
ヒューマノイドロボットが変える日本の物流と製造現場――INSOL-HIGH×山善、業務提携で実証へ
ヒューマノイドロボット社会実装に取り組むINSOL-HIGH株式会社は、工作機械やロボットなど多様な生産財を扱う専門商社・株式会社山善と、業務提携契約を締結した。両社は日本初となる「ヒューマノイドロボットの社会実装」に向けた共同プロジェクトを始動。物流・製造業界の革新に挑む。
単機能ロボットの限界を超える「ヒューマノイド×WES」
プロジェクトの柱は3つ。まず、倉庫や工場におけるヒューマノイドロボットの最適運用を目的に、移動・把持・柔軟作業をこなせる機体を導入。WESとの連携により、リアルタイムでタスクの最適化を行いながら、ピッキングや組立、検査といった複雑業務にも対応する。ロボット自身がAIで学習を重ね、業務効率を自律的に向上させていく設計だ。
次に、山善の倉庫を舞台とした共同実証実験を実施。WMSやIoTデバイスとの接続も含め、人とロボットが協調する次世代オペレーションモデルを構築する。これは日本初となる「WES×ヒューマノイド」の自動化モデルとなる見込みだ。
さらに2026年以降、全国の物流・製造現場へ本格導入を進め、労働力不足の解消や生産性向上への貢献を目指す。将来的にはこのモデルを日本発の標準として海外市場にも展開していく方針である。
両社のコメント
INSOL-HIGH代表の磯部宗克氏は、「人に寄り添い、人を中心とした社会で共生するロボットを創ることが我々の使命」と語る。ベンダーフリーの立場でWESとロボティクスの融合に挑む姿勢は、多様な業界ニーズに応える柔軟性と革新性を両立する。
一方、山善の中山勝人氏(専任役員・トータル・ファクトリー・ソリューション支社長)は「まずは物流現場での実証を通じて、人手不足という課題に即応し、将来的な社会実装を他社に先駆けて進めていきたい」と意気込みを述べた。
AI・ロボティクスの進化が加速する中、今回の提携は単なる実証を超え、日本の産業構造そのものをアップデートする可能性を秘めている。ヒューマノイドロボットとWESが現場に浸透することで、単なる効率化ではなく、創造的で持続可能な生産環境の実現が見えてくる。
人手不足という「課題先進国」である日本だからこそ、世界に先駆けて生まれるべきロボット社会。その第一歩が、いま踏み出されたと言えるだろう。
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(TOMORUBA編集部)