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天地人「宇宙水道局」とアイシン「みちログ」が磐田市で、日本初となる道路と水道の一体管理に向けた実証開始

天地人「宇宙水道局」とアイシン「みちログ」が磐田市で、日本初となる道路と水道の一体管理に向けた実証開始

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宇宙ベンチャーの株式会社天地人と株式会社アイシンは8月7日、静岡県磐田市と遠鉄タクシー株式会社と連携し、日本初となる道路と水道の一体管理に向けた実証プロジェクトを開始すると発表した。衛星データで漏水リスクを診断する「宇宙水道局」と、車載カメラ+AIで路面異常を検知する「みちログ」を連携させ、地下の水道管劣化と地上の路面異常との相関を検証する。

地上と地下をつなぐインフラDX

従来は道路と水道が別々に点検されてきたが、本プロジェクトではデータを相互に活用する。漏水リスクが高い地域を優先的に走行し、カメラで路面を撮影。「みちログ」がひび割れやポットホール、IRI(国際ラフネス指数)を検知し、そのデータを「宇宙水道局」に取り込むことで、過去の漏水履歴と照合し予測精度を高める。これにより、路面沈下や陥没の兆候を高精度で把握でき、事故予防や維持管理費削減、人手不足解消につながると期待されている。

また、磐田市の道路パトロールカー2台に加え、遠鉄タクシーの車両1台にも「みちログ」専用カメラと車載器を搭載。日常の営業走行で効率的にデータを収集する。市役所の道路河川課・上下水道工事課が現場運用を支援し、天地人が衛星データ解析、アイシンがAIによる道路異常検出を担当する。実証は9月から来年2月まで行い、全国展開や海外展開も視野に入れる。

社会課題に応える新モデル

全国の自治体では、老朽化する道路や水道管を点検する人材や予算不足が深刻化している。法定耐用年数を超えた上水道管は約17.6万kmに達し、年間約2万件の漏水事故が発生。道路では陥没や損傷による事故リスクも増加している。本プロジェクトは国土交通省が推進する「群マネ」(地域インフラ群再生戦略マネジメント)を公民連携で実装する初の事例であり、自治体内の部門連携を促進し、効率的な維持管理を可能にするモデルケースとなる。

「宇宙水道局」は衛星データを活用し、数メートル単位で水道管の漏水リスクを診断。更新計画の優先順位を合理的に策定できる。「みちログ」は車載カメラとAIで道路異常を自動検知し、補修計画を支援する。両者の連携により、限られた予算と人員で最大の安全効果を生み出すことが可能になる。

天地人の代表取締役社長 櫻庭康人は「地上と宇宙のデータを組み合わせることで、世界中のインフラ課題解決に貢献できる」と語る。また、アイシンの吉田守孝社長も「民間主導のDXモデルとして全国の自治体に広げたい」と語った。磐田市から始まるこの実証が、持続可能なインフラ管理の新しいスタンダードとなるか注目される。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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  • 中務稔也

    中務稔也

    • フリーランス
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