【Open Innovation Guide⑤】 オープンイノベーションの共創パートナーを発掘する方法とは?
eiiconは、2017年10月12日に”オープンイノベーションの手引き”というコンテンツを公開しました。これは、経済産業省「事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引き(初版)」を元に、事業提携を成功させるための各種ノウハウをわかりやすくWEBコンテンツ化したものです。自身の課題感や、状態に合わせて検索、読み進めることが可能となっています。もともとの手引きも100ページ以上ある大作ですが、eiiconのコンテンツもボリュームがあるため、eiicon founder 中村が解説していきます。
◆Open Innovation Guide⑤:オープンイノベーションの共創パートナーを発掘する方法とは?
おはようございます。中村です。本日は、eiiconの真髄でもある「共創パートナーを発掘する方法」について。手引きでは戦略策定~オープンディスカッションについてという項目で「共創パートナー発掘手段」の具体例を二つ記載しています。まずその二つを紹介していきますね。
◆共創パートナー発掘手段 その1「アクセラレータープログラム」
「共創パートナー発掘手段」その1は「外部アクセラレーターとの連携によるプログラム実施」の例です。
これは、事業会社が「共創パートナー」足り得るベンチャー企業を発掘するために、アクセラレーター運営業者に「プログラムの運営支援」と「ベンチャー企業の審査・メンタリング」を依頼するというものです。
事業会社が初めて社外連携のプログラムを実装しようとしても、なかなか自社にノウハウがない中ではプログラム運営におけるタスク処理からメンタリング含め非常に難しいので、外部のパートナーを活用するという方法は有効な手段であると言えるでしょう。
一方でデメリットとしては、利用するのに一回のプログラム実施につき数千万円程度の予算が必要であるということ、自社の基準や目的を明確にせずに利用したとしても期待している効果は得られないという点です。
もちろんプログラム自体の運営支援は信頼が置けるものですが、それは事業会社の「連携したい事業領域を明確化」してくれるお手伝い・支援ではありません。少なくとも「シナジーを生み出したい事業領域」は明確にした上で望むべき、がこのプログラムを成功させる大前提だと言えます。
また回を重ねれば、自社のみで運営できるようになりますので(海外では複数事例も出てきています)、最初からそのつもりで、体制づくりからメンタリングの方法までしっかり自社の社員に学ばせていく事も非常に有効です。
◆共創パートナー発掘手段 その2「VC・外部運営アクセラレータープログラムから探索」
「共創パートナー発掘手段」その2はVC・外部運営アクセラレータープログラムから探索していく方法。ともすれば、将来の可能性が未知数のベンチャー企業に対し、他社とリスクをシェアしながら発掘育成が可能な方法です。
◆共創パートナー発掘は必須。ただ発掘に課題を感じている企業は多い。
手引きには、「共創パートナー発掘手段」は上記2点のみ。これは言い換えると、無数にある企業の中から「共創パートナー足りうるベンチャー企業」を発掘するためには基本的に外部のプロの支援が今迄不可欠であった、とも言えるでしょう。企業の数は沢山あるのに、将来の共創相手を発見するのが難しいということです。パートナー発掘・探しに苦労しているという点はeiiconによる独自調査でも、経産省によるアンケート調査でも顕われています。
発見が困難な理由にはもちろん、
・事業会社のベンチャーを見極める目が育っていない、という点も挙げられます。
ただもっと根本的な、物理的理由も経産省のアンケート調査で明らかになっています。
・オープンイノベーション推進していることをオープンにしていないため、お互いを直接探しあう手段がない、という点です。
下図はその論拠、オープンイノベーションを推進していることを対外的に告知していない企業が実施を決めている企業のうち実に83%あるというデータです。
「オープンイノベーション」という文脈でお話すると想像しにくいかもしれませんが、例えばこれを「中途採用」に置き換えてみるとどうでしょう。「自社が中途採用している」ということを告知していないで、中途採用しようとしている…と考えるとどれだけ効率が悪く、出会いが限定されるかが想像できると思います。
eiiconでは「発見が困難」という状態を打破するべく、この「発信をしていない」という課題をまず解決するため企業同士が無料出会えるフリーミアムのプラットフォームを展開しています。こういった、「対外的な発信」を「共創パートナー発掘手段」その3としておきましょう。
この手法の良いところは、まず自社のことをオープンにして「探してもらう」ために、自社の提携イメージを予めしっかり持っていないといけない事が明らかになる点、また、そこまで予算をかける必要がない点にあります。デメリットはプロの支援がなく、ハンズオフの領域であるという点で、自社の自力が試されます。
eiiconは自社のシナジーがある領域はどこかを明らかにし、パートナーを捜す事ができる国内初の完全オープンプラットフォームとなっていますのでぜひ活用いただきたいですが(eiiconの無料登録はこちらから▶︎)、もちろん活用せずとも自社のHPに「オープンイノベーションの告知」を実施していく形でも構いませんし、プレスリリースや新聞といった手法も有りでしょう。
一方で、「対外的な発信」に対し、プロの支援を必要とされるオープンイノベーション取組み初期フェーズの企業様には別途、担当コンサルタントによるサポートも充実しておりますので、ご興味のある方は下記迄お問い合わせください。eiicon-info@persol.co.jp
◆共創パートナーを発掘する上で大切な事
と少し宣伝が入りましたがオープンイノベーションの共創パートナーを発掘する上で大切な事は、「適切な発信・ソーシング」です。
オープンイノベーションを推進する過程ごとに様々な壁がありますが、その時々のポイントをしっかり押さえていく事が大切です。下記はeiiconでまとめているオープンイノベーションのフェーズごとの手法とポイント、悩み事例の図です。今の自社のフェーズで必要な事を整理し、取り組まれていくのが良いと思います。
2017年、オープンイノベーション元年と言われた昨年から明けて2018年。なかなか一朝一夕で結果が出ない類いの取組みではありますが日本は確実に前へ進んでいます。ぜひ、先人たちが失敗し、苦労した経験をまとめた内容が詰まっている最高の教科書「オープンイノベーションの手引き」をぜひご一読ください。
●他詳細はこちらから オープンイノベーションの手引き https://eiicon.net/about/guidance/
解説/オープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」Founder 中村 亜由子(nakamura ayuko)