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医療や接客がガラリと変わる?AI×コミュニケーションで注目される共創事例

医療や接客がガラリと変わる?AI×コミュニケーションで注目される共創事例

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多くのビジネスパーソンが注目するAIビジネスですが、AIには多用に細分化された用途があります。ですから「どの領域のAI活用がアツいか?」に注目するのが正しいビジネス洞察眼と言えるでしょう。eiicon labの連載「Break Down AI」では、期待される【AI×○○】の実態に迫り、どのような共創が行われているかに迫ります。

今回は【AI×コミュニケーション】の共創事例を探っていきます。コミュニケーションは人と人をつなぐ根幹の機能でもありますから、コミュニケーションを効率化することや、コミュニケーションから抽出できるデータには大きな価値があることは想像に難くありません。現在のコミュニケーション分野において、どのようなイノベーションが起こっているのでしょうか。

AI×コミュニケーションは複数の分野で横断的に活用される

当然のことながら、コミュニケーションは業界や分野に関わらず発生するものです。ですから、【AI×コミュニケーション】という分野で市場規模を把握することは難しいものがあります。

参考としては、SlackやChatworkといったビジネスチャットツールの市場規模は国内だけでも2020年度に100億円に達すると見込まれており、近年急成長を続けています。次に、国内のAI市場に目を向けると、2020年度には1兆円を超え、2030年度には2兆円を超えるという予測が出ています。

AI市場のおおまかな内訳を見てみると、金融業、プロセス製造業、組み立て製造業、医療/介護業、これらの4業種で市場規模の約半分がまかなえる規模感となっています。これらの業種でコミュニケーションAIがどのように使われるでしょうか。金融業ではチャットボットが、医療/介護現場ではコミュニケーションロボットなどが生産性を上げることに一役買いそうなことが想像できます。

関連ページ:本格的な導入が進む国内のAI(人工知能)ビジネス市場を調査 | マーケット情報 | 富士経済グループ

関連ページ:ITR Market View:ビジネスチャット市場2018 | ITR

AI×コミュニケーションの共創事例

前述のように幅広い用途が期待できるAI×コミュニケーションの分野で、どのような共創が起こっているのか、事例を見ていきます。

【KDDI×NHK】テレビ番組に連動する雑談対話型AIを搭載したロボットを開発

KDDI総合研究所は2019年5月、NHK放送技術研究所とテレビ番組に関連したロボットの発話を起点として、視聴者の世代や顔ぶれに応じて幅広く話題を展開できる雑談対話型AIを搭載したロボットを共同開発しました。

昨今、スマホ視聴や4K/8Kなど、多様な環境でテレビを視聴するユーザーが増えるなかで、家族や友人とネットワークで繋がった視聴体験が注目されています。

そんな中、このテレビ番組に連動した雑談対話ロボットによって、テレビに新しい世界観を実現することが狙いです。

関連記事:KDDIとNHK、テレビ番組に連動する雑談対話型AIを搭載したロボットを開発

【JR東日本スタートアップ×tripla】WEBサイトにチャットボット設置し問い合わせに多言語対応

JR東日本スタートアップと、AIチャットボット「triplaチャットボットサービス」を展開するtriplaは2019年6月、快適でスマートな旅行サービスの実現とインバウンド観光の促進に向け、資本業務提携することを合意しました。

JR東日本グループは駅や駅周辺の魅力向上に取り組んでおり、一方でtriplaは宿泊施設などのWEBサイトにAIチャットボットを設置するサービスを展開しています。両社は、JR東日本グループが運営する施設の利便性を高めるため、AIチャットボットの活用を視野に入れて業務提携に至ったようです。

関連記事:JR東日本スタートアップとAIチャットボットサービスのtriplaが資本業務提携、旅をサポートするサービスを拡大

【ハタプロ×大阪大学】AIロボットを活用した認知症の予防・進行抑制をテーマに共同研究

対話AIと小型汎用ロボット『ZUKKU』などを開発・製造するハタプロは2019年9月より、大阪大学 大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学の認知症診断や予防・進行抑制に関する研究事業に参画することを発表しました。

