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アイシン×山口県山口市が道路維持管理支援サービス「みちログ」の実証実験を開始 人口減少が進む地域でDXによる道路管理を実現へ

アイシン×山口県山口市が道路維持管理支援サービス「みちログ」の実証実験を開始 人口減少が進む地域でDXによる道路管理を実現へ

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自動車部品大手の株式会社アイシンは、山口県山口市と共同で、道路維持管理支援サービス「みちログ」の実証実験を市内の阿東地域などで開始した。人口減少と高齢化が進む過疎地域において、限られた人員で安全な生活環境を維持することが目的だ。

人口減少地域での“インフラ維持”という課題に挑む

山口市の阿東地域は中山間地に位置し、住民の高齢化や担い手不足が深刻化している。道路パトロールや維持管理といった業務は、市職員が広大なエリアを巡回しながら手作業で行ってきた。しかし人手の減少により、老朽化したインフラの把握や対応が後手に回るケースも生じていた。

こうした現状を踏まえ、アイシンは同市と協働し、DXを活用したスマートな道路管理の仕組みづくりを推進している。その取り組みの一つが、車両走行データを活用して道路の異常を自動検知する「みちログ」だ。

走行するだけで道路異常を自動検知

「みちログ」は、専用車載器を搭載した車両が通常走行するだけで、ポットホール(穴ぼこ)やひび割れなどの道路異常を検知できるサービスである。収集したデータはクラウド上で自動集約され、職員はシステム上で異常箇所を一元的に確認・管理できる。

これにより、従来人手で行われていた道路パトロールの負担を大幅に軽減できるほか、紙資料での報告や整理といったアナログ作業も削減可能になる。結果として、限られた職員数でも効率的な道路維持管理が実現する。

「特定地点撮影機能」で目視点検をデジタル化

さらに本実証では、「特定地点撮影機能」を活用。任意の地点を登録しておくと、該当車両が通過するたびに自動で画像を撮影・記録する仕組みだ。これにより、職員が現地へ赴かなくても、経時的な変化をシステム上で把握できる。

この仕組みは道路のひび割れなどだけでなく、草木のはみ出し、水道管の漏水、田畑の害虫被害といった幅広い異常の早期発見にも寄与する。アイシンと山口市は、データを活用した予防保全型の管理体制を確立することで、事故の未然防止や迅速な補修対応を目指す。

持続可能な地域インフラ管理モデルへ

アイシンでは、これまでにもAIや画像解析技術を活用した「みちログ」の高機能化を進めてきた。区画線のかすれ検知や路面性状の判定など、より安全で快適な道路環境の維持に向けた機能追加も実施している。

今回の阿東地域での実証は、地方自治体が抱える“人手不足時代のインフラ維持”という課題に対し、デジタル技術で応えるモデルケースとなる見込みだ。今後は他地域への展開や、道路以外の公共インフラへの応用も期待される。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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