
リーガルテックの旗手・リセが11.4億円を調達 中堅中小企業の法務を支えるAIサービス拡充へ
中堅・中小企業向けのリーガルテックサービスを展開する株式会社リセは、シリーズCラウンドのファーストクローズとして総額11.4億円の資金調達を実施した。調達方法は第三者割当増資で、リードインベスターはMPower Partners Fund。Sansan株式会社をはじめとする新規投資家に加え、Angel Bridge株式会社や三菱地所系のBRICKS FUND TOKYOといった既存投資家も参加している。
調達資金で事業を拡大 「LeCHECK」を中核に
今回調達した資金は、新規事業の開発、既存事業の拡大、そして人材採用の強化に充てられる予定だ。リセの主力サービスであるAI契約書レビュー「LeCHECK(リチェック)」は、2020年末のローンチ以降、すでに約4,000社に導入されており、導入企業は中堅中小企業にとどまらず、上場企業や法律事務所にまで広がっている。
さらに、契約書の翻訳を支援する「LeTRANSLATE(リトランスレイト)」や、AIによる契約書の自動管理を可能にする「LeFILING(リファイリング)」も展開。いずれも企業法務の効率化と品質向上を目的としたプロダクトであり、これらを通じて「争いのない『滑らかな』企業活動の実現」というミッションの実現を目指している。
「人×AI」で企業法務の未来を創る
リセの代表を務める藤田美樹氏は、日本および米国NY州の弁護士資格を持ち、西村あさひ法律事務所での経験を活かして2018年に同社を設立。法的専門知識とテクノロジーの融合による革新的なサービス設計が特徴だ。
今回リード投資家を務めたMPower Partners Fundの深澤優壽氏は、次のようにコメントしている。
「リセのプロダクトは、AIと弁護士による高度な法務の専門性が融合しており、すでに数千社に導入され、法務リスク低減に大きく貢献しています。パワフルな経営陣のリーダーシップのもと、日本を代表するリーガルテクノロジー企業へと成長していくことを期待しています」
法務の民主化を目指して
リセが対象とする中堅中小企業は、専門人材の確保が難しく、法務対応に課題を抱えやすいセグメントである。そうした企業にも、質の高いリーガルサービスを手の届く価格で提供できる点に、同社の事業的・社会的意義がある。
今回の資金調達により、リセはより多くの企業に対し法務の選択肢を広げ、「法務の民主化」を推進する存在となっていくだろう。AIの進化と共に、同社の取り組みは今後も注目される。
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(TOMORUBA編集部)