ミナカラ×セイノーホールディングス | 物流センター内に「セントラル調剤薬局」を共同開発・稼働開始
オンライン薬局「ミナカラ」を運営する株式会社ミナカラは、セイノーホールディングス株式会社傘下の濃飛西濃運輸株式会社と、石川県白山市の物流センター内に調剤薬局を共同開発し、2021年2月より稼働開始したと発表した。
ミナカラが考える「セントラル調剤薬局」について
株式会社ミナカラは、2015年より東京都内の自社の保険調剤薬局を通じて、一般消費者に薬剤師による対面およびオンラインも活用した服薬指導・健康サポートと、医薬品等を提供してきた。
薬剤師による対人業務としては、一般用医薬品の販売を通じた情報提供や、服薬指導等の医療用医薬品の提供に関する業務だけでなく、日常生活中の健康相談にオンラインを活用して寄り添うことで、服薬中の課題を解決するとともに高い顧客満足度(※1)を獲得してきたという。
また、薬剤師による宅配や当日に入手可能となる即時配送など、利用者が必要とする際にすみやかに医薬品等を提供できるよう、物流面の実証事業や取り組みも実施してきた。
今回ミナカラは物流面の更なる強化を図るべく、「セントラル調剤薬局」構想を掲げ、濃飛西濃運輸株式会社の物流センター内に調剤薬局の許認可を取得し稼働を開始した。本件は、オンライン薬局に対応した調剤薬局を物流センター内に開発・稼働した国内初の事例(2021年2月10日:ミナカラ調べ)となり、今回をモデルケースとして全国への水平展開を図る考えだ。
セントラルキッチン(集中調理施設)のように、医薬品供給を一手に引き受けることで下記のような構造的な進化を目指しているという。
■ユーザーの物流体験の向上
オンライン経由の医薬品の提供において、ユーザーにとってもっとも身近な拠点は、物流センターだという。物流センター自体を調剤薬局とすることで、配送時間の短縮(即時配送等)、品質の高いピッキング・梱包、健康相談だけでなく物流面も含めたスムーズなカスタマーサポートの提供が可能になる。また、将来的にはドローン配送等の新たなラストワンマイル体験の提供につながる拠点にもなりうる。
■サプライチェーンの連携強化
・製薬企業の製造工場が多数ある北陸に拠点をおくことで、リードタイムの短縮・コミュニケーションの強化を図る。
・中長期的には、利用者の多いエリアごとに「セントラル調剤薬局」を設けていくことで、ラストワンマイルの配送手段を増やしたり(※2)配送速度を上げる取り組みを行う。
■調剤・ピッキング・梱包・配送の品質と生産性の向上
・物流のプロフェッショナルと協業することでの品質と生産性の向上。
・一般的な小型店舗以上の規模化を図ることで、中長期的には対物業務へのロボット・AI導入等の投資を行いやすくし、品質と生産性の向上を狙う。
■付随する今後の展望
・薬剤師が医療機関のDIセンターのようにチームとなって活動することで、患者がいつでもどこでも薬剤師のサポートを受けられる体制とし、患者体験を向上させながら薬剤師が対人業務でより価値を発揮できる取り組みを行う。
・中長期的にはミナカラ以外の医薬品卸や製薬企業や薬局が「セントラル調剤薬局」を活用したいときにBPO的に提供することも視野に入れる。
※1: ミナカラの薬剤師によるオンライン健康相談に対する「満足した・良かった」の回答率97.5%(5段階評価中上位2段階の比率)、NPS+52.2ポイント(10段階評価中上位2段階の割合% − 下位6段階の割合%)ミナカラの薬剤師によるオンライン服薬指導に対する「満足した・良かった」の回答率99.5% (2021年2月10日:ミナカラ調べ)
※2: ラストワンマイルの配送手段の一環として、同じくセイノーホールディングス株式会社傘下のラストワンマイル関連グループ会社が提供する「ARUU(アルー)」を通じた、医薬品の“即時”配送サービス等も取り組んでいる。
ミナカラとセイノーホールディングスの協業について
株式会社ミナカラは、2020年8月にセイノーホールディングス株式会社がアンカーLPとして参画しているLogistics Innovation Fund投資事業有限責任組合を割当先とする増資を実施している。同社は医薬品配送等の物流オペレーション領域の拡大・強化等を中心に、セイノーホールディングス株式会社と協業を進めているという。
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