義の大きいものだと思えてくる。同プログラムを通じ、さまざまなサービスが生み出されたら、労働市場に与える影響も大きいのではないか。社会貢献性は大きく、ビジネスとしての成長も期待できる。同社は多種多様なアイデアをパートナー企業に求めている。少しでも興味を持ったら、すぐにでもエントリーすることを推奨したい。

(編集・取材:眞田幸剛、文:中谷藤士、撮影:加藤武俊)

※プログラム募集ページはこちら

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