超高齢化と認知症の急増を背景として、その効果的な予防法や非薬物的介入法の確立は重要な社会課題とされています。

近年の論文では、認知機能障害を早期に発見して積極的に非薬物的介入(運動、認知機能トレーニング、社会的孤立の防止やコミュニケーションの増進)を行うことで、認知機能が維持できるという報告が増えているそうです。

今回の取り組みでは、AIロボットを活用して継続して科学的根拠の高い介入プログラムの開発と非薬物的介入を蓄積します。そして日常に溶け込むようなシニア・アシスタントデバイスとしての機能を強化するといいます。

関連記事:ハタプロ、AIロボットを活用した認知症の予防・進行抑制をテーマに、大阪大学大学院と共同研究を開始

【高輪ゲートウェイ駅】AI活用の無人店舗や駅案内サイネージ

2020年3月に誕生した新駅「高輪ゲートウェイ駅」では、共創を軸としたサービス設備導入や実証実験のフィールドとしても活用される“新しいことを始める場所”というコンセプトも掲げられています。

AI×コミュニケーションの文脈でもいくつか事例があります。凸版印刷はAI案内サイネージ「BotFriends® Vision(ぼっとふれんず ビジョン)」を提供し、駅利用者の利便性を向上させ、国内外からの利用者のおもてなしを支援しています。東京駅や横浜駅でも実証実験が行われ、AIとバーチャルキャラクターの遠隔操作を組み合わせた駅案内の有用性を検証してきました。日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語に対応しているとのことです。

また、 無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」も注目を集めています。TOUCH TO GOはJR東日本スタートアップとサインポストによる合弁会社として2019年7月に設立された会社です。大宮駅での実証実験などで良好な結果を得たことで、高輪ゲートウェイ駅でも導入される運びとなりました。

関連記事:共創によって新たな体験価値を生む新駅「高輪ゲートウェイ」を紐解く

【高島屋×空色】髙島屋京都店にて店内案内サービス提供

AIチャットボット「WhatYa」(ワチャ)を開発する空色は2019年7月、髙島屋京都店にて多言語対応AIを活用した店内案内チャットボットサービス開始しています。

この取り組みでは、訪日外国人の増加をうけて、髙島屋京都店のインフォメーションカウンターでの店内案内に空色のAIチャットボットWhatYaを活用します。日本語の他に中国語、英語に対応するとのこと。来店した顧客は店内に掲載された2次元コードを読み取ってサービスを利用できます。

空色はWhatYa以外にもWEB接客ソリューション「OK SKY」を開発・運営しており、2019年8月には6.5億円の資金調達を実施しています。事業を強化し、2020年度末をめどに累計導入企業数500社を目指すとのことです。

関連記事:WEB接客やAIチャットBOTソリューションを提供する「空色」、総額約6.5億円の資金調達を実施

関連ページ:空色のAIチャットボット「WhatYa」を活用し、髙島屋京都店にて店内案内サービス提供を開始しました。

【編集後記】コロナ禍で接客に変革のとき?

この記事を執筆している2020年6月はまさにコロナ禍の真っ最中であり、医療/介護だけでなく接客業なども密接なコミュニケーションが取りにくい状態です。

高島屋と空色の事例もそうですが、百貨店のインフォメーションセンターなどは必ずしもリアルで接客する必要はないのでは?と感じた読者も多いのではないでしょうか。このような仕事をAIチャットボットや、オンラインでの接客に代替することで人件費の削減にもなりますし、遠隔での接客が可能になれば人材の流動性も生まれます。AI分野がコロナ禍でもたらすイノベーションは多そうですね。

(eiicon編集部)

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Break Down AI

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