エアロネクスト×セイノーホールディングス×ACSL | 経済合理的なドローン物流市場の創出に向けて資本・業務提携
次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストは、セイノーホールディングス株式会社(以下 セイノーHD)と株式会社⾃律制御システム研究所(以下 ACSL)と、今回、セイノーHDをアンカーLPとするSector-Focused FundであるLogistics Innovation Fund投資事業有限責任組合とACSLのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるACSL1号有限責任事業組合を通じての資金調達による資本提携ならびにドローンを活用した物流サービスに関して業務提携した。
今後3社は、ドローン物流市場の立ち上げに必要な経済合理性の検証、リーズナブルな価格の機体の提供及び機体の安定供給体制の構築と、これによるドローン物流市場の創出に関する協業を開始する。
▲物流専用ドローンの最新試作機
▲物流専用ドローンの最新試作機(側面)
エアロネクストは特に物流分野に力を入れ、機体の信頼性を高めるとともに、社会実装に必要不可欠な安心・安全を確保できる独自のテクノロジーを活用した空の社会インフラ構築を目指しているという。2021年1月には、ドローン配送サービスを主事業とする戦略子会社「株式会社 NEXT DELIVERY」を設立。さらに同月にはセイノーHDと、新スマート物流の事業化に関する業務提携契約の締結を発表し、現在、山梨県小菅村にて、ドローン配送を組み込んだ新スマート物流のしくみ”SkyHub®*1“の開発とサービスモデルの実証と実装により、既存の物流課題の解決と新スマート物流の推進に共同で取り組んでいる。
また、機体の開発においては、独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*2をコアに、物流専用機体の研究開発に注力しているという。ACSLとは、2020年8月に4D GRAVITY®︎搭載の産業用ドローンの共同開発契約と、開発機体の製造・販売に関する4D GRAVITY®︎特許群のライセンス契約の締結を発表後、2021年3月には、2022年度の「空の産業革命レベル4*3」を見据え、共同開発を進めてきた成果として、物流用ドローンの最新試作機を発表したばかりだ。
3社は相互の理念と考えを共有し、エアロネクストの独自技術と知的財産を土台にした機体を含む包括的なドローン配送サービスの開発力、セイノーHDの幹線ならびにラストワンマイルの物流における実績とネットワーク、ACSLの補助者なし目視外飛行(Level3)の豊富な経験とセキュアで安心なドローンの社会実装の実績を持ち寄り、ドローン物流市場の立ち上げに必要な経済合理性の検証、リーズナブルな価格の機体の提供及び機体の安定供給体制の構築と、これによるドローン物流市場の創出に向けて、協業していくという。
*1)SkyHub®︎……既存物流とドローン物流をつなぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれること、共同配送を実現する、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみであることが特徴。SkyHub®︎の導入は、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。
*2)4D GRAVITY®︎……機体重心を最適化することで、飛行中の姿勢、状態、動作によらずモーターの回転数を均一化して、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能を向上させるエアロネクストが開発した構造設計技術。この技術は、機体の分離結合構造とペイロードの接続の仕方に特徴を有しており、エアロネクストは、この技術を特許化して4D GRAVITY®︎特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®︎による基本性能の向上により、産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。
*3)空の産業革命レベル4……2020年7月に発表された小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会による「空の産業革命に向けたロードマップ2020」で明記されている、2022年度を目標とした「有人地帯での補助者なし目視外飛行」の実現フェーズのこと。
